藍染惣右介小物シリーズ   作:竜田揚げ丸

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興味を持っていただきありがとうございます。
BLEACHを読んだ上、スレ等の反応でよく見る藍染様のアレを見たら書きたくなったものとなります。

タグにあります通りカッコいい藍染惣右介はおりませんのでご注意ください。


藍染惣右介、四十六室にて

藍染惣右介は愉悦の頂点に立っていた。

自分を信奉する雛森桃を刺し、その行為にとてつもなく強い怒りを示した日番谷冬獅郎を『憧れは理解からもっとも遠い感情だよ』『あまり強い言葉を遣うなよ、弱く見えるぞ』などと煽りに煽った上で返り討ちにし、事があまりにも自分の思い通りに進んでいるからだ。

あとは自身の部下である東仙要が現在の崩玉の所有者たる朽木ルキアを回収するだけなので藍染自身は現在ぶっちゃけ暇であり、暇を持て余すくらいなら東仙を手伝いに行くかと思ったのも束の間、【それ】は現れた。

 

「やはり此処でしたか。藍染隊長」

 

凛とした声が議事堂に響いた。

まさかと思い声の主に視線を向けると、そこには現在ある意味ではもっとも会いたくない人物がそこに立ってい た。

護廷十三隊四番隊隊長、卯ノ花烈。

彼女の姿を認めた瞬間、その場にいる部下の市丸ギンにも聞こえないくらいの小さな声量で藍染は思わず呟く。

 

「うっわ…」

 

傍らには同隊副隊長の虎徹勇音も居るが、藍染の目には卯ノ花しか写っていなかった。

藍染は既に卯ノ花=初代『剣八』である事を掴んでおり、下手を打てばその瞬間にギン共々自分が真っ二つになる事を理解していた。仮に真っ二つにならずに善戦したとしても、あわよくば撃破できたとしても時間がかかるのは必定。

その後恐らくすっ飛んでくるであろう護廷十三隊総隊長山本元柳斎重國との戦いに余力はほぼ無い。つまり確実に死ぬ。

なのでこの場を穏便に済ませ、状況の打開に藍染は手を打った。

 

「来られるとしたらそろそろだと思ってましたよ」

 

ハッタリと長話による時間稼ぎである。

藍染とて鏡花水月の催眠が言うほど完全だと思っていたわけではないし、こうして卯ノ花が来る可能性はかなり低いとはいえ元から予想はしていたのであまり動揺はしていない。

しかし先程も言ったようにどう見積もっても戦闘した時点でデッドエンド確定。

であれば戦闘をする前にタネ明かしをして彼女達の疑問を溶かし、隠しておけばアドバンテージとなる自分の能力の情報を『完全催眠』と少しばかり盛って明かすことで能力の強大さをアピールし東仙によるルキア確保に時間を稼ぐ。

それが藍染惣右介にできる全力の戦いであった。

 

「東仙要は僕の部下だ」

 

嘲笑を浮かべ、今回のタネ明かしを全てしきった藍染惣右介。

全てが掌の上だったのか、という顔をする勇音や卯ノ花の一挙一投足を観察しながら藍染は内心こう思っていた。

 

(要! 早く朽木ルキアを確保するんだ要! もう私には話のネタが無いぞ要!)

 

無論ポーカーフェイスで嘲笑を崩さない。

内心ビクビクしていたが、遂にその時がやってきたらしい。

ギンが転移用の布を取り出したのだ。

それを視界に入れ安堵した藍染は調子に乗り、卯ノ花が完全催眠下で死体に違和感を覚えたことを褒めちぎり、最後に半ば祈りにも近い一言を投げ付けるのだった。

 

「さようなら。君達とはもう会うこともあるまい」

 

無論内心では藍染はこう思っている。

 

(なんだあの人…! 死体の感触で違和感持つとか聞いたことないぞ…!? 二度と会いたくない…!)

 

そうして転移する最中、ギンは冷や汗をダラダラ流す藍染をみて小さく呟くのだった。

 

「おもろい人やなこの人…」

 

なお、ギンは仮に藍染が卯ノ花と戦闘を始めたら藍染を後ろから神槍でザックリいくつもりだったのは言うまでも無い。

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