ストライクウィッチーズ~日本国国防軍戦史~ 作:RIM-156 SM-2ER
2024年になりまして、2022年7月―今から1年半前に未完で終わらせてしまいました「ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?」の設定を練り直したリメイク作品になります。
都合2度目のリメイクですが、次こそはRtB編まで完走する決意です。
どうかこの作品と2024年のSM-2を応援のほどよろしくお願いいたします。
西暦20XX年8月31日 23:54
<日本国沖縄県宮古島 国防空軍宮古島分屯基地>
世界に衝撃を与えた国連常任理事国による侵略戦争と日米台と中国が、台湾及び尖閣諸島をはじめとした南西諸島を舞台として武力衝突に発展した東シナ海紛争。規模差こそあれ、正規軍同士が争った2つの戦いは、日本に戦後1世紀近く守ってきた憲法の改正と安全保障政策の大規模な転換を決意させた。
特に東シナ海紛争後、懲りずに軍備拡張を続ける中国に対抗して、日本は大規模な軍備拡張を行い、年間予算30兆円、兵数100万名、主要艦船438隻、作戦航空機数1500機以上に加え、各種中距離弾道ミサイルや核兵器を有する世界3位の軍事大国へと変貌を遂げていた。
このような世界情勢で、東シナ海紛争後においても、南西諸島は対中国戦略の最重要地点であり、国防軍が最も防備に力を入れている地域であった。
この宮古島分屯基地には国防空軍南西警戒管制団隷下第2警戒隊とゲリコマ対策として宮古島駐屯地の国防陸軍第1沿岸防衛連隊隷下第13沿岸防衛大隊所属の沿岸歩兵中隊から1個歩兵小隊が分派され駐屯しており、南西諸島周辺を飛行する航空機を監視していた。
「少尉、コーヒーです」
当番班の班長を務める空軍少尉のデスクに、曹長がインスタントコーヒーを置いていく。
「おっ!ありがとう」
少尉は軽くお礼を言うと、コーヒーを一口ばかり飲んで、レーダー画面に視線を戻す。
もし事前に出されている民間・軍用両方の飛行計画書にない、正体不明の航空機の反応があれば、すぐさま南西方面の防空管制を一手に担う南西防空管制群に報告が上がり、南西方面航空軍隷下にある2個戦闘航空団と1個戦闘攻撃航空団からスクランブル機が上がるのだ。
「・・・・あと5時間か」
少尉は備え付けの時計を見ると、次の班との交代時間を確認して、ぽつりとつぶやいた。
第2警戒隊のみならず、全国にある約30個ある警戒隊には、3個レーダー担当班からなる運用小隊が配備されており、8時間交代で24時間365日監視任務に就いているのである。
3時間前に交代したばかりなので、あと5時間ばかりすれば翌日の当番小隊の班へと任務を引き継ぐこととなる。
「こいつは海軍の戦闘機か・・・・」
少尉は、レーダー画面上に移る友軍機を表す青いアイコンをみてそうつぶやいた。
東シナ海紛争後も尖閣諸島への領土的野心を隠さない中国に対する牽制として、国防海軍は定期的に1隻の軽空母を中心とする艦隊を派遣して、艦艇及び航空機による演習を実施していた。
この日も、呉を母港とするCV-35「ながと」を中核とした第7空母護衛艦隊が演習を実施しており、第2警戒隊のレーダーが捉えたのは、「ながと」から発艦したF-35JB*1戦闘機4機であり、レーダー画面を見る限り、空中戦の訓練をしているようであった。
「海軍さんもよくやるわ・・・・」
横にいた空曹長はコーヒーをすすりながらつぶやいた。
当然、この示威行為は改正された日本国憲法でも禁じられている武力による威嚇と中国政府から非難されたものの、日本政府はあくまで国際的に認められた海域での連度維持のため演習として聞き入れていなかった。
「ほんとだな」
そういって、少尉も空曹長が持ってきたインスタントコーヒーをすする。そして、ふいにその瞬間は訪れた。
突然、ドンッという衝撃とともに、震度5弱はあろうかという激しい揺れが彼らを襲ったのである。
「うおっ!地震か」
「結構でかいですねぇ」
少尉と空曹長がそんなことを言い合っていると、遅まきながら緊急地震速報を告げる独特のアラーム音と電子音声が、その場にいた全員のスマホからなった。
「緊急地震速報が間に合わなかったってことは、相当近いか?」
「津波に警戒した方がよさそうですね」
しばらくすると徐々に揺れは収まっていく。彼らは散らばった書類などをまとめつつ、スマホを使って地震の状況などを確認し始める。
「え?なんだこれ・・・?」
日本地図とともに描かれている各地の震度は、示し合わせたかのように
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西暦20XX年9月1日 03:43
<日本国東京都永田町 首相官邸地下5階 危機管理センター>
日本の行政の中枢たる首相官邸。その地下5階には危機管理センターが設置されていた。
東シナ紛争後により深い地下に移された危機管理センターは、災害時以外にも戦時であっても日本の中心として対応できるように、核攻撃や地中貫通爆弾にも耐えられるだけのシェルター、日本全国の国防軍をはじめとした国防・行政当局との指揮通信システム、NBC兵器にも対応可能な空調設備、そしてそれらと照明のための発電・電源システム、そして首相をはじめとした職員が1か月は耐えられるだけの備蓄食料が備えられていた。
「奥松首相、入ります」
爆弾テロにも耐えられるように設計された分厚い対爆扉が開き、そこからぞろぞろと首相補佐官や秘書、内閣府の幹部職員を引き連れ、防災服を身にまとった50代前半の女性が入ってきた。
彼女こそが第119代内閣総理大臣の
「挨拶はいいわ。状況を・・・・」
先に危機管理センターに入っていた防衛大臣や国土交通大臣をはじめとした閣僚らが立ち上がって挨拶をしようとするのを制して、彼女はさっそく状況報告を求めた。
奥松が閣僚らが集るテーブルの上座に座るのと同時に、国土交通大臣の
「本日、0時ちょうどに全国の地震計が震度5弱を計測しました。その後、各地の空港から日本の排他的経済水域外を飛行していた航空機との交信が途絶えたとの報告が来ております」
「消息を絶ったのは航空機だけ?」
「船舶も同様です。現在、海上保安庁が捜索に当たっています。国防軍にも支援要請を出したところです」
国土交通大臣がそう言って報告を終えると同時に、外務大臣の
「外務省でも地震を観測した直後から、在外公館との交信が一斉に途絶えています。現在も連絡を試みていますが、いまだにつながらない状況です。通信システムの総点検も行っていますが、異常は発見できていません」
「そのまま交信を試み続けて頂戴。事態に変化があったらすぐに報告を・・・・」
その後も報告は30分ほど続き、この異常事態に関しての情報共有が進む。
ちょうど日本上空にあった人工衛星以外との各種人工衛星の消失、在外公館以外にも海外との連絡途絶、海外の電波反応の消失などである。
まるで
「――ともかく警察、消防、国防軍はあらゆる状況に対応できるように万全の態勢で待機しておいて。それと国防軍は情報省、国交省と協力して情報収集に努めて頂戴」
「総理、マスコミ対応は・・・・」
「混乱を避けるために、情報統制を引きます。それとしばらくは食料品等の配給制を敷けるように各省庁で速やかに計画を立てて」
情報共有が終わり、今後の具体的な対応についての協議をし始めた時であった。危機管理センターに一人の官僚が入ってくると、そのまま国家公安委員長のもとへと向かい、何かを耳打ちする。
「え?どういうことだ・・・・?」
報告を受けた
2人の様子が気になった奥松は、平林国家公安委員長に報告を求めた。
「いったいどうしたの?」
「それが・・・・各都道府県警からの報告で公使館職員を含む在外邦人が、各地の空港に突然出現したと・・・・」
「「「「は・・・・?」」」」
平林の報告に、居並ぶ閣僚らは一斉に困惑の声を上げた。
【F-35JB ライトニングⅡ】
種別:統合打撃戦闘機
運用部隊:国防海軍、空軍、海兵隊
分類:陸上機(A)/短距離離陸垂直着陸機(B)/艦上機(C)
保有機数:629機(予備保管機:202機)
概要:2023年より運用が開始された国防海・空軍及び海兵隊で運用されている統合打撃戦闘機。
国防軍では独自にアビオニクスやウェポンシステムの改良を行ったJ型を導入している。J型は機銃が付いていなかったB/C型にM61バルカン砲を搭載し、また日本独自の空対空ミサイルを運用可能なようにシステムおよびウェポンベイの改良が施されている。またF/A-3にも搭載された戦闘補助システムと推力変更ノズルを搭載することによって、基本型を上回る格闘性能と赤外線・レーダーからの被探知性を下げて高いステルス性能を有している。
しかし、仮想敵国である中国軍が第6世代ジェット戦闘機を導入したことによって、改良されていない初期型を第6世代ジェット戦闘機の制空戦闘機であるF-37へ交替することが決定している。
いかがでしたでしょうか。
私も私用で忙しく、投稿ペースはどうしても遅いものではありますが、気長に待っていただけると幸いです。
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次回の話をお楽しみに。
次回 EP1~混乱