寶月夜宵(偽)による、人外マスターの道   作:ホーンベアーmk-lll

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今回相当長めです。それでは本編をご覧下さい


三十九話

夜宵達が転移魔法にて転移すると、そこにいたのは悪魔側からはトップの二人、つまり四大魔王の内の二人であるサーゼクス・ルシファーとセラフォルー・レヴィアタンが正装で会談の場となっている駒王学園職員会議室の指定された席に座っていて、その背後には護衛なのだろう、グレイフィアが控えている。そして、天使側からは熾天使のトップから二人、大天使長ミカエルと、大天使ガブリエルが、堕天使側からは神の子を見張る者総督アザゼルと、その護衛として白龍皇ヴァーリが集まっていた。

勿論、悪魔側は魔王の二人だけではなく、リアスとその眷属(未だ神器の制御が未熟なギャスパーは不参加、その護衛として小猫も不参加)、ソーナとその女王クイーンである真羅椿姫が参加していた。

 

「よぉ、お前が寶月夜宵か、待ってたぜ。俺はアザゼル、よろしくな」

 

そうして初めに夜宵に話しかけたのは堕天使総統のアザゼルである。

 

「別に私はよろしくするつもりは無い」

 

「おっと、見た目幼女のくせに随分鋭い言葉使うな」

 

「………アザゼル、話は後ですれば良い、先ずは会談を」

 

「あ〜OKOK、そうするわ」

 

そうして引き下がるアザゼル、その様子を確認したサーゼクスは姿勢を正し、話し始めた。

 

「では、これより会談を始めさせて貰う、進行は僭越ながら私ことサーゼクス・ルシファーが行うが、異論がある者はいるだろうか?」

 

「構いませんよ」

 

「同じく」

 

「ああ、お前に任せるぜ」

 

「サーゼクスちゃんにお任せ☆」

 

「……では、まず先日の一件だが、コカビエルの襲撃については我が妹であるリアスとその眷属、それからそこに居るゼノヴィアと夜宵によって鎮静化された。バルパー・ガリレイはコカビエルによって殺害、フリード・セルゼンは逃亡。そして肝心のコカビエルだが……」

 

「………私が捕獲した」

 

「……では先ず、コカビエルの件も含めてここ最近この街で起きた事件についてと、その顛末をリアス、ソーナ、説明してもらえるかい?」

 

「「かしこまりました」」

 

二人の口から説明されるのは、堕天使の侵入の件から始まった大小様々な事件の内容と、その顛末だ。

特に不明点などは無く、むしろ詳細な説明が齎された事で全員が満足気に頷いている。

 

「以上が、私リアス・グレモリーと、その眷属が関わった全事件の内容と、その詳細です」

 

「私、ソーナ・シトリーも、以上の内容に偽りが無い事を保証いたします」

 

「ありがとう、リアスちゃん、ソーナちゃん☆」

 

「……リアスからの報告を踏まえて、堕天使総督の意見を聞かせて貰いたい」

 

「意見もなにも、下っ端の堕天使やコカビエルが独断で起こした事だからな」

 

「それは、与り知らぬと言いたいのですか?」

 

「そりゃ誤解ってもんだ、目的が判るまで泳がせてたのさ。…ただ、その堕天使の侵入した件については今始めて知ったがな」

 

ガブリエルの意見に対して、アザゼルは変わらず不敵に笑いながら返答を返している。まるで部下の不始末は部下の責任であり、自分は一応の保険として白龍皇も用意していたと言いたげだ。

 

「だが、そのいつの間にか居なくなっていたって言うのは気になるな、何か目的があってこの街に来たはず……となると考えられるのは一つだな」

 

そう言ってアザゼルは夜宵の方へ向く。

 

「お前だろ寶月夜宵、お前が堕天使を捕獲した……違うか?」

 

(……堕天使総統アザゼル、成程、確かに頭のキレは流石と言った所か)

 

「………アザゼルの言う通り、私がレイナーレ及び仲間の堕天使三名を捕まえた」

 

「……っ」

 

夜宵の言葉に僅かに反応するイッセー、それはそうだろう、レイナーレは彼をこの世界に引きずり込んだ張本人だからである。

 

「……OK、それが分かれば問題ねぇ、ならさっさと結ぼうぜ和平をよ、どうせこの場にいる全員そのつもりだったんだろ?」

 

いよいよ和平締結だ。いきなり本題に入り会議を終わらせたいのだろうが、それよりもまだ話さなければならない事が残っている。

 

「その前に一つだけ確認したいことがあります。」

 

「ん?、どうしたんだいミカエル?」

 

「えぇ、実は先日、教会の本部より、結木翔哉の籠手が盗まれまして……何か知っていますか?」

 

「結木翔哉?……あぁ、あいつか、確か五十年前に教会最強の男として悪魔を何千体殲滅したっていう」

 

「はい、その功績として、ガブリエルの側近として仕えることが決まったその後、籠手を残して謎の失踪をしたんです、教会側は死亡判定し、篭手は教会戦士達の意欲向上のために保管されていたのですが……」

 

「それが盗まれたと……俺は知らねぇな…お二方は?」

 

「いや、私も知らないな」

 

「私も私も〜☆」

 

ミカエルはそれぞれの表情をみると、全員が嘘をついていないことを確認する。

 

「……そうですか…それならいいんですが…」

 

そしてミカエルが引くと、今度はアザゼルが切り出した。

 

「まぁ、その話は後にしてだ……それより、和平に並んでもう一つ、大事な事を忘れてるぜ」

 

「あぁそうだね……夜宵ちゃんについてかな?」

 

その言葉に会場全体に夜宵の視線が集まるが、未だ彼女は喋らない。

 

「そうだ、確かに寶月夜宵は今こうして中立代表として席に座っているが、正式に中立として俺ら三大勢力から認められる前にどうしても確認しなきゃならねぇことがある。寶月夜宵、お前さんは中立ではなく、俺達三大勢力のどれかで所属したい組織はあるか? 勿論神の子を見張る者に来る気があるなら、俺が直々に秘書としての立場を約束するぜ?」

 

「それを言うなら彼女の側に居るのはアーシア・アルジェント、そして戦士ゼノヴィアと紫藤イリナですよね?もし夜宵さんが私達の陣営に入る気があるなら、この三名を大天使ミカエルの名の下異端認定を取り下げ、夜宵さんには私かガブリエル直属の部下という立場を用意させましょう」

 

「我々悪魔側も同じく、もし悪魔側に所属してくれるというのなら、君の安全は絶対の保障をするし、眷族になるのであればセラフォルーの僧侶の席を用意するよ」

 

「っ……う、うん、歓迎するよ夜宵ちゃん☆」

 

もし、中立ではなく何処かの勢力に正式に所属するのであれば、最高の待遇を用意する準備があると、この場に集まった三大勢力のトップ達が口を揃えて約束する。

神の子を見張る者に所属するのであれば総督アザゼルの秘書として、天界に所属するというのなら大天使長ミカエルか、大天使ガブリエル直属の部下として、悪魔勢力に所属するのであれば魔王セラフォルー・レヴィアタンの僧侶として、それぞれ最高の待遇を用意してあるというのは、間違いなく夜宵の所持している卒業生の存在だろう。

 

その待遇の話を黙って聞いていた夜宵は、遂に口を開き始める。

 

「……先ず天界について、アーシア達を戻らせるつもりは無いし、つもりもない、大体最初にそっちが追放したのに私を加入させるために取り下げは都合が良すぎる。それにアイツの存在に気づいてない時点でお里が知れてる。」

 

「っ………アイツ?」

 

ミカエルがそう質問すると、夜宵はバックからとある紙を見せる。

 

「これは過去百年における教会に追放された人物の詳細…よくみて、ここにはアーシアと同じく傷ついた悪魔を介護した結果追放されたシスターが何人も居る」

 

「っ!?本当……ですね……それが?」

 

「まだわからねぇのかミカエル?つまりコイツがいいたいのは、この一連のシスター追放の原因となった傷ついた悪魔ってのが全員同じ奴って事だろ?」

 

「……アザゼルの言う通り、そしてこの犯人はディオドラ・アスタロトだ」

 

「っ!?ディオドラ君が!?……そういえば彼は数ヶ月前から行方が分からなくなってる…まさか」

 

「そう、あの聖女狂いは私が地獄に落とした。」

 

その言葉にサーゼクス・セラフォルー両名は渋い顔をする。彼は元々若手悪魔として期待されていた為、この様な結末に嘆いていた。

 

「……以上の事から天界に入るつもりは無い」

 

「それは、確かにその通りですね」

 

「ええ、耳が痛いですわ」

 

となれば残るは堕天使か悪魔だが……。

 

「堕天使陣営は信用ならない、レイナーレが勝手にやったこととは言え、アーシアを殺そうとした。」

 

「まっ、部下が独断でした事とはいえこれはしゃあないか」

 

「そして悪魔陣営が一番信用ならない、私はディオドラ・アスタロトの様なクズが沢山いるし、黒歌の様な犠牲者をだし続けてる陣営に入る気なんてサラサラ無い……そうゆうわけで私は中立の立場として和平に参加する」

 

これで夜宵が正式に中立代表として、三大勢力トップが認めた形になる。

これより悪魔、天使、堕天使、人間(中立)という四大勢力が整った。後は正式に四大勢力で和平を結ぶだけの運びとなったのだ。

 

「んじゃ、正式に和平を結ぶという事で異論は無ぇだろ?」

 

「ええ、神も先代魔王も消滅した今、我々が戦う理由もありませんしね」

 

「これ以上争ったところで今度待ち受けるのはそれぞれの勢力の滅び。それと人間という種族への甚大な被害だからね、我々もそれは本意ではない」

 

ならば決まりだ。これで和平が正式に成立した。だが、アザゼルはまだ話があるらしく、視線をイッセーに向ける。

 

「後の問題は三竦みとは関係無く歴代が争ってきた赤龍帝、白龍皇、お前らの考えを聞きたい」

 

二天龍、神器に封じられて尚、世界を揺るがす程の力を持った二匹のドラゴンと、その力を宿した二人、この二人の考えは今後非常に重要になってくる。

 

「俺は、強い奴と戦えれば良いさ」

 

「ふん、戦争なんかしなくたって強い奴はごまんと居るさ」

 

「だろうな」

 

そうしてヴァーリの目線の先には夜宵が居た。彼女がその視線に気がつくが、無視をした。

 

「じゃあ、赤龍帝……お前はどうだ?」

 

「いいっ!? えっと……いきなりそんな小難しい事言われても」

 

「んじゃ、思いっきり噛み砕いて説明してやるよ。兵藤一誠、俺らが戦争してたら、リアス・グレモリーは抱けないぞ?」

 

「……なっ!?」

 

 突然何を言い出すのかこのセクハラ親父は! と思ってしまったリアスは悪くない。

 

「だが、和平が成立すれば、その後は種の繁栄、存続だ」

 

「種の……繁栄!?」

 

 思いっきり食いついたイッセーにリアスが頭を抱えた。彼の表情は、それはもう助平丸出し、悪魔らしく情欲にまみれている。

 

「おうよ、毎日リアス・グレモリーと……いや、それどころかグレモリー眷属の女共や、お前が上級悪魔になってから眷属にした女と、毎日子作りに励む事も出来るぞ?」

 

「そ、それはまさに毎日がハーレムということか!?」

 

「そういうこった。和平なら毎日子作り、戦争なら子作り無し、どうだ? これならお前でも理解出来るだろ?」

 

「……っ! 和平でお願いします!! ええ! 平和が一番です!!!」

 

「……何を言っているのだアイツは?」

 

「イッセーくん………」

 

「は、はわわ……」

 

「……くだらない」

 

その答えにアザゼルは満足したようで終わったぞと合図を送る。そしてすべてが終了した……と、思われたが

 

「……ゼノヴィア、デュランダルを皆はデュランダルに触って」

 

その瞬間、駒王学園を巨大な結界が多い尽くし、更に朱乃、ソーナ、椿姫の三人の時間が停止してしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、駒王学園全体を覆い尽くす結界が張られ、その内部に閉じ込められた会談参加者達。更に最悪の事態として朱乃、ソーナ、椿姫の三名が時間停止を受けたかのようにその動きを完全停止させてしまい、全員が立ち上がって警戒を始めた。

 

「これは、時間が停止したのか!?」

 

「その様だ……なるほど、上位存在たる魔王、大天使、堕天使総督は当然として、兵藤一誠と白龍皇は神器を咄嗟に出したから、リアス・グレモリーは兵藤一誠の赤龍帝の籠手ブーステッド・ギアに触れていたから、木場裕斗は聖魔剣を出したから、で、お前らはデュランダルを触れていたって所か」

 

つまり、ソーナと椿姫、朱乃はそのどれにも該当しなかった為に停止してしまったという事になる。そして、更に事態は最悪の一途を辿るようで、学園全体に衝撃が走って大きく揺れた。

 

「何事なの!?」

 

リアスが窓の外を見ると、モノアイの文様が描かれたローブを纏った集団が次々と上空に展開された魔法陣から転移してきて、校舎へ魔術攻撃を仕掛けているのが見えた。幸いにして校舎には防御結界が予め施してあったので、何とか防げているが、その周囲を警戒していた筈の悪魔、天使、堕天使は時間停止によって身動き取れずに次々と殺されている。

 

「あれは魔術師ね」

 

外の集団を一目見ただけでセラフォルーが魔術師だと看破した。

 

「不味いぜこれは、恐らく敵は既に会談中に侵入してきてハーフヴァンパイアの小僧を手中に収めたんだろう……その上で、小僧の神器を強制的に禁手化状態にしたんだな。視界の全てではなく、持ち主の半径数百m範囲にある万物全ての時間停止、なるほど……こりゃ時間が経てば俺達でも止められる可能性があるぜ」

 

「そんな! ギャスパーが敵の手に落ちたですって!?」

 

「ま、不味い! あそこには小猫ちゃんも居るのに!!」

 

その言葉に反応する夜宵、小猫は彼女の所持する黒歌の妹であり、何としてでも守らなければならない存在である。

 

「空にある転移魔術式を見る限り、この結界内に外から転移陣を繋いでいる者が居るようですね」

 

「逆に、こちらの転移用魔法陣は完全に封じられています」

 

ミカエルとグレイフィアの言葉から判るのは、転移魔法陣を敷いている術者が結界の外に居る以上、転移魔法陣を破壊しない限り的は増え続ける一方という事だ。

やるべき事は二つ。一つは外に居る敵集団の殲滅と上空の転移魔法陣の破壊。もう一つは捕らわれているであろうギャスパーおよび小猫を奪還して時間停止を解除する事。

 

「それなら私の手元に戦車の駒があります!これで小猫とキャスリングをすれば何とかなります!……イッセー!行けるわね!」

 

「っ!はい!必ず小猫ちゃんとギャスパーを連れて来ます!」

 

「……わかった、そちらは二人に任せよう。イッセー君、リアスを頼むよ」

 

「了解しました!」

 

早速イッセーとリアスが会議室を出ようとしたのだが、それをアザゼルが止める。

 

「こいつを持って行け」

 

「これは……?」

 

アザゼルが差し出したのは妙な力の篭った腕輪だった。しかもそれが二つ。

 

「こいつは俺が開発したアイテムでな、こいつが一時的に禁手化を対価の代わりになって発動させてくれる。暴走を抑える効果もあるから、ハーフヴァンパイアの神器も、多少は制御してくれるはずだ」

 

「それって、俺も禁手化になれるってことか!?」

 

「可能性の話だ。あくまでなれるかはお前次第だからな、未熟なお前では対価無しではなれないだろうが、その腕輪を対価にすれば肉体を対価として差し出さずとも済む……まぁ、一種の保険とでも思っておけ」

 

 とりあえず、万が一の時に役に立つだろうと思い、一誠は腕輪を受け取る。

 

そしてイッセーはリアスと共にキャスリングで小猫と位置を入れ替えた。そして時間が止まった小猫が現れる。

 

「テロリストごと、ハーフヴァンパイアを吹っ飛ばせば早かったと思うんだけどね」

 

「口を慎め白龍皇、今の言葉は和平を結んだこの場において火種になる」

 

「ふぅ……じっとしているのは苦手なんだ、軽口くらい許して貰いたいね」

 

「なら、外に出て物騒な連中の相手をしてくれ、白龍皇が出ればやつ等も少しは乱れるはずだ」

 

そうしてヴァーリはアザゼルの指示通り魔術師達を蹴散らそうとしたその瞬間である。夜宵がそれを制したのだ。

 

「……ここは私に任せて欲しい」

 

「……ほぉ、あの数を全部相手にするってか…面白え、ならば見せてみろ」

 

そうしてヴァーリは不満そうな顔を浮かべながらさがる。それを確認した夜宵は、バックからぬいぐるみを取り出す。

 

「……全員グラウンドに出ないようにして……巻き込まれたら確実に死……

………盈たして【月蝕尽絶黒阿修羅】」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遂に登場黒阿修羅くん!そして彼の登場によって魔術師の壮絶死が確定しました…、今のうちに黙祷を捧げましょう……南無
誤字報告お待ちしてます
感想評価どんとこい
では次回にてお会いしましょう

現在非登場の0期生、3期生、1期生の武将の霊、及び超越地蔵は?

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