古代王者恐竜キング 暁の始祖竜   作:あーくこさいん

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後編

一方その頃、スピノとサルタサウルスの戦いは熾烈を極めていた。

 

スピノがサルタサウルスの首に噛み付くが、長い首を振り回すことでスピノを叩きつけ、そのまま引きずり回している。

 

レックス

「すごい……!」

 

マルム

「スピノと互角に戦ってるわ……!」

 

カナ

「竜脚類譲りのパワーとタフネスだね!」

 

スピノ相手に暴れ回るサルタサウルスにDキッズ達は驚きを隠せない。

 

ノラッティ〜

「案外敵もやるザンスよ、ウサラパ様!」

 

エド

「このままじゃ負けちゃうっスよ?」

 

ウサラパ

「狼狽えるんじゃないよ、こっちにはドクターの作ったとっておきのカードがあるじゃない?」

 

ノラッティ〜

「技カードザンスね。」

 

エド

「…使っていいんスか?」

 

ウサラパ

「今使わないでいつ使うのよ、このアンポンタン!とっとと発動おし!」

 

苦戦している状況打破の為、ウサラパは技カード【テイルスマッシュ】をノラッティ〜に投げ渡し、彼がそれを受け取るとアクトホルダーにカードをスラッシュする。

 

ノラッティ〜

「テイルスマッシュ!」

 

技が発動し、スピノが咆哮する。

スピノはサルタサウルスに向けて尻尾による往復ビンタを喰らわし、これによってサルタサウルスはダメージにより横倒しになってしまう。

 

レックス

「サルタサウルスが…!」

 

マルム

「このままだとやられちゃうわ!」

 

ウサラパ

「上出来だわ!さぁ最後の一撃をかましておやりスピノ!」

 

ノラッティ〜

「いくザンス!」

 

トドメを刺そうとスピノが近づくが、サルタサウルスの身体が青い光に包まれる。

 

カナ

「あの光…もしかして技カードを持ってるんだ!」

 

カナの言う通り、技を発動したサルタサウルスの口から激流の鞭を放ちスピノを捕縛する。

縛り上げたスピノを上半身を使って持ち上げた後、そのまま振り下ろす事で力一杯地面に叩きつける。

水属性の超技…【龍河鞭攻(フラッドストラップ)】を喰らい、スピノは力尽きカードに戻った。

 

エド

「あの技はフラッドストラップっス…!」

 

ウサラパ

「も〜!何やってんだい!サッサとスピノのカード回収するんだよ!」

 

スピノが倒された事でバトルフィールドは解除され、サルタサウルスは何処かへと歩き出す。

 

マルム

「あっ、サルタサウルスが!」

 

レックス

「すぐに追いかけよう!」

 

カナ

「今度は私達が見つけないと!」

 

カナ達もサルタサウルスの後を追いかける。

 

ウサラパ

「何でこうなるのさぁ……」

 

ノラッティ〜

「とにかく今は後を追うザンス!」

 

アクト団工作員トリオはスピノがやられた事に肩を落としながらも、サルタサウルスとDキッズ達の後を追いかける。

 

 

 

 

 

一方、絶賛迷子中のリュウタはというと…

 

リュウタ

「お〜い!ガブ〜!どこ行った〜⁉︎……ったくアレだけ世話してやってんのに何で戻って来ないんだよ、ガブのやつ‼︎」

 

故障したディノホルダーをサンバイザーの角の部分に引っ掛けて紐で固定したリュウタは大きめの葉っぱで扇ぎながら探す。

一向に現れないガブにリュウタは愚痴をこぼすが、もしかしてガブに会えないかと思うと一転して気持ちが沈み始める。

 

リュウタ

「…もう、会えないのかな……?」

 

そんな気持ちの中、草むらからガサガサと音がした。

 

リュウタ

「ガブか!心配したんだぞ……うわぁ⁉︎」

 

だが、草むらから出てきたのは緑色のトカゲだった。

 

リュウタ

「…ってなんだトカゲか……っ!なんだ⁉︎」

 

がっくりと肩を落とすリュウタだったが、何かが水を掻き分けて近づいてくる音が聞こえてきた。

リュウタが河の方を振り向くと、そこには激流の中をサルタサウルスがこちらに向かってくる。

 

リュウタ

「うわあああ⁉︎サルタサウルスだぁぁ‼︎俺はエサじゃないよ〜‼︎」

 

リュウタは一目散に逃げ出すが、サルタサウルスは彼を追い掛ける。

 

 

 

 

 

その頃、サルタサウルスの後を追っていたカナ達は…

 

レックス

「サルタサウルスは一体どこへ行くつもりなんだ…?」

 

マルム

「何だか何かを追いかけているようにも見えるけど…」

 

ジャングルを抜けて、増水し凄まじい音を立てながら流れている河に出た。

その時、彼らの耳に聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

リュウタ

「助けてーッ‼︎」

 

リュウタの悲鳴を聞いた3人が対岸の方を見ると、そこにはサルタサウルスに追いかけられているリュウタを発見した。

 

カナ

「リ、リュウタぁ⁉︎何でサルタサウルスに追いかけられてるの⁉︎」

 

リュウタ

「あっ、おーい‼︎」

 

カナの声にリュウタが振り返り、3人を見つけると手を振って逃げる。

 

レックス

「何とかして向こう側に行くしかないぞ!」

 

カナ

「でも、どうしよう…河が増水して渡れない…!」

 

マルム

「レックス、カナ!アレを見て!」

 

マルムが指差す方向を見ると、そこには増水しているにも関わらず、わっせわっせとカヌーを漕ぐ工作員トリオの姿があった。

 

ウサラパ&ノラッティ〜&エド

「「「イヤッホォォォ‼︎」」」

 

ノラッティ〜

「いい時にカヌーが役に立ったザンスね!」

 

ウサラパ

「あ〜ら?ガキンチョの片割れ共ね〜?悪いけど獲物は渡さないからね……って⁉︎」

 

3人に気づいたウサラパが嫌味を言ったが、当の3人はカヌーに飛び乗りオールを奪って対岸に向かって漕ぎ始める。

 

レックス

「おっと、失礼!」

 

エド

「お、重いっス〜⁉︎」

 

ウサラパ

「何するんだい、ガキンチョ共⁉︎」

 

カナ

「すみません!でも、これしか方法が無いんです!」

 

ノラッティ〜

「無賃乗車は罪ザンスよ〜!」

 

マルム

「ごめんなさい!すぐに降りるから!それっ!」

 

対岸に十分近づいたところでカナ達はオールをアクト団達に投げ渡し、次々と対岸に飛び移った。

 

ウサラパ

「全くあの子達は碌な大人にならないよ〜?」

 

エド

「う、ウサ、ウサラパ様ー⁉︎」

 

ウサラパ

「何だい、ウサウサウサウサうるさいよ……あらま。」

 

ウサラパが前を向くと目の前で河は途切れ、轟々と流れ落ちる滝に変わっていた。

 

ウサラパ&ノラッティ〜&エド

「「「アーーーレーーー⁉︎」」」

 

工作員トリオはそのまま流れに乗って滝から落下していった…

 

 

 

 

 

一方、リュウタはサルタサウルスから逃げ続けたものの、逃げた先は崖であり逃げ道はもうない。

しかもサルタサウルスは進路を変えずリュウタの方に向かっている。

 

そしてガブの方も先程のワニに遭遇し、道を阻まれていてまさに絶体絶命の危機だ。

 

リュウタ

「ガブーーーッ‼︎」

 

ガブ

『…!ガブガブガブガブ‼︎』

 

リュウタの叫びがジャングルに響き、ガブに届く。

その声を聞いたガブは奮起し、ワニに立ち向かう。

ワニが口を開いてガブに飛び掛かると、ガブは避けてワニのお腹に自分の角で持ち上げ投げ飛ばす。

ワニを撃退したガブは一目散にリュウタの元へと急ぐ。

 

 

 

 

 

その頃、リュウタに追いついたカナ達は、今にもサルタサウルスに襲われそうになっている現場に直面した。

 

カナ

「あのままじゃリュウタが危ない!助けないと!」

 

《ダイナライズ、エオラプトル!》

 

キュアアアア‼︎

 

カナがそう言った途端、カードがひとりでに飛び出し自動的にダイナライザーにスラッシュする。

遺伝子のエフェクトが浮かび上がり、エオちゃんが成体の状態で召喚される。

 

カナ

「すごい、自動的にスラッシュするんだ…!」

 

レックス

「とにかくリュウタを助けるぞ、エース!」

 

マルム

「お願いよ、パラパラ!」

 

続くレックスとマルムがディノホルダーを構えたその時、草むらからガブが飛び出して来た。

 

レックス&マルム&カナ

「「「えっ⁉︎」」」

 

リュウタ

「ガブ⁉︎」

 

飛び出してきたガブはそのままリュウタの元へ駆けつける。

 

リュウタ

「ガブお前……頼む、動いてくれ!」

 

ガブと再会できたことに安堵し、少し涙目になるリュウタ。

そしてサンバイザーに括り付けていたディノホルダーを手に取り、再起動を試みると液晶画面が点灯し再起動に成功する。

 

リュウタ

「よし、行くぞガブ!ディノスラッーシユ!轟け!トリケラトプス!」

 

ゴオォォォォォォ‼︎

 

リュウタはガブをカードに戻し、ディノホルダーにスラッシュする。

ガブは成体の姿へと変わり、サルタサウルスに突進する。

サルタサウルスもガブの突進を背中の装甲で防ぎ、お返しとばかりにガブの頭に噛み付く。

 

リュウタ

「負けるな、ガブ!」

 

ガブは懸命に反撃するが、背中の装甲に阻まれて効いていない。

 

レックス

「ダメだ!あの背中じゃ歯が立たないよ!」

 

マルム

「ッ!身体が光った!技を出すつもりよ!」

 

リュウタ

「何だって⁉︎避けろ、ガブ‼︎」

 

マルムのアドバイスに従いリュウタが指示を出すも、一足遅かった。

サルタサウルスの口から激流状の鞭が放たれ、スピノ同様ガブを捕縛する。

ガブは飛ばされないよう踏ん張るが、サルタサウルスは首を大きく上げてガブを思いっきり持ち上げる。

 

リュウタ

「ああっ、ガブ!」

 

レックス

「あのまま叩きつけられたら、ひとたまりも無いぞ!」

 

カナ

「加勢するよ、エオちゃん!」

 

そう言ってカナはもう一枚の水の紋章カードを取り出し、素早くスラッシュする。

 

カナ

「フォームチェンジ!湧き上がれ!ニジェールサウルス!」

 

《フォームチェンジ!ウォーターフォーム!》

 

エオちゃんの周りに水のエフェクトが浮かび上がり、変身する。

その間にもサルタサウルスは首を大きく振り下ろし、ガブを叩きつけようとする…!

 

だが、ガブが地面に叩きつけられる寸前に何かが割り込み、ガブを受け止める。

そのおかげでガブはダメージを受けたが、カードに戻ることは無かった。

 

ガブを受け止めた恐竜は全長9mの灰色の体躯に象みたいにがっしりとした脚、胴体の黄色の水玉模様に掃除機のような横に平べったい顔が特徴的な竜脚類…

 

 

《恐竜掃除機》

ニジェールサウルス

 

 

ギュェエエエエッ‼︎

 

ニジェールサウルスに変身したエオちゃんは、前に出てサルタサウルスに相対する。

エオちゃんを見たサルタサウルスは狙いを変え、超技を放とうとする。

 

カナ

「そうは問屋が卸さないよ!ウォーターレーザー!」

 

《エレメントアビリティ発動!ウォーターレーザー!》

 

カナは素早くカードをスラッシュし、口から水のレーザーを放つ【水流光線(ウォーターレーザー)】を放つ。

命中によってサルタサウルスの技が中断され、それによって生じた隙をリュウタは見逃さなかった。

 

リュウタ

「今だ、ガブ!いっけーッ‼︎」

 

リュウタの言葉にガブは立ち上がり、突進する。

エオちゃんに意識が向いていたサルタサウルスはガブの突進に対応出来ず、その隙にガブは自身の角を腹の下に差し込み、先程のワニ同様思い切り投げ飛ばした。

 

マルム

「やったわ!」

 

レックス

「アイツの弱点は腹だ!決めろリュウタ!」

 

リュウタ

「行くぜ!エレクトリックチャージ!」

 

リュウタが技カード【来雷蓄電(エレクトリックチャージ)】をディノホルダーにスラッシュすると、雷雲から雷がガブに落ち力を与える。

そのままガブは飛び上がり、自由落下中のサルタサウルスの腹に角から生成した雷のエネルギーボールをぶつける。

 

弱点属性である雷を受け激しく痙攣したサルタサウルスはそのまま河に落ちていきカードに戻る。

それを見届けたガブもカードに戻った。

 

マルム

「すごい……!」

 

レックス

「サルタサウルスを倒した……!」

 

カナ

「流石だね、リュウタ!それにエオちゃんもナイスアシストだよ!」

 

カナがパートナー恐竜であるエオちゃんを褒めると、嬉しそうに咆哮を上げながらエオちゃんもカードに戻った。

そんな中リュウタは足元に落ちたガブのカードを拾う。

 

リュウタ

「ガブ…カードになっちまうまでよく戦ったな……」

 

そう言ってリュウタはガブをチビ恐竜の状態で召喚する。

 

リュウタ

「ガブ、お前の勝ちだぜ?」

 

ガブ

『ガブ〜………ガブッ!』

 

リュウタ

「ごめんよガブ?もう二度離さないぞ!」

 

リュウタとガブは互いに熱い抱擁を交わし、笑い合う。

そこへサルタサウルスのカードと【龍河鞭攻(フラッドストラップ)】のカードを回収したカナ達がやって来た。

 

レックス

「はい、リュウタ。このカードはリュウタとガブの手柄だ。」

 

リュウタ

「ああ…(ぐぅぅぅ……)……腹減った〜」

 

カナ

「あはは……あれ?リュウタ、そのトカゲは?」

 

カナがリュウタの足元にいるトカゲを指差す。

 

リュウタ

「ああ、そのトカゲ……そういえばコイツもサルタサウルスから必死に逃げ回ってたんだ。」

 

レックス&マルム&カナ

「「「えぇ⁉︎それじゃあ……」」」

 

レックス

「サルタサウルスが追いかけてたのって……」

 

カナ

「このトカゲだったんだね……」

 

マルム

「そういえばサルタサウルスも舌をチョロチョロ出てたけど、そう言う事?」

 

ウサラパ

「ごぉるるぁ‼︎ガキンチョ共ー‼︎」

 

ガブと追いかけっこを始めたトカゲを見ながら3人がそう言ってると、空から怒声が聞こえる。

Dキッズ達が上に目を向けると、ボロボロになった小型飛行船(人力)で退散しているウサラパ達がいた。

 

ウサラパ

「今日の所はこのくらいにしといてあげるわ!でも、次に会う時は泣く子も黙るアクト団が…」

 

ノラッティ〜

「ギッタンギッタンのボッコボコにするザンスよ〜!」

 

エド

「覚えとけ〜!」

 

ウサラパ

「あ、それ…」

 

ウサラパ&ノラッティ〜&エド

「「「キャッチ・アンド・ロー!キャッチ・アンド・ロー!」」」

 

わざわざDキッズにも聞こえる大声で、捨て台詞を吐きながら退散していく工作員トリオであった。

 

マルム

「ほんっとしつこいわね、あのオバさん達!」

 

ウサラパ

「オバさんって言うな、ガキンチョォ‼︎」

 

遠ざかりつつもオバさん呼びにはしっかり反応するウサラパであった………

 

 

 

 

 

古代家

 

古代家へと戻ったリュウタ達は、今回のトカゲの事を古代博士に話していた。

 

剣竜

「ほぉ、トカゲをな……そりゃあ何も驚く事じゃないぞ?」

 

レックス

「そうなんですか?」

 

剣竜

「サルタというのは…コイツの化石が発掘された南アメリカの町の名前で、サルタサウルスは『サルタのトカゲ』って言う意味だからな!」

 

マルム

「サルタのトカゲ?」

 

カナ

「それと何か関係が…?」

 

剣竜

「多分トカゲを仲間だと思って追いかけたんじゃないかな?」

 

カナ

「あっ、なるほど…」

 

マルム

「リュウタ知ってた〜?」

 

剣竜の答えに2人は感心し、マルムがリュウタに聞こうと振り返ると…

 

リュウタ

「(ガツガツガツガツ!)……ん?なんか言ったか?」

 

ガブ

『ガブガブガブガブ!』

 

当のリュウタはお腹が空いていた為、既に晩御飯のハンバーグや白飯を無我夢中で口の中へと運んでいる。

その下ではガブもドッグフードをモリモリ食べていた。

 

マルム

「何でもない………」

 

レックス

「ほんとよく似てるよ、2人共。」

 

カナ

「…まぁ、それでこそリュウタとガブだけどね。」

 

その間にも食いまくるリュウタとガブに苦笑いを浮かべる3人であった。

 

亜紀

「ほら、零さないのリュウタ!ガブもお行儀良く食べなさい!」

 

亜紀に注意され、リュウタは食べるペースを落としてゆっくり食べる。

その間にもリュウタはガブにウィンクするが、ガブは気にせずドッグフードを食べ直し始めるのであった………




次回、『万里の長城で大ピンチ⁉︎』

次回もお楽しみに!
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