古代王者恐竜キング 暁の始祖竜   作:あーくこさいん

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第4話 ジャングルに消えたガブ⁉︎
前編


アマゾン 熱帯雨林地帯

 

一年を通して降水量が非常に多い地帯であるアマゾン川近くの熱帯雨林。

連日の大雨で崖の一部が崩れ、岸壁に刺さっていた卵型カプセルが岩諸共河に落ちる。

そのまま流されていくが、水面から突き出た岩に当たり割れてしまう。

すると青い光を放ち恐竜が実体化する。

 

その恐竜は緑色の身体に茶色の頭部、背中の鋲みたいな鎧が特徴的な首長竜………

 

 

《煌めく装甲》

サルタサウルス

 

 

ゴォォォォォォン‼︎

 

サルタサウルスが目覚めの咆哮を上げる様子を、すぐ近くの木に留まっていた一匹の小さなトカゲが見ていた………

 

 

 

 

 

同時刻 アジ島

 

Dr.ソーノイダ

「キタキタキターッ!北は南の反対ぞい!またしても恐竜が現れたぞい!泣く子も黙るアクト団の作戦開始ぞーい!」

 

ウサラパ

「ちょっと待った!」

 

Dr.ソーノイダ

「ん?」

 

恐竜が現れた事にソーノイダは狂喜乱舞していたが、ウサラパに待ったをかけられ振り返ると彼女はノラッティ〜とチェスに興じていた。

 

ウサラパ

「ねぇ…いいだろ、ノラッティ〜?」

 

ノラッティ〜

「ダメザ〜ンス!“待った”は無しってウサラパ様が言ったザンスよ〜?」

 

ウサラパ

「たく、細かい男だねぇ……えーと、あれがこうなって…これがあーなって…」

 

エド

「どうやってもウサラパ様に勝ち目は無いっスよw」

 

ウサラパ

「うるさいよ、お前は!」

 

チェックメイト寸前で最早逆転の手など無い状況をエドが指摘すると、逆ギレしたウサラパは彼が食べていたポッキーを没収した。

 

Dr.ソーノイダ

「コラー!遊んでる場合じゃないぞい!恐竜が出現したぞい!」

 

ウサラパ

「はい!ウサラパ以下3名直ちに出撃します!…さっ行くわよ!」

 

ソーノイダに怒鳴られたウサラパ様は急いで出撃する。

 

 

 

 

 

その頃 日本三畳市 古代家

 

各々のパートナー恐竜と連れ立って古代家に帰ってきたレックスとお邪魔するマルムとカナは、リュウタが何故か階段下の物置部屋に隠れるのを目撃した。

 

レックス

「何やってんだ、リュウタ?」

 

リュウタ

「しーっ!今ガブのやつをテストしてるんだ。」

 

レックス&マルム&カナ

「「「テスト?」」」

 

リュウタ

「ああ、嗅覚で俺を探し当てられるかどうかってな?」

 

リュウタがニシシッ♪と笑いながら話していると2階からガブの声が聞こえた。

 

リュウタ

「おっ!来た来た……」

 

そう言いドアを閉めて隠れるリュウタ。

その後にガブが階段から降りてきた。

 

レックス

「…どうしたガブ?何か探し物か?」

 

リュウタの実験に付き合ってやってるレックスがすっとぼけて尋ねると、ガブは辺りの匂いを嗅ぎ取り始めた。

そのまま真っ直ぐ物置部屋に向かい、ドアの前をクンクン嗅いでから角でコンコンと叩いた。

 

リュウタ

「よく見つけたな、ガブ!流石だな!」

 

リュウタがドアを開けてガブを抱きしめようとしたが、躱されてしまう。

どうやら本当の目的は物置部屋に置かれていたドッグフードであり、ガブはドッグフードの袋に食らいつく。

 

レックス

「…確かに嗅覚は優れてるな?」

 

マルム

「リュウタよりドッグフードの方がお目当てだったけどね♪」

 

カナ

「あはは…ガブは食いしん坊だね!」

 

3人はそれぞれの感想を述べる中、リュウタはガブが咥えているドッグフードの袋を持ち左右に振る。

 

リュウタ

「何やってんだよ〜ガブ。ほら、離せって……おっ、この匂いは!」

 

台所から漂う匂いに釣られてリュウタが行ってみると、そこには亜紀が作ったハンバーグが大皿に山盛りに乗せられていた。

しかも焼きたてなので湯気が出ている。

 

リュウタ

「やっぱりハンバーグだ!俺、母さんが作るハンバーグ大好き!いっただきま〜す!」

 

そう言いリュウタが一つつまみ食いしようとしたが、亜紀によって取り上げられてしまう。

 

亜紀

「こーら、お行儀が悪いわよ?」

 

リュウタ

「いいじゃん一口ぐらい〜!」

 

亜紀

「ガブが真似するでしょ?」

 

リュウタ

「頼むよ、一口だけ〜」

 

亜紀

「ダーメ。」

 

そんな様子を見てカナ達は苦笑いを浮かべる。

 

マルム

「…よく似てるわよね、リュウタとガブって?」

 

レックス

「ああ。」

 

カナ

「どっちも食いしん坊ってところがね。」

 

そんなやり取りをしていた矢先、ディノホルダーとダイナライザーから甲高い発信音が鳴り響き、液晶画面を見るとアマゾン地域周辺の地図に赤く光る点が表示されていた。

それを見たDキッズ達はハンバーグを食べたがるリュウタを引きずりながらDラボへ向かった。

 

 

 

 

 

Dラボ

 

リアス

「今回の恐竜はアマゾンの森林地帯に出現しています。」

 

剣竜

「アマゾンかぁ〜…人類未踏のジャングルに熱帯の植物に動物達……ああっ!出来ることならこの私が…」

 

リュウタ

「だから父さんは無理なんだって……」

 

カナ

「後は私達に任せて下さい。」

 

前回出現場所にいた為合流していたが、今回は日本にいる為アマゾンに行けるリュウタ達を古代博士は羨ましがっていた。

 

剣竜

「ああそうだ。虫に刺されたらコレを使え。腹痛にはコイツだ。」

 

リュウタ

「えっ?」

 

剣竜

「蚊にやられたらコレ、ピラニア避けにはコレ、水虫にはコレだ!」

 

リュウタ

「もう!父さん!」

 

羨む古代博士だが、父親として心配なのでリュウタに様々な薬を渡す。

 

マルム

「早く行かないとアクト団に先を越されちゃうわよ。」

 

レックス

「スピノサウルスにサイカニア…前回で二度もやられたからな、今回は絶対コッチが回収しないと!」

 

リュウタ

「ああ、じゃあ行ってくる!」

 

剣竜

「気をつけるんだぞ!」

 

こうしてDキッズ達はディノホルダーやダイナライザーでテレポートを起動し、アマゾンへと向かった。

 

剣竜

「怪我をしなければ良いのだが……やっぱり私が!」

 

リアス

「大丈夫です。ガブちゃん達が付いてますから。」

 

剣竜

「ガクッ……やっぱりダメか…」

 

どうしても行こうとするもリアスに止められ、古代博士はがっくりと肩を落とした。

 

 

 

 

 

アマゾン 熱帯雨林地帯

 

Dキッズが到着した時には雨は降っておらず、太陽も少し顔を出している状態であったが、辺りに霧が立ち込めていて見通しはあまり良くない。

 

レックス

「霧が少し出て見にくいな……恐竜は何処に居るのか…?」

 

カナ

「この近くであることは間違いないけど……この霧じゃあ探すの大変だよ?」

 

マルム

「パラパラ、何か聞こえる?」

 

パラパラ

『…クゥン?』

 

リュウタ

「いきなり飛び出してくるかもしれないぞ、気をつけろよ……ってうわあああ⁉︎

 

そう言ったリュウタ自身が坂がある事に気付かず足を滑らしてしまい、頭から水溜りに落ちてしまう。

そのせいか服が泥で少し汚れてしまった。

それを見た3人と3匹は坂に気を付けながらリュウタの元へと降り、彼を起こした。

 

リュウタ

「あ〜痛え……カッコ悪ぅ…」

 

カナ

「大丈夫?」

 

レックス

「…ったく、お前が気をつけろよ?」

 

リュウタ

「うっさいな!ちょっと滑っただけだろ……あれ?ガブは?」

 

マルム

「変ね……此処に着いた時にはいたけど…?」

 

リュウタ

「おーい、ガブー!何処だー⁉︎」

 

リュウタが呼ぶものの、反応はない。

一方その頃、ガブはというとアマゾンに生息する蝶を追い掛けていたが、当然リュウタ達は知る由もない。

 

 

 

 

 

チビ恐竜達を含む全員でしばらく歩いて探したものの、ガブの姿は見当たらない。

 

リュウタ

「もう…何処に行ったんだよ、ガブのやつ…!」

 

カナ

「…もしかしてだけど、リュウタの真似をしてるんじゃ……」

 

リュウタ

「俺の?……あっ!」

 

カナの言葉にリュウタは家の物置部屋に隠れた時の事を思い出した。

 

マルム

「そうよ!あの時リュウタが隠れてるのを見てたもの!」

 

レックス

「かくれんぼしてるのかも知れないぞ?」

 

リュウタ

「くぅ〜!とにかくお前らも探してくれよ〜!ガブー!」

 

カナ

「分かったわ、とりあえず手分けして探そう!」

 

頭を悩ましたリュウタは他の3人にガブを探すのを頼み、ガブ探しを再開する。

 

 

 

 

 

リュウタ

「ガブのやつ、こんな所で迷子になったら……そうだ、ディノホルダーを使えばいいんだ!(カチッ…カチッ…カチッ…)くそぉ、さっきの水でオシャカになってる!」

 

ディノホルダーで一度カードに戻せばいいと思いついたリュウタだったが、肝心のディノホルダーは先程落ちた水溜りでショートしてしまい、いくら弄ってもうんともすんとも動かない。

 

リュウタ

「ガブー!出てこーい!ガブー!何処だー‼︎」

 

リュウタの叫びがジャングルに虚しく響き渡る………

 

 

 

 

 

一方、他の3人もガブを探している中、レックスとマルム、遅れてカナが合流する。

 

レックス

「いた?」

 

マルム

「ううん…あれ?リュウタは?」

 

レックス

「マルムと一緒じゃないのか?」

 

カナ

「あっレックスにマルム!…リュウタは?」

 

レックス

「カナも一緒じゃないのか?」

 

カナ

「…もしかしてリュウタまで迷子になっちゃった?」

 

ガブに加えてリュウタまで迷子になってしまった状況に、3人はため息を漏らした。

 

レックス

「リュウター!」

 

マルム

「リュウタ〜!」

 

カナ

「リュウター!どこー!」

 

3人がそれぞれ呼び掛けるが、反応はない。

 

レックス

「あいつまで迷子かよ……」

 

マルム

「パラパラ達ともはぐれないようにしないと…」

 

カナ

「…とにかくはぐれないようにエオちゃん達はカードに戻そう。それと、ここからは全員で固まって行動しない?」

 

レックス

「僕もそれに賛成だよ。」

 

マルム

「分かったわ。」

 

カナの提案で3人は各々のパートナー恐竜をカードに戻し、リュウタとガブの捜索を始めた。

 

 

 

 

 

アマゾン熱帯雨林地帯 上空

 

一方その頃、アクト団工作員トリオも小型飛行船(人力)でアマゾン上空から恐竜を探していた。

 

ノラッティ〜とエドが手漕ぎボートのオールを漕ぐように動かし、ウサラパはそんな2人に檄を飛ばすだけで何もしていない。

 

ウサラパ

「キャッチ・ロ〜!キャッチ・ロ〜!はい、しっかり息を合わせて〜!」

 

エド

「お、俺もう限界っス……」

 

ノラッティ〜

「あっ!ウサラパ様!獲物を発見ザンス〜!」

 

ウサラパ

「何⁉︎」

 

ノラッティ〜が指差す先には今回のターゲットであるサルタサウルスの首が林冠から突き出ていた。

 

ウサラパ

「何ボサッとしてんだい!さっさと着陸させるんだよ!」

 

ノラッティ〜&エド

「「へ〜い……」」

 

エド

「…ってこれ、どうすりゃ降りられるのかな?」

 

ノラッティ〜

「漕ぐのを止めればいいザンス。」

 

エド

「ああ、そっか。」

 

ノラッティ〜の提案で2人はオールから手を離し、漕ぐのをやめてしまうが、それによって飛行船は動力を失ってしまう。

 

ウサラパ

「このおバカ共〜!何すんのよ〜⁉︎」

 

ノラッティ〜&エド

「「あ〜〜れ〜〜⁉︎」」

 

動力を失った小型飛行船はそのまま急降下で落ちていった………

 

 

 

 

 

その頃、リュウタとガブを探していたDキッズ達は遥か遠くにサルタサウルスがいるのを目の当たりにしていた。

 

レックス

「あっ、いたぞ!」

 

カナ

「あれは……サルタサウルス!」

 

マルム

「背中の鋲みたいな鎧が特徴の竜脚類ね!」

 

3人で話していると、サルタサウルスがこちらを向いて歩いてきた。

 

レックス

「よしエース、お前の出番だ…」

 

マルム

「れ、レックス…」

 

レックス

「え?……ッ⁉︎」

 

青褪めるマルムにレックスは振り返ると、サルタサウルスがこちらに迫って来ている。

 

カナ

「レックス、マルム!こっち!」

 

レックス

「うわあああ⁉︎」

 

マルム

「きゃあああ⁉︎」

 

カナが踏み潰されそうな2人の手を握り、右の方へと走る。

さっきまで3人がいた場所をサルタサウルスは木々を薙ぎ倒しながら走って行くと、突然目の前に青い光が現れ成体化したスピノが出現した。

 

カナ

「あれって…スピノサウルス⁉︎」

 

エース

「……ってことは…」

 

アクト団が現れた事にレックスは嫌そうな顔をする。

そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、木々の間からアクト団工作員トリオが躍り出た。

 

ウサラパ

「オーホッホホホ!悪いわねアンタ達?獲物はアクト団がいただきよ!」

 

マルム

「やっぱりオバさん……」

 

ウサラパ

「誰がオバさんじゃあああ‼︎」

 

嫌そうな顔で言うマルムに、いつも通りキレるウサラパとそれを抑えるノラッティ〜とエド……最早この光景は毎度お馴染みになりつつある。

 

エド

「そ、それよりもウサラパ様!」

 

ノラッティ〜

「獲物が先ザンス〜⁉︎」

 

ウサラパ

「ッ!……さ、さぁスピノ!思う存分やっておやり!」

 

ウサラパの命令を受けスピノが駆け出し、サルタサウルスに飛び掛かる。

それに対しサルタサウルスは背中の装甲を駆使して防ぎ、双方睨み合いの態勢に入った。

 

ウサラパ&ノラッティ〜&エド

「「「行け〜!スピノ〜‼︎」」」

 

レックス

「暫くは様子見だな…」

 

マルム

「この大事な時にリュウタったら…」

 

カナ

「それにガブもいないんじゃどうしようもない、今は情報収集に努めよう。」

 

リュウタとガブが来るまで、木々に隠れながら様子見に徹するDキッズ達であった。

 

 

 

 

 

その頃、リュウタは…

 

リュウタ

「ガブも新しい恐竜も何処だか全然分からね〜ぞ?コイツさえ動いてくれれば…(カチッ…カチッ…)やっぱダメか〜…」

 

何とかディノホルダーを再起動させようとするも、ディノホルダーは起動しない。

そんな中リュウタは倒木に座ってため息を吐くと同時に、腹の虫が鳴った。

 

リュウタ

「母さんのハンバーグ食べときゃ良かったな……ガブも今頃、腹減ってるんじゃないかな…?」

 

一方ガブは水辺で出会ったワニと睨み合いをしていたのだが、当然リュウタは知る由もない………




今回のエオちゃんの変身恐竜は掃除機みたいな口の首長竜!

後編もお楽しみに!
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