ラノベ廻戦   作:悲しいなぁ@silvie

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ジャケ買いしたCDに限ってインストだったりしてマジでビビるけどそういうのに限ってベースが良い

虎杖悠仁改め、ユグドラシル悠仁となった俺にまずもって一番必要となったのは……優秀な師匠の存在だった。

呪術廻戦の世界や登場人物について、ある程度の知識はあっても現状の俺は単なる子供で術式はおろか呪力すら無い。

領域展開や極ノ番といったモノが有る事は知っていてもそれをどうすれば使えるかなんて見当もつかない…

だから、俺がクリアしなきゃお話にもならない条件…それが

 

1.呪力を得る事

これは少しだけアテがある…原作で虎杖少年は特級呪物である両面宿儺の指を呑み込む事で呪力を得ていた。

だが…単に呪力を得るだけなら、別に両面宿儺の指である必要もそもそも特級呪物である必要もない……筈だ、多分…きっと…めいびー。

ちょっとしたオカルトアイテムみたいなのを地道に呑み込んでいけばある程度の呪力は確保できるんじゃないか?

それが、俺の少しのアテだ。

 

2.優秀な師匠を探す

これも少しだけアテがある。

原作でも簡易領域や式神術を披露していて、更には実際に弟子をとっていた実績のある特級術師…九十九由基を探す。

問題があるとすれば…放浪癖があるらしい彼女を発見出来るかどうかだが、これも小学生である東堂を探せばなんとかなる筈だ。

あんな特徴的な小学生、そうは居まい…そして東堂が見つかれば芋づる式に九十九も見つけられるのでそのまま弟子入りする。

 

とりあえずは、このプランでどうにか頑張ってみよう。

俺は強くならなければならない…ユグドラシルの名にかけて!!

 

 

 


 

 

 

えー…進捗ダメです。

小学生になって、少しだけ自分の時間ってのを確保できるようになったけど…俺は未だに呪力も師匠も用意できないでいた。

 

なんとなく予想はしてたけど…両親は俺が転生を自覚した時にはもう居なかった。

原作でも虎杖少年はお爺さんが親代わりで両親の事はほとんど覚えてないっていってたしな。

………羂索との早期接触はプラマイで考えるとマイナスがあまりにも大きそうだから俺としても嬉しかったが、そうなると呪物のアテが残念ながら無かった。

だって…原作でも呪物なんて高専の忌庫か羂索が持ってたやつ、後は宿儺の指ぐらいしか出なかったんだもん。

どこからが呪物でどこまでがオカルトアイテムなのか…そんなのの区別、呪力がない俺にはできっこない。

そしてその呪力を得る為には呪物が……一昔前のパソコンならエラー吐いて死ぬぞ。

 

あと、全然東堂葵が見つからない。

あんな目立つ小学生見つからない事ある??と思ったが、東堂は京都校三年で虎杖少年は一年…つまり2つ上。

2つ上だから……東堂少年もまだ小学三年生、まだまだ九十九と出会ってない。

つまり、まだ見付けても意味ないし…なんならそもそも東堂がどこ出身かも俺は知らない。

と言うか、地元の名物小学生とかなら探せるけど…別の県に住んでたらわかんないよ。

京都校に居たから京都住み…ってのは流石に安直だ。

だって仙台住みの虎杖少年が東京校に入学したし。

 

どうしようか……正直、少しでも早く呪力と師匠をゲットして修行パートを始めないと戦力的に不安が…でも師匠と呪力が……

そんな時に、お爺さんは俺を東京旅行に連れてってくれた。

お爺さん……正直言ってこの人には頭が上がらない。

急にユグドラシル悠二になりたいって言った俺を怒るどころか、笑いながら役場に一緒に来てくれて役場の職員さんにゴリ押しで改名を認めさせてくれたり……そんなお爺さんの事が俺は大好きだった。

お爺さんは小学生になった祝いだと言ってたけど…多分、俺が悩んでるのを見抜いてたんだろう。

虎杖少年に似て、本当に……人を想える人だから。

 

……ん?…待てよ、東京といえば…アレが有るんじゃないか……?

 

 

 


 

 

『おい、悠仁……コレは、俺がやって良いんだな!?』

 

「良い訳あるか、代わらないからな」

 

『あぁ?普段から面倒見てやってる礼じゃねぇのかよ!!』

 

ユグドラシル少年の右半身が不機嫌そうな顔と声で叫ぶ。

それを少年の左半身が静止する。

何も知らずに見れば、パントマイムか何か…そんな奇妙な仕草。

 

「確かに、感謝はしてるけど今回はそうじゃない──()()を使う」

 

『お前なぁ、仮にも師匠に雑用任せて自分は楽しもうってか?

いい度胸してんじゃねぇか…!』

 

少年の一人漫才にも似た奇行、しかし…六眼を持つ五条はそれを見て笑みを深める。

 

(特級呪物の中身と話してるのか…?

生得領域を共有でもしてるのか、もう一人が出てきた瞬間──()()()()()()()

でも、この術式は……)

 

五条悟の六眼は、眼に映る全てを見通す。

その六眼が見抜いた術式は……

 

「これは俺が戦わなきゃいけないんだ、頼むよ…師匠」

 

この日、少年が初めて見せた…年相応の強請(ねだ)るような声と表情。

少年の右腕がガシガシと乱雑に頭を掻くと、大きくため息をつく。

 

『チッ…こんな時だけ師匠呼びしやがって、都合の良い……

次だ、次強いのと戦う(やる)時は俺が出るからな!』

 

「サンキュー!師匠!!」

 

吐き捨てるような声と共に少年の身体が再び、単一の意識で動き出す。

少年は五条に向き直るとボロボロになった上着を脱ぎ捨てる。

 

「律儀に待ってなくても良かったんだがな…余裕のつもりか?」

 

「まさか、舞台の幕が上がる前に席立つ馬鹿は居ないでしょ?」

 

少年の身体から漏れ出るスパークが更に大きく、激しくなっていく。

 

『何時でもいける…俺にここまでやらせんだ、決めて来い──馬鹿弟子!!』

 

鹿紫雲の生得術式【幻獣琥珀(げんじゅうこはく)】は、その破滅的な強さの代償として使用者に重い対価を求める。

その対価とは…術式終了後の絶命。

故に、持ち主である鹿紫雲すら生前に一度も術式を使用しなかった。

 

(手本にすべきは──(よろず)!)

 

術式【幻獣琥珀】は、電気から変換できるあらゆる現象を自身の肉体にて再現する。

その過程で、使用者の肉体は短時間で不可逆的な変質を繰り返し…死に至る。

 

しかし、ユグドラシル悠二は膨大な呪力により自身の肉体を覆うように創り出した変質専用の肉の鎧を纏う事で…自身の肉体を変質させずに術式を発動させた。

 

自身の肉体を覆い、尚且つ常に変質させる都合上膨大な呪力を消費する為…変質箇所を自身の両腕に限定。

更に超高度、かつ一瞬でも呪力操作を誤れば死に直結する肉の鎧の管理…その全てを自身の生得領域内の鹿紫雲一に任せる事で、呪力が切れるまでの約2分17秒間──全力での戦闘を可能にした。

 

「いくぞ…()()()()──【揺籃琥珀(ようらんこはく)】!!」

 

少年の両腕が変質し、電気から変換できる事象を再現する。

 

「ズアッ!!」

 

巨人の腕のように膨れ上がった腕を少年が五条へ向けてかざした瞬間…周りの空間が()()()

 

「ハッ!電子レンジかよ…ビックリ超人!!」

 

六眼により瞬時に攻撃を見切った五条は高速で移動し、的を絞らせないように走り回る。

 

「お前にだけは言われたく無いぞ!」

 

少年の手が向いた先が、次々に爆裂していく。

術式が再現したのは…電磁波。

超高速で対象を振動させる事で全てを破壊する…破滅の光である。

 

(よりにもよって…光!!

いや、この場合…あえて光を選んでるって考えるべきか…!)

 

少年は電磁波をあえて目に見える光…可視光として出力し照射していた。

その理由は唯一つ……

 

「どうした、ご自慢の術式で受けたらどうだ!」

 

「わかってて言ってんだろ!!」

 

五条の無下限術式によるバリアはオートで危険物とそれ以外を判別している。

故に、この電磁波も防御は可能である……しかし、オートのバリアでは電磁波の全てを──可視光を全て遮断してしまう。

それは、五条の視覚が機能しなくなる事を意味していた。

 

(目眩まし…術式を使ってるって事は、当然その()がある!

受ける訳にはいかない……が)

 

広い照射範囲を持ち、手をかざすだけの少年とその少年から逃げ続ける五条。

不平等な均衡が……崩れる。

 

「捉えたっ!!」

 

「チッ…!!」

 

瞬間、五条の前に広がる──漆黒。

少年が五条へ手をかざしたままに…駆ける。

 

生物が、必ず持つ電気がある。

生体電気と呼ばれる、神経細胞が放つ微弱な電気。

少年の両腕が五条悟のソレと全く同じ生体電気のパターンを再現し…放つ。

自身のソレと全く同じ電気は…オートの無下限では危険物と認識出来ない。

ソレを危険物と認識しては、自身の肉体が停止するから。

 

(勝った……!!)

 

空中での放電による威力減衰を防ぐ為、限界まで近付いた少年だけが…ソレに気付いた。

 

罠にはまった獲物を狩る、捕食者の笑みを浮かべた…五条悟に。

 

少年の意識が消失するのと、放電を避けた五条の右ストレートが少年の顔を打ったのは同時だった。

 

五条は少年の電磁波に捕まった瞬間、オートの無下限術式を()()()()()()()()()()()

自身の視覚を確保する為、可視光と電磁波を選別し少年の放った放電を自分の意思で停止させ無効化。

その後、攻撃後の隙を突いて少年へ強烈なカウンターを叩き込んだ。

言葉にすれば単純──しかし、無数にある光の粒子…その全てを選別し、且つ、自身が耐えきれる範囲で通す事で視覚を確保する。

それが、どれほどの神業か……言うまでもなく。

 

「あー、しんど」

 

五条悟──正に、天才。

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