フレイヤ・ファミリア関連はあいつら厄介すぎるんで今都合よく空気になってます
というかあの規格外撒くの無理······
「三時の方角、デッドリー・ホーネット! 数十!」
「【 雨の如く降りそそぎ、蛮族どもを焼き払え】下がってください!」
合図で前衛が下がると同時にレフィーヤの魔法が炸裂し、新手の蜂諸共全て焼き尽くす。
『ギッィイイイイイイイイイ!!』
「魔法の威力も相変わらず凄いけど······」
「ええ、この間発現したスキルも凄まじい······」
レフィーヤのスキル【
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数日後、レフィーヤはエルフィやアリシア達と共にダンジョンに潜っていた。
平行詠唱や、連携の訓練もあるが、最近装備を一新したのでその支払いをしなくてはならない。アイズやティオナ達とならもっと深い階層まで行けるが、彼女たちにも都合はある。
レフィーヤ達も今回は日帰りのため中層域までに留めている。
「すみません、私の都合で付き合わせてしまって」
「ううん、気にしないでレフィーヤ。私もそろそろダンジョン潜らなきゃって思ってたところだから」
「それに、あなた一人で行かせる訳にもいきませんからね」
「はい、ありがとうございます」
ドロップアイテムなど、売れる物は売って身軽にしてから帰ろうということで
無事に交渉を済ませ、ドロップアイテムを買い取ってもらった。地上に比べたら値は落ちるが、サポーターもいないので仕方ない。
「やっぱり足元を見られてしまいましたね」
「しょうがないよ〜、私たち交渉とか全然できないし」
私もエルフィもラウルさんたち程の交渉術は無い。ましてやティオネさんのような強気にも出れないので妥当な結果だと言える。
用を済ませたレフィーヤとエルフィは、アリシア達と街の入口で落ち合う予定だったため、そのまま集合場所へ向かう。
すると、正面から見覚えのある一団が歩いてくる。
「あれって、ヘスティア・ファミリアじゃん」
「······」
「うげっ、あなた達はロキ・ファミリアの······」
私たちの顔を見るやいなや、呻くような声を出す
「こんなところで会うとは、奇遇ですね」
全く知らない間柄でもないので軽く挨拶だけはしておくと、不意に後ろに立つベルと目が合う。
彼も彼でダンジョン攻略に励んでいるのだと思うとつい嬉しくなって顔も綻んでしまう。
『頑張ってください』
『はい、レフィーヤさんも』
と
「······む」
すると、何かを感じ取ったのか
「では、私たちはもう行きますね」
「あっ、レフィーヤ待ってよ〜」
居心地の悪さを感じたレフィーヤは足早に去る。元々長話をするほど懇意な間柄でもない。これくらいの距離感が自然だろう。
一抹の後ろめたさを抱えながらも、突然私とベルが親しそうにしていると彼の仲間も戸惑うだろう。おかしな勘繰りもされるかもしれない。
(ですが······もし、もし私と彼が友人どころか、恋人になったとしたら······やはり隠すしかないのでしょうか······って、私は何を考えてっ)
勝手に妄想して勝手に自爆し始めるレフィーヤと、突然頭を振るレフィーヤにギョッとするエルフィはそのままアリシア達と合流し、地上への道を辿る。
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「ふぁあ〜〜っ」
地上に出るとエルフィが大きく腕を広げて伸びをする。ダンジョンから帰ってきた冒険者がよく同じことをしているのを見る。やはりダンジョンから出て緊張が弛緩しているからだろうか。
「んん〜〜っ」
エルフィに倣ってレフィーヤもやってみると意外と気持ちが良い。
新たな発見もしながらバベルを後にしたレフィーヤ達。
「私は魔石を換金してくるので、皆さんは先に
「あっ、私も行くよ!」
折角の申し出なのでエルフィと共にギルドへ向かう。ギルドへ続く道には同じようにダンジョンから帰ってきた冒険者や、ちらほらと『学区』の生徒も見える。その中に一人見知った顔を見つけた。
「あ、ルークじゃないですか」
「······レフィーヤ先輩」
ついこの間まで
「······何かあったんですか?」
「何かって言うほどじゃあ······」
「私でよければ話くらい聞きますけど」
ルークはパーティのリーダーだ。彼の精神によっては仲間たちの安否にも影響してくる。私に解決出来ることなら手を貸すのも吝かでは無い。
「あの······さ、レフィーヤ先輩」
「はい」
「この間一緒にいた男······って、誰なんだ?」
「この間······?」
「三日くらい前にレフィーヤ先輩を見かけたんだよ。普段とは違った装いだったから気になって······」
「ぁ······」
見られてた! っていうかバレてた!
自身の変装が見破られていた衝撃に加えて、現在少し離れたところで待ってくれているエルフィに聞こえていたらどうしようという焦りに襲われるレフィーヤ。
ひとまずルークへの誤魔化しを優先する。
「あっ、あれはですね、道に迷っていた人がいたので案内していただけですよ」
苦しいだろうか。
「なんだ、そうだったのか。悪いな先輩、てっきり『でえと』······だったりするのかと」
胸が痛い。純粋な後輩に対して嘘をつくなんて。
「ぜ、全然違いますよ! 『デート』だなんてそんな······そんな関係じゃありませんからっ」
「あぁ、俺の勘違いだったみたいだ。そろそろ戻らなきゃだから行くよ。またな、レフィーヤ先輩」
「は、はい、また······」
何とか誤魔化せたことに安堵しつつ彼を見送る。周りの視線には気を付けていたつもりだがまさか見られていたとは······。次はもっと気を付けよう。
(······次は······? あっ、それよりエルフィです! )
「お話終わったみたいだねー」
「は、はいっ、すみません待っててもらって······」
「いいよいいよ、さっきのって学区の子だよね」
「はい、私が
「ふぅーん······」
簡単にルークの紹介をすると、エルフィは彼の去った方向を意味ありげに眺める。
「······? どうしようしましたか?」
「いやー、あの子さぁ、レフィーヤに気があるんじゃない?」
「えっ、な、何を言っているんですか」
「いやさ、二人の会話ずっと見てたんだけど、レフィーヤに会った瞬間ちょっと表情が明るくなったり、話してる時も少し嬉しそうだったし」
「え、そうだったんですか?」
私には全くわからなかったが、そうなのだろうか。いや、でも──
「それは無いと思いますよ。本人に確認しましたし」
「へー、そっかー······えっ?」
「えっ?」
「えっ、いや、えっ、なんて?」
「だから、一度本人に聞いたんですよ。私に気があるのかどうか」
エルフィはレフィーヤを見ながら固まってしまう。その顔は恐ろしいものを見るような目をしているのだが、レフィーヤは気付かず続ける。
「同じことを彼の仲間から言われたことがあって、それで確認してみたら本人に否定されました」
恐い。それがエルフィの感じた全てだった。
「レ、レフィーヤって凄いね······」
「え、どういう意味ですか」
一言そう零すとエルフィはフラフラと覚束ない足取りで歩き出す。
この日、エルフィは寝るまでずっと何かを恐れるように震えており、周りに大層心配されたという。
エルフとポンコツって切り離せない宿命だと思うんです