寶月夜宵(偽)による、人外マスターの道 作:ホーンベアーmk-lll
「盈たして」
その場に居た全ての人物が夜宵に注目する。古の大戦を生き抜いた堕天使幹部コカビエルを圧倒した黒歌、その同列の存在がこの目で見れる。そう期待して見ていると、ライオンのぬいぐるみから青いオーラが出て、そのオーラが形となり現れたのは……少年であった。
「……あ?」
アザゼルが不思議そうな声をあげる。それは当然であろう。どんな凄い奴が出てくるとおもったら、何の変哲も無い少年が出てきたのだ。
見た目としては黒髪に少年が着るような半シャツと短パン、そして手にはスケッチブックを持っていたのである。
『……おねえちゃん』
少年が問う様に夜宵を見つめる。
「……今回の敵はあそこにいる大量の人達、こっちにいる人は攻撃しないで欲しい。あと、赤髪の女の人と茶髪で赤い籠手をつけている男の子と、金髪に赤い目をした男の娘は攻撃は同じく無し……分かった?」
『うん、わかった。……いってくるね』
そう言って少年はグラウンドへと向かう。
「おい、寶月夜宵、あのガキなにもんだ?俺にはてんで力があるとは思うねぇが」
「アザゼルの言う通り、一体どうゆうことですか?」
何も知らないアザゼルとミカエルは夜宵に説明を求める。、……そして同様にゼノヴィアとイリナも説明して欲しいという表情をしていた。……ただ、アーシアだけは少年を悲しい目で見つめていた。
「……今のあの子は言わば第1形態、力を隠してる形態…」
「へぇ…力をねぇ…もしあの少年が力を開放したら、あの魔術師はどうなるんだい?」
「……あの子は私の手持ちの中で最強…もしあの子と敵対したら、もれなく全員死ぬ」
その言葉に全員が驚愕し、あり得ないという表情をする。それはそうであろう、ここに居るのは各種族最強の地位にいる人物と二天龍の一角である白龍皇なのである。そんな大物たちを殺せると言うのである、あの少年が。
「まぁよく見ておくと良い……」
その言葉と同時に少年が魔術師達の側に近づくことに成功、魔術師達も少年の存在に気づき、警戒するが、見た目はボロボロの服を着た少年だったので、直に警戒を解く、力も感じない、こんなボロボロのガキに、何も出来るわけが無いと決断したからである。…だが、その瞬間、少年に目に映る存在が魔術師から、とある女性に見えるようになった。
『……おかあさん』
「あ?お母さん?ビビってママのミルクでも」
だが、魔術師の言葉が詰まってしまう。そう、少年の姿が恐ろしい姿になったからである。白目と黒目が逆転し、目からは血が涙の様に溢れ出し、胸には大量の刺し傷があり、近くには青いタッパーが置かれていた。
「【月蝕尽絶黒阿修羅】」
これこそが少年……いや、黒阿修羅の新の姿である。
『おかあさん、いっぱい』
すると黒阿修羅が持つスケッチブックに大量の女の絵が現れる、魔術師達は黒阿修羅の放つ異質なオーラに警戒をする。
『……みんな、にくだんご』
次の瞬間、女性の絵がガリガリと黒く塗りつぶされていく、それと同時に、前に居た魔術師達が苦しみ始めた。
「ガッ!?……か、体が、体がァァァ!?!?!」
「痛い!?……さ、裂けるように痛い!」
「ギィィィィィ!!!?!」
そして全身が塗りつぶされると、魔術師達の体は弾け飛び、死亡、それと同時にタッパーから赤い肉団子が溢れ出していた。その肉団子を黒阿修羅は掴み取り、口の中に入れていく。
「……お、おい、まさかそれって……」
一人の魔術師が肉団子の正体に気づいたのか、黒阿修羅の事を恐怖する目で見る。
『……たりない』
「っ!!総員!あのガキからスケッチブックを奪い取れぇ!!」
魔術師の隊長と思われる人物が黒阿修羅の脅威を感じ取り、命令し、スケッチブックを取ろうとする……が、黒阿修羅から青い手が出現し魔術師達の体を拘束する。そのうちに黒阿修羅は次々とスケッチブックを黒く塗りつぶす、肉団子を食べる、また黒く塗りつぶすを繰り返す。魔術師達がひとり、また一人と無惨に死んでいく。
「……とんでもねぇな、あのガキ」
その光景を見ていたトップ陣営はただ驚愕するしかなかった。
「スケッチブックで黒く塗りつぶされた相手はその部位が消滅、……恐らくあの肉団子に変換されたんだろうね、そしてその肉団子を食べることによって回復も行っている…」
ただヴァーリは正確に黒阿修羅の戦いを観察し、冷静に発言する。その間にも大量にいた魔術師軍団は、残り少数となり、そろそろ終わると思われたが、次の瞬間、空から魔力の玉が黒阿修羅に向かっていく。その不意打ちに黒阿修羅は反応出来ずに被弾、その衝撃でスケッチブックを手放してしまった。
「全く、こんなガキ一人満足に殺せないなんて…とんだ無能集団ね……さて、御機嫌よう現魔王サーゼクス・ルシファー殿、セラフォルー・レヴィアタン殿」
現れたのは褐色肌に眼鏡の女性だった。
感じられる魔力こそサーゼクスやセラフォルーにも劣るが、上級悪魔であるリアスやソーナを軽く上回っているのは確かだろう。
「あ、あなたがどうしてここに!?」
「先代レヴィアタンの血を引く者……カテレア・レヴィアタン!」
それはつまり、元々シトリー家出身だったセラフォルーに魔王の座を奪われた者、という事か。
「世界に、破壊と混沌を!」
カテレアの持つ杖の先端に膨大な魔力が収束し、一気に弾けようとしている。咄嗟にミカエルとガブリエル、アザゼルが時間停止で動けない朱乃、ソーナ、椿姫の前に立って防御結界を展開し、裕斗、イリナ、ゼノヴィアはサーゼクスとグレイフィアが、アーシアと夜宵はセラフォルーが防御結界で守り、次の瞬間に起きた大爆発から守った。
「三大勢力のトップ全員が共同で防御結界! ふふ、なんと見苦しいのでしょう!」
「どういうつもりだ、カテレア」
「この会談の、正に逆の考えに至っただけです。神も魔王も居ないのなら、この世界を変革すべきだと」
「っ! カテレアちゃん! やめて!! どうしてこんな……こんなことを!」
セラフォルーの悲痛の叫びに対して、同じレヴィアタンの名を持つカテレアは心底不愉快だという表情を浮かべた。
「セラフォルー……私からレヴィアタンの座を奪っておいてよくもぬけぬけと!」
セラフォルーが魔王レヴィアタンの座を奪ったとは、随分と穏やかな話ではない、夜宵はサーゼクスに聞いてみることにした。
「サーゼクス・ルシファー、カテレア・レヴィアタンは本来、魔王レヴィアタンの最有力候補だったのか?」
「本来ならね……しかし、先代レヴィアタン様が亡くなられた後に新たな魔王を決める話し合いの席で、魔王は全ての悪魔の中で抜きん出た実力を持っている事が望ましいという意見が出たんだ。その際に候補者として上げられたのは私と、アジュカ、カテレア、ファルビウム、セラフォルー、クルゼイ、シャルバ、リゼヴィム、メフィストの9名だった……その内、リゼヴィムは冥界から離反、メフィストは自ら候補を降り、残りで魔王を決める事になったんだよ」
結果として新たな魔王として指名されたのはサーゼクス、セラフォルー、アジュカ、ファルビウムの四名。いずれも残った候補者の中で抜きん出た実力を兼ね備えており、大戦で活躍した功績もあっての決定だった。
「成程、つまり彼女はセラフォルー・レヴィアタンに実力で負けて魔王になれなかったと言うわけか」
「そこの人間のガキ!無礼な口を慎む事ね。今日この場でセラフォルーを殺し、私が新たなレヴィアタンを名乗る事になる前に、貴方から殺して差し上げましょうか?」
「カテレアちゃん……」
「……セラフォルー・レヴィアタンに実力で劣ってたが故に魔王になれない貴方が彼女を殺す、か……聞いているだけで呆れる」
「そんなに死にたいのなら、殺して差し上げましょう……!」
そうしてカテレアは夜宵に人間であれば一発で死ぬであろう魔力弾を撃とうとした…が
「私を殺したいのであれば、先ずはその子を倒してから言ってみろ」
次の瞬間、青い手がカテレアを襲い始めた、彼女は魔王候補だっただけあり、その攻撃に咄嗟に反応し、避ける。そして下を見ると、無傷の黒阿修羅がスケッチブックではなくタッパーを持ちカテレアを見上げていた。
『……おかあさん、ゆるさない』
次の瞬間、黒阿修羅の体がバラバラになった。いや、バラバラと言っても青い糸みたいなので繋がれて入るが、そして影からでた青い手が黒阿修羅の体を何重にも包み込む様に覆い尽くす。そしてその姿はまるで阿修羅のようであった。
「はん!それがどうしたって言うの!直に殺してやるから待っていなさい!」
『……』
こうしてカテレアVS黒阿修羅の戦いが切って落とされた。
次回カテレアVS黒阿修羅くん。まぁ、この程度の敵ならば第6形態や第7形態使うまでもないでしょ普通に、因みにサーゼクス達は黒阿修羅の戦いに若干恐怖感じてましたよ?
誤字報告お待ちしてます
感想評価どんとこい
では次回にてお会いしましょう!
現在非登場の0期生、3期生、1期生の武将の霊、及び超越地蔵は?
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作者の設定でいいから、出す
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出さない