宇宙人と地球人と自由人 作:トラブルメイカー
「──ふむふむ、なるほどなあ。つまりはあれだな?マンガータンがドライブウェイしてスタングライブ的なアンガーな展開なわけだ」
「うん、タロー1回落ち着こうか」
コスプレ不審者とブラザー2人の逢い引きに横入りした俺は状況の説明を聞かせてもらった。
ブラザー自身も特によくわかってないみたいだが、要約すれば──
「ララちゃんってのは宇宙人で、出身惑星ではお姫様だから騎士サマが迎えに来たけど、ブラザーと結婚するから地球に残りたいとララちゃんが言ったから、うちの姫サマに似合う男か試させてもらうぞ的な展開なんだな?」
「お、おお…!多分そうかも…!?……相変わらず変なとこで察し良いな…」
「だるぅぅぅお?」(巻き舌)
「……ちなみに最初の言葉の意味ってなんだったの?」
「は?んなもんあるわけねえだろ?」
「……おっけ、聞いた俺が馬鹿だった」
馬鹿だって?そんな自分を卑下しなさんな。お前は天才さ。この俺が認めてるんだから胸を張れ。
さてと。
「やい、そこのイケメン騎士」
「な、なんだ…?」
地面にうなだれていた甲冑の男が顔を上げた。
あらヤダ、ゲッソリ顔してる。飯食ってる?今度庭で採れたお野菜でも送ってあげようか?
「お姫様を返して欲しくば俺を倒すんだな!」
「話をややこしくしないでくれ!」
俺の言葉に叫ぶブラザー。
ふっ、安心しな。お前が後ろにいる。それだけで俺は負ける気がしないぜ!
「……いいだろう。受けて立とう。さあ構えろ!」
「ああ!」
懐取り出したあるものを腕へ装備!
そして、ポケットからひとつの小さな箱を取り出す。それらを装備した腕の"ソレ"にセット!準備完了だ!
「……何をしている?」
「何をって準備」
「"ソレ"はなんだ?」
「え?これ?"デュエルディスク"だけど?」
「「……………」」
おいおい、ブラザーと甲冑さんが無言になっちまったぜ。
あれ?時が止まってたりする?俺の新たな力?とりあえず承太郎のポーズしとこ。
「……そのカードでどうやって戦うつもりだ?」
「え?デュエルでしょ?」
「タロー、戦うって多分剣使って物理での話だと思うぞ?」
「えー、先言ってよ俺なんも用意してないよ?そんな言われても出てくるのはブルーアイズホワイトドラゴンだけだぞ」
「いや、まあ、だろうな……」
しょうがない。こうなったらあの勝負をするしかないか。
自転車のカゴに積んでおいたリュックを手に取りチャックを開ける。
そこから取り出すのはいくつかのメガネ。
それを地面に並べ、俺は宣言した。
「5メガネ」
「「……………え?」」
「まずはこれは小手調べといったところだぞ甲冑の男よ。さあここからどう出るか見ものだな」
動きが止まっておる。
さすがに初っ端から5メガネは飛ばしすぎたか?いやしかし、これをどういなしてくるか。確かめておきたいところだ。
さあ、こい!
「………よ、よく分からないが……ひとまず、そこら辺に落ちていた石ころで行こう、か…?」
「……っ!!?なん……だと……!?まさかそう来たか!」
「〜〜っ!ああああ!もう分かんねえ!分かんなすぎるだろ!!」
まさかここで石ころを選択してくるとは!暗黒コンボを狙っているのか!?いやだが!まだそうと決まったわけじゃない!これはフェイントの可能性もある!ここで繰り出すのは……アレしかない!
「ええい!ここで俺はピッツァを出させてもらう!」
「だ、だったら!私はこの剣を…!」
「なにっ!?しまった!まさかの環境破壊デッキを組んでいたか!こうなれば緑茶で相殺だ!」
「ま、マントではどうだ!?」
「それは読んでいたぞ!それに対し自転車を出すことでお前はもう終わりだ!」
「そうなのか!?」
「アイルトンセーナーでトドメだぁぁぁあ!!」
「ぐあああああ!」
吹き飛ぶ甲冑の男。
ふっ、今日も俺は勝利を収めてしまったようだな。
今宵もいい戦いだった。
「……で?ブラザーは何してんの?」
「あああ、もう分かんない……分かんねえよぉ…!」
なんか地面で頭抑えてのたうち回ってんだけど?
どしたん?話聞こか?
そんな中、静寂が広がったその場に別の声が聞こえてきた。
「えーと、これはどういう状況なのかな?」
声のした方を見てみるとそこにはコスプレ衣装に身を包んだララちゃんが。
「お、ララちゃんじゃん。やっほー」
「あ、タロー、やっほー。それでこれは何があったの?」
「んー?そりゃララちゃん。人ってのはたまには母なる大地に口付けをしたい瞬間ってのがあるもんなのさ」
「……えーと?つまり?」
「これは、人として地球に対する求愛行動なわけだな」
「なるほど!ザスティンも地球のことがそんなに好きになってくれたんだね!」
「ああ…!俺も感激で涙が出てくるァ…!」
目尻から溢れ出てくる熱い汗を手で拭う。おっと鼻からも汗が。
にしても、あの甲冑さんザスティンって名前か。いい名前だな。
ザスザスティンティンと呼ぼう。
……長いな。略してティンティンやな。
「ぐおおおおおッ!!」
あ、ティンティンが起きた。雄叫びを上げながら。
気合い入ってんね。何かいい事でもあったのかな?
「この程度では私は負けぬぞ!」
「おいおい、デュエルじゃお前の負けだぜティンティンよ」
「ティンティンとは誰だ!?あとまずルールを教えてくれないか!?」
「それはもう……パッションで感じろ…!」
「話が通じないぞこの地球人…!」
話は通じなくたってか人と人は心で通じ合えるものさ。
いつかお前もこの境地に立てる日が来るといいなティンティンよ。
「……とりあえずタローの勝ちなんだよね?」
「いいえ!私はまだ認めておりません!さあ、そこの地球人!次は私と剣で勝負だ!」
「ヒキョーだよザスティン。デビルークNo.1の剣士って呼ばれてるザスティンに勝てるわけないじゃん」
「なにおう。俺だって剣道部の田中くんの友達の田島くんの隣の席の人って呼ばれ、恐れられた男だぞ。勝てるかもしれんだろ」
「タロー、お前は一旦口を挟まない方がいいぞ……」
「しかしララ様!ララ様と結婚するということはデビルーク王家の後継者としてデビルーク王が治める数多の星々の頂点に立つということ!軟弱なものにつとまることではありません!だから王は銀河中から有志を募ってララ様とのお見合いを「それが嫌だって言ってるの!」」
「どーせパパは私より後継者の方が大事なんだよ!!」
「そーだそーだ!」
「いいえそんな事はありません!」
「確かにそうかもしれない!」
そんな口喧嘩する2人に野次を飛ばしていると隣りのリトは頭を掻きむしり、その後、その勢いのまま口を開いた。
「いい加減にしろ!」
「( ´・ω・`)」
なんか怒られた。しゅんとしちゃう。
「デビルーク星の後継者とかお見合いとか、そんなことどうでもいいんだよ…!普通の生活させろよ!これ以上好きでもねーヤツと結婚とか……だからもう帰ってくれ!」
「あ、じゃあ帰ります」
「あ、いやタローじゃなくてな……いやタローも帰っていいんだけどさ……」
「リト……」
トゥンク…♡
こ、これは恋の波動。
リトを見つめる熱い目線のララ。
惚れちまったか。よし、赤飯炊いておくか。
「私の事好きじゃないって言いながら、ホントはそこまで私の事を理解してくれていたんだ……」
「へー、そうだったのかー」(ナニコレ珍百景)
「い、いやタロー違うからな!?」
「リトの言う通り私は自分の好きなように自由に生きたい。まだまだやりたいことはあるし、結婚相手だって自分で決めたい」
「い、いや別に…!」
「私、リトとなら結婚してもいいと思う……ううん、結婚したい!」
「ちょ、違…!違うって!なあ、あんたもなんとか言ってくれ!」
そうしてリトが助けを求めたのはティンティン。
しかし、彼は握りこぶしを作り、目から涙を流し感激した様子だった。
「……負けたよ地球人。王の命に従うのが私の役目。それゆえ私はララ様の気持ちを知らず……いや、知りつつも考えないようにしてきたのにそれを指摘されては私の負けだ…!」
「……っ!た、タロー!」
「……ふっ、あとは若いので楽しんでおきな。左藤タローはクールに去るぜ…!」
「俺の味方はいねーのかよォ!!」
楽しそうでなにより。
幸せになりな!アディオス!
日頃のストレスの発散のために勢いのままノリと雰囲気だけで書きなぐった話。
時間があったら続く。続くといいなぁ(遠い目)