超高校級の幸運に内定していた少女は、高度育成高等学校に入学する。 作:杏仁豆腐
今回のお話は、遅くなってしまった分、いつもより長めの1万5000文字となっているので、少し読むのに時間が掛かってしまうかもしれません。
今回は葛城、そして神崎との会話がメインです。
本来であればCクラス視点のお話と坂柳派視点の話を入れる予定でしたが、それは持ち越しにして今回主人公が行った事についてを完結に纏めたお話となっています。
そして仲良し三人組の方では、もう恒例のご飯ネタが入っているのでそちらを是非お楽しみに。そこには主人公の幸運ネタも入っているので、日常として楽しんでいただければと思います。
他にも前世の話が最初の方に入っているので、ダンロンキャラとの会話を読みたいという方には楽しんで貰えるかと思います。
逆にダンロンキャラとの会話を読みたくない方は◇◇◇までスキップすると、読まずによう実編を楽しめると思うので、ここに書かせて頂きます。
いつも応援して下さりありがとうございます。
お気に入りに感想、評価にコメントまでつけて頂けて、とても嬉しいです。
※評価やコメント、是非お待ちしております。
世界は絶望に包まれ、世界各地で暴動やテロが起こり、人々は江ノ島の絶望に狂わされ、世界は滅亡に向かっていた。しかし、そんな世界で超高校級の希望と呼ばれた少年が江ノ島に打ち勝ち、論破したのだ。
殺し合い学園生活を生き残った苗木誠、霧切響子、十神白夜、腐川冬子、朝日奈葵、葉隠康比呂の六人は外に出ると絶望の残党から逃げ続け、数時間後に未来機関にて保護された。殺し合いから開放され緊張が解れたからか、泣き出す者もいたが、全員が未来機関の管理する建物でゆっくり療養し、社会復帰をする事が出来た。
そしてこれは、彼等が社会復帰を果たす少し前の、療養中の時の出来事だ。
「異常は無さそうですね。何かあれば、職員を通してまたご連絡下さい。次回の診察は一週間後のこの時間になります。」
苗木誠は、未来機関に併設されている診療所で診察を受けていた。
未来機関に保護されてから、精神的ダメージが表面化し、悪夢に魘されることが多くなっていた。苗木達は約三年を共に過ごしたクラスメイトと殺し合いを行い、黒幕もそのクラスメイトの一人だという事実は思った以上に大きな傷を残していた。
彼らは生きる事に必死で、殺し合い生活のダメージに気付く事は無かったが、いざ安全な場所で療養するとなると、自由な時間が出来るので色々な事を考えてしまうのだ。例えば、舞園が生きていたら、江ノ島が絶望という才能を持っていなかったら、もしかしたら平和な未来もあったのではないかと、そんな事を考えてしまう。夢に見るのは、死んでいったクラスメイトの事ばかりだ。そして行方不明の妹や家族の事も心配だった。
過去を悔やみ、大切な人と再会する事も出来ないという状況はとてもストレスだった。
診療所を出て、療養中の者が生活する療の休憩室に向かうと、そこには朝日奈と十神、霧切と葉隠が何かを見ながら談笑していた。
「やあ、みんな。」
そう声を掛けると、彼等が苗木の方に振り返る。
「苗木っち、またやつれてねぇか?」
葉隠が心配そうに苗木を見るが、彼には苦笑する事しか出来なかった。彼らの元へ近寄ると、彼らが見ていた物の正体が分かり、苗木は更に胸が痛くなった。
「…そのアルバムって、ボク達が希望ヶ峰学園の生徒だった頃のもの…だよね?」
そう問い掛けると霧切が頷き、アルバムを苗木が見やすいように向きを変えた。
「このアルバムは、私達が希望ヶ峰学園で過ごしていた時の写真を集めたものよ。」
"希望ヶ峰学園 第78期生"
それが苗木達がいた代だった。
希望ヶ峰学園は二クラス制で、ボク達のクラスとは別にもう一つのクラスがあったそうだが、生徒は予備学科の暴動に巻き込まれて全滅してしまった。そう聞いている。
「これ、大和田と不二咲ちゃんだよね。笑ってる。その後ろには石丸もいるし、仲が良かったのかな…。こっちにはさくらちゃんと私だ。ドーナツを食べていて、みんな笑っていて…。」
朝日奈の明るい声は話すにつれて涙声に変わっていき、雰囲気が少し暗くなる。
いつも明るい彼女ですら、あの殺し合いで負った傷はまだ癒えていない。──いや、癒える事は一生無いのかもしれない。
苗木達は悲しみも苦しみも、仲間の死すらも背負って生きていくのだ。
そう彼が思った時、苗木達の前に一人の女性が現れた。
「…超高校級の幸運の苗木誠君?」
艶やかな綺麗な髪は誰もが羨んでしまうかもしれない。そんな美しい髪を持つ女性に苗木は見惚れていた。
「誰だ、貴様は。」
何も言えない苗木に代わって、十神が警戒心をむき出しにしてその女性に問い掛ける。
「私は…元希望ヶ峰学園78期生に内定していたけど、配達か学校の手違いによって入学案内が届かなかった───」
彼女はそこで区切り、一呼吸置いてから驚くべき事を口にした。
「───『超高校級の幸運』である神島美香だよ。」
「…え?超高校級の幸運?」
朝日奈が間の抜けたような声を上げる。
「超高校級の幸運、だと?それも78期生?馬鹿にしているのか?超高校級の幸運は苗木誠だけだ。」
十神がそう言い、彼女の言葉を否定する。すると彼女はポケットの中から一枚の紙を取りだし、苗木達に見えるようにテーブルの上に置いた。
そこにはこう書かれていた。
──────────────────────
神島 美香 様
今回、我が校では平均的な学生の中から、抽選によって一名を抽出いたしました。
その結果、当選したあなたを"超高校級の幸運"として我が校に招き入れる事になりました。
つきましては、入学するにあたり希望ヶ峰学園の入学案内パンフレットを同封致します。
──────────────────────
そう、苗木の元に届いたものと名前の部分を除いて一語一句全く同じ、入学通知書だったのだ。
「改めて、私の代わりに入学したっていう超高校級の幸運さんがどんなものか、確かめに来たわけだけど…」
そう言い彼女は苗木に視線を移す。
「想像していたのと全く違う。何だか腑抜けている様に見えるね。まあそれもそうか。殺し合いから解放されれば、誰だってそうなってしまうよね。」
「希望ヶ峰学園に入学出来なかった人間風情が、そんな事を言う筋合いは無いだろう。」
十神が神島を強く睨み付けるが、彼女は気にもせず彼にに返事を返した。
「私の幸運はね、危険回避型なんだよ。人類史上最大最悪の絶望的事件にそもそも関わる事なく、世界が絶望に染まっても食べ物に困る事なく、家族も無事で約一月逃亡生活を行い、運良く未来機関に保護された。食べ物に困る事は無いと言ったけど、それでも空腹を紛らわすには至らなかった。本当に生きる最低限の量しか無かったからね。」
確かに今彼女が言った事が事実であれば、確かにそれは『超高校級の幸運』だと言える。こんな世界にまともな食べ物があるとは思えない。
「これだけでも十分幸運だと言えるけど、恐らく本来届くはずだったこの入学通知が届かなかったのも幸運だと言えるの。何故なら、その代わりに江ノ島盾子を倒してくれた苗木君が入学したんだから。その行動一つで世界は救われた。そう思わない?クラスメイトになるはずだった十神白夜君。」
十神は彼女の言葉に言い返す事が出来ず口を閉ざした。
「ちなみに、この入学通知書は苗木君の入学が決まってから一月後に希望ヶ峰学園に返還されたみたいだよ。未来機関に保護された時、元希望ヶ峰学園学園長である天願会長から頂いたものなんだ。まあ、元々私が受け取る予定のものだったし、貰うのは当たり前だよね。」
神島は本当に『超高校級の幸運』に選ばれていたようだ。彼女の入学枠を悪気は無いとはいえ奪ってしまった事に苗木は申し訳なく思うが、彼女が気にしている様子は無いので少し安堵した。
「それにしても苗木君って、平凡だよね。」
「あ、あはは…やっぱりそうだよね。」
苗木は『平凡』と呼ばれた時、悔しさや悲しさは感じず、何故か安心感を抱いていた。ようやく、あの惨劇が終わったのだとそう強く実感した。
(そうだ…ボクは超高校級の希望なんて大それた人間じゃない。良い結末を迎えられたとも思っていない。まだ世界は何も変わっていない。ボクは…ただの平凡で普通な苗木誠なんだ。)
「改めて自己紹介させて貰うよ。ボクの名前は苗木誠。才能って言えるほどのものじゃないけど、『超高校級の幸運』って事になっているよ。宜しくね、神島さん。」
苗木が神島に向かって自己紹介を行い手を差し伸べると、彼女は微かに微笑んでその手を強く握った。
「こちらこそ宜しく。超高校級の幸運に内定した神島美香です。現在は未来機関の本部で超高校級の絶望と呼ばれている、希望ヶ峰学園の卒業生を探す役目を担っています。世界に希望をもたらしてくれた平凡な苗木君、私は君が入学してくれて良かったと思っているよ。…これからは、世界の復興の為に共に頑張ろうね。」
良かったと言う割に、彼女の表情は少し暗いように感じた。しかし、こんなご時世ではあれば暗くもなるだろうと思い、苗木は気付いていないフリをした。
二人の『超高校級の幸運』は出会い、志を共にするのだった。
◇◇◇
7月10日、目を開けるとカーテンの隙間から光が差し込んでおり、朝だという事がわかる。
「ふわぁ、やばい寝すぎたかも。」
欠伸をしながらそう呟き、スマホを探し始める。いつもの定位置に無いので、寝相が悪いあまりどこかに落としてしまったようだ。
私は珍しく、目覚ましアラームをセットし忘れてしまった。
久しぶりに前世の夢を見ていた気がするが、どんな夢だったかは全く覚えていない。そんな気がするだけで、そもそも前世の夢なんて見ていないのかもしれない。そんな事を考えながら、立ち上がり背伸びをする。
昨日の夜は遅くまで『ダンガンロンパ』の執筆を行っており、何とか『学級裁判捜査編』5話を投稿する事が出来た。超高校級のアイドルである舞園さやかを殺した犯人を探す学級裁判だ。少し苗木の発言を変えたりして、主人公っぽい強気な発言を入れたりしたが、面白さは大して変わっていないような気がしており、蛇足に終わってしまった。
ようやくスマホを見つける事が出来たので時間を確認すると、まだ7時15分で急いで準備すれば朝食を食べるくらいの時間はある様だ。
私は急いで顔を洗い制服に着替える。少し長くなった髪を一つに纏めて縛り、前髪を軽く整える。そして最低限の化粧を施し、朝食を作り始める。
昨日の夜の余りの冷凍ご飯を解凍し、マーガリンを乗せて醤油をかけ、鰹節を散らす。バター醤油鰹節ご飯(偽)の完成だ。
デブ飯だけど、コレマジで美味いんだよなぁ。正直バターが切れていたのでマーガリンで代用したが、バターを使った方が味も香りも全然違うんだよねぇ。まさに至福だよ。
しかし今時短で食べれるものなんて、この高カロリー飯以外何も無い。私は急いでバター醤油ご飯(偽)を食べる事にした。
その後、フライパンに油を入れて細切りベーコンを炒め、そこに余ったご飯を投入して混ぜ合わせていく。ブラックペッパーと塩コショウを少量振り、さらに混ぜ合わせてバターライスの完成だ。それを弁当箱に敷き詰め、昨日の余りのポテトチキンとスーパーのサラダを押し込み、蓋をして鞄に入れる。
そして歯磨きをしてから、急ぎ足で寮を出て学校に向かった。何とか学校に着くと、ホームルーム開始五分前だった。私は席に着き、教科書やノートを机の中に仕舞っていく。
そういえば『ダンガンロンパ』の最新話を投稿したが、ネットの反応はどうなっているのだろうか。今日の朝は学校に行く準備で忙しかった為、反応を確認できていない。
私は今の内に、評価がどうなっているのか確認する事にした。
お気に入り数は420、感想は76件、評価は10段階の中で7と一段階上がっており、全体的に前より人気が出ているようだ。寄せられる感想の文章量も増えており、特定のキャラクターにファンもつき始めた。
『舞園さんが死んじゃって悲しい。苗木君悲しいと思うけど、疑われているし、がんばってくれ!』
『超高校級のギャルちゃん好きだったのに、デスゲームで最初に死ぬやつらしい死に方して泣いた。でもこれこそデスゲームって感じで好き。一生推します。』
『山田の二次元に対する思い入れがガチ過ぎて好き。山田様大好きですぞ。作者様は超高校級のオタクなのではありませんか?』
『超高校級のアイドル』である舞園さやかや『超高校級のギャル』である江ノ島盾子(中身は戦刃むくろ)が人気が出るのは分かるが、まさか山田一二三推しの読者がいるとは思わなかった。
『僕は、2次元に飽きたりしないィィ!僕は、2次元と3次元とを比較した上で、自らの意思で、あえて2次元を選んでいるのだ!』
確かにこのセリフ何かは特に山田を表す重要なセリフだ。彼がただのオタクではなく、超高校級の同人作家としてプライドを持っている事を示すのには十分なものだろう。
他は…だいたい舞園さやかに関する感想ばかりだね。犯人予想に何故か不二咲千尋の名前が出てるけど、これは11037というダイイングメッセージから、プログラマーを示しているんじゃないかって推理なのかな?
そんな事を考えていると予鈴のチャイムが鳴ったので、急いで携帯をポケットに入れた。
「おはよう。今日は6月末に起こったトラブルの再審議が行われる。なのでそれが終わり次第、クラスポイントに関する確認を行い、各クラスにプライベートポイントが支給される事になっている。君達には苦労をかけたようで申し訳ないが、これは全て学校で決まった事なので受け入れて欲しい。」
その後真嶋は授業変更や、教育委員会の視察に関する話を行い教室を去って行った。
そういえば昨日の審議に葛城はCクラスやDクラスではなく、事件に関する他クラスという立場で証人として出席したらしい。
DクラスやCクラスの擁護では無く、あくまでどちらにも非があり、須藤は暴力を振るった事について、Cクラスは訴えの中に虚偽が含まれていたことに対して処分を求めるという、なんとも正義感の強い彼らしい主張を行った様だ。
「ねぇ、葛城君。今日再審議なんだって?ちゃんと私のアドバイスは活用してくれたみたいだね。私はとっても嬉しいよ。」
そう言うと、葛城は「南雲先輩か。」と呟き話し始める。
彼の言う通り、審議会の記録を読んだ南雲に情報を教えて貰ったのである。わたしは彼にそこそこ気に入られている為、審議会の事について教えて欲しいと頼み込んだら、簡単に教えてくれた。
勿論無償で、だ。
「神島は昨日の審議前『両クラスの主張が終わり、両クラスの証人の証言が終わってから君の話をした方が良いよ。』と、言っていたな。まるで各クラスから証人が出る事を知っているような発言だった。結果、証人が出たのはDクラスだけだったが、お前はこの未来を予期していたのか?」
「別に?確率が低いとはいえ、証人が出てきてどちらかのクラスを擁護するのは十分有り得るからね。」
私は別に超能力者では無い。勿論、超高校級の占い師でも預言者でも無い。ただの少し運が良いだけの女子高生だ。しかし、そんな私でも可能性という未知を示す言葉を知らないわけではない。
葛城という後ろ盾を得た今、彼の地位が向上する事はとても有難い事だ。彼が生徒会に入れば、それだけでクラス内の支持を得る事が出来るはずだ。断られても諦める事の無い、不屈の心を持ったリーダー候補として皆に認められるだろう。
葛城派の人間になるつもりは無いが、せっかく得た人脈という手札をより強い手札に変える為には、彼を生徒会に入れる必要があったのだ。だから彼にアドバイスを送り、生徒会や各クラスの代表者に大きなインパクトを与えさせたのである。
「そして、葛城君の主張はどちらのクラスを擁護するものでもない。その事前情報を知っていたし、君の主張を立会人の生徒会の生徒に響かせるには、ドラマチックな演出が必要だと思った。それだけだよ。ほら、合唱コンクールって最後に歌ったクラスの評価が意外と高かったりしない?それと似たような効果を狙っただけだよ。」
私がそう告げると葛城は納得し、私の言葉を賞賛した。
「しかし、これで本当に生徒会に入れるのだろうか。」
どうやら葛城は、現状生徒会に入れるような評価を貰えているとは思っていない様だ。一度断られたという事実がここまで彼を弱気にしてしまうとは、彼は意外とメンタルが弱いのかも知らない。
「まあ、何かを得るにはそれ相応の難易度というものが存在する。生徒会入りはそこまで難易度が高いわけじゃないし、諦めずに前向きに考えていた方が良いよ。そういうマイナスな思考は、周囲にも伝わりやすいからね。」
「ああ、そうだな。諦めてしまえばそこで終了してしまう。」
少しでも元気を出して貰おうと慰め、元気付けようとしたが無意味だった。葛城は前向きな返事を返したが、言葉とは裏腹に彼の表情が晴れる事は無かったのである。
その後、放課後になり葛城は再審議に参加する為会議室に向かって行った。
私は今日とある人物と会う約束をしている。
学校を出て、寮近くの公園に向かうと目当ての人物がそこで缶コーヒーを飲んでいた。
「あ、やっほー、お待たせしました。久しぶりだね?神崎君。」
「…ああ、久しぶりだな。」
私の中学時代の元クラスメイト、神崎隆二が今回私と会う約束をしていた人物である。
「それで、わざわざこんな人気のないところに呼び出して、一体何のお話をするのかな?」
神崎が連絡をしてきたのは昨日の夜で、どうやら私と二人で話したい事があるそうだ。
私と彼は中学時代同じクラスに所属していたクラスメイトだったが、必要最低限の関わりしか無く、連絡先を交換したのもこの学校に入ってからだ。友人未満、知り合い以上という関係性が最も私達二人を指すのに適しているだろう。
「今日は、神島に聞きたい事があったんだ。」
神崎は真剣な表情を浮かべ私を見つめている。
「私に聞きたい事?」
そう聞き返すと、彼はコクリと頷き話し始めた。
「今日の昼休み、一之瀬は生徒会のメンバーと一緒に食事をしたと言っていた。その時、堀北生徒会長が、新たに生徒会に推薦したいと考えている人物について話したそうだ。」
それって、もしかして…
「もしかしてそれって、葛城君の事だったりするのかな?」
私は神崎にそう尋ねると、彼はすぐに頷いた。
「その通りだ。四月に生徒会入りを断った一年Aクラスの葛城、今では彼を生徒会に推薦したいと考えているそうだ。たった3ヶ月、この間にどんな心境の変化があったのか。俺はそれに関して、神島が関わっているんじゃないかと考えている。」
葛城と一之瀬は四月に生徒会入りを断られているが、一之瀬は五月に南雲の推薦を受けて生徒会入りを果たしている。そして葛城は生徒会入り出来ずにクラス内の派閥争いでも劣勢になっていた。
そんな男を一度断っている堀北会長が認めるわけがない。しかし、昨日堀北会長は葛城を評価し直し、生徒会に入るに相応しいと判断した。その心境の変化に私が関わっているのだと、神崎は考えている様だ。
「その理由について教えて貰える?私が関わっていると思う理由は何?」
神崎は「理由か。」と呟き、話し始めた。
「まず一つ目は、ポイントの供給が停止したと担任から説明を受けた日、神島と葛城が人気のない教室に入って何かを話しているのを見たからだ。その日の放課後、一之瀬の話では生徒会室に葛城がやって来て『審議会にどちらのクラスも擁護しない証人として参加させて欲しい。』と頼み込んで来たらしい。」
まさか私に証拠を貰ってから、すぐに動き始めたとは恐れ入った。彼は意外と行動力がある男の様だ。
「そして堀北会長と二人で何かを話し、葛城は出ていったそうだ。そして二つ目だ。昨日の放課後、一之瀬は審議会の記録を読んで、葛城が証人として審議会に参加した事を知った。そして葛城の証言は、別の人物の代理として行われたと言っていた。つまり、実際に証言すべき人間は他に居たという事だ。」
その実際の証人というのが私の事では無いか。神崎はそう言いたいらしい。
「葛城は審議会でCクラスとDクラスの非行や虚偽の申告について言及し、それらを糾弾した。そして二クラスにそれぞれ違う理由の迷惑行為があるとし、厳正な判断の元処分を決めて欲しいと言っていた。彼奴はどちらのクラスの肩を持つ事無く、結果的にこの状況を利用してクラスポイントの没収をさせようとしているように思える。」
神埼の推理はかなり良い線を言っている。神崎は葛城の目的が『CクラスとDクラスのクラスポイントの没収』だも思っている様だが、彼の本当の狙いは生徒会に入りクラス内の信頼を得る事である。しかし、目的以外の推理はほとんど合っており、彼の賢さを改めて実感した。
「凄い、凄いよ神崎君。一部を除いてその推理はほとんど正解だね。」
私は神崎の推理を誉め、彼の考えがほとんど正しい事を告げた。すると神崎は眉を顰め聞き返してきた。
「一部だと?その一部とは一体何の事なんだ?」
正直に言ってしまえば、この一部というのは葛城の目的であり、これを言わなくても何か大きく変わるわけではない。そしてこれはクラスの事情なので他クラスに話すメリットがそもそもない。
「悪いけど、根本に関わる事じゃないから説明はしないよ。自分で考えてね。」
神崎にそう言うと、彼はすぐに引き下がり私の言葉に了承した。
「じゃあ、他に聞きたい事が無いならそろそろ寮に戻りたいんだけど、どう?」
「…」
私の言葉を聞いて神崎は何かを考えるように黙り始める。私は少し暇になったので、近くにあった自販機にスマホをかざし、りんごサイダーを購入する。蓋を開けて口をつけると、爽やかな炭酸とりんごの甘さが口の中いっぱいに広がる。
「ふう、冷たくて美味しい。やっぱり夏といえば炭酸だよね。」
冷たいリンゴサイダーを飲んで水分補給をしていると、神崎が口を開いた。
「一つ気になっている事がある。」
「ん?何かな?」
神崎は一呼吸置いてから、疑問を口にした。
「神島は坂柳と仲が良かったはずだ。しかし、お前は今回の事件で葛城に協力している。その理由を知りたい。教えてくれないか?」
神崎はいつになく真剣な表情で私にそう尋ねた。私は坂柳とよく話しており、仲が良いと思われていてもおかしくない。神崎から見たら私が坂柳の敵である葛城に協力している様に見え、違和感を感じるのも当たり前だ。
私は神崎の疑問に答える事にした。
「私の中学時代の事を覚えてる?私は人の何倍も運が良かったよね。」
私がそう言うと神崎は「ああ」と短く返事を返した。どうやら、中学時代の私の事を覚えている様だ。
「この学校に来てからも私は幸運だった。だけど、この前とある勝負事で私は不運に陥りかけたんだ。その時初めて私は危機を感じた。そして自分の運が悪くなった時、どうすれば良いのかを考えたの。」
私は自分が不運に陥るなんて思っていなかった。あの時、追い詰められるまでそんな事考えた事すらなかったのだ。しかし、あの一件で私は確かに笹山に負けかけた。何とか持ち直し勝利を収めたが、それでもあの時感じた不安や恐怖は拭われ無い。
もしこの学校生活でそれを感じた場合、その時私は負けてしまうかもしれない。この学校において、真の敗北とは高校を退学する事だ。もしそんな時に幸運という才能が発揮されなければ、私はゲームオーバーだ。退学する事になってしまう。
私はそれが嫌で、もしもの時助けてくれる人が必要だった。万が一ピンチに陥った時、私を支持してくれる人間が必要だった。
だから私は葛城に手を貸し、借りを作ったのだ。葛城は義理堅く、人情に厚い性格だった。私は彼の性格を信じ、彼に手を貸したのだ。坂柳では無く、葛城の性格を信じたのである。
もしこの学校で強い権力を持つ味方を作る事が出来れば、それはきっと強い手札になる。私はそう信じている。
「私が葛城君に手を貸した理由…それは葛城君の性格を信じているから、だよ。万が一何か問題が発生し、その渦中に私が場合、私には味方が必要なんだ。その味方に葛城君を選んだのは彼の性格が良くて、Aクラス内で権力者だから。ただそれだけだよ。」
私は神崎にそう答えた。これは嘘偽りのない事実だ。葛城の人間性を信じたからこそ、私は彼に手を貸す事にしたのだ。
「そうか、ひとまずは納得出来たよ。」
そして私の言葉を聞き、神崎は納得したように頷き、それ以上は何も聞いてこなかった。その後、中学時代の話を少しして私達は解散した。
私は寮に戻り、期末試験の勉強を行った。
そして翌日、朝起きると136万256プライベートポイントだったのが、10万2000プライベートポイントが支給された事で146万2256プライベートポイントに変化していた。どうやら無事にトラブルは解決したらしい。
学校に到着し、前の席に座る葛城に生徒会に入る事が出来たのかと聞くと、彼はこう言った。
「ああ。昨日の審議会の後、堀北生徒会長に呼ばれてな、生徒会への勧誘を受けたんだ。その理由が『今のお前であればこの学校の生徒会に相応しい』というものだった。正直俺がこの学校の生徒会に相応しいのかは分からないが、これからも精進していこうと思う。」
葛城は昨日の様な暗さを感じさせないほど、真っ直ぐ未来を見据えているように感じた。過去の失敗に吹っ切れたからか、とても良い表情をしている。こんな彼であれば、生徒会長も気に入るはずだ。
「おめでとう、葛城君。生徒会に入れる理由なんて関係ないんだよ。入ってからがスタートで、君がこの学校をどうしていきたいのか、それを考えていかないと。過去に縛られていても良い事なんて無いからね。」
私がそう言うと、葛城は力強く頷き椅子から立ち上がって、私に向き直りまっすぐ私を見つめて口を開いた。
「改めて、ありがとう神島。お前のおかげで俺の目標が一つ叶った。たった一つだが、この一つを叶えるのは俺にとってとても難しい事だった。どこかで、中間試験の時の借りも返させて貰いたい。本当にありがとう、神島。心から感謝している。」
そう言い彼は私に頭を下げた。
流石に頭を下げられるほど、大した事をしたわけではない。私は私が他クラスと関わらずに、彼に証人の責任を押し付けただけだ。しかし真面目な彼はそんな事露知らず、私が彼の為を思って提案したと信じているのだろう。
「気にしないでよ、葛城君。私も君から得たものがあるし、それについては感謝しているんだ。これはあくまで公正な取り引きだからね、生徒会役員を勝ち取ったのは紛れもない君の功績だよ。私はきっかけを与えたに過ぎないからね。」
私は葛城の感謝の言葉にそう答えた。これは謙遜ではなく、本当の事だ。彼は私の言葉を聞き少し照れたように笑い、また自分の席に座った。
本当に過去に縛られているのはきっと私なんだ。前世と今世を比較し続け、前世の歴史の一部を小説にしてしまう程度には、私は過去に縛られたままなのだ。私には、偉そうに葛城に説教する資格なんて無いのだ。
そんな事を考えていると、教室前の扉が開き、ポスターを持った真嶋が教室にやって来た。
「おはよう。今日町田は発熱により欠席だ。もうすぐ期末試験がある。皆も体調には十分気を付けて無理の無い範囲で勉強を続けてくれ。体調不良になった者がいれば、すぐに近くの教職員に伝えるか、保健室に行くようにしてくれ。」
廊下側から2列目の席に座っているはずの町田の姿は無かった。どうやら本当に欠席してしまったらしい。しかし、真嶋がここで町田の欠席について説明しているのであれば、Dクラスの様なボイコットでは無いのだろう。これならクラスポイントは減らされないはずだ。
「そして、ようやく今日からプライベートポイントが支給された。今から各クラスのクラスポイントを発表するのでしっかり確認する様に。」
そう言い、真嶋はポスターに磁石を付けて黒板貼り付けた。そこにはこう書かれていた。
────────
Aクラス→1020
Bクラス→700
Cクラス→520
Dクラス→20
────────
Cクラスは先月から20クラスポイント減少し、Dクラスは30クラスポイント減少している。トラブルが起きていた二クラスどちらからもクラスポイントが引かれている。恐らくこれは葛城の意見が反映されたものだろう。
「今回DクラスとCクラスで発生したトラブルに関して、両クラスに非があるという事が分かった為、どちらのクラスからもクラスポイントが没収された。そして今回、この様な結果になった背景には葛城が証人として両方のクラスの非を証明した事が理由となっている。葛城の功績を讃え、彼は生徒会役員に推薦され、今日の放課後正式な手続きを行う事になった。葛城、ここで挨拶を頼む。」
真嶋がそう言うと、葛城は立ち上がり黒板の前に出て来た。そして彼は教室内を見渡した後、口を開いた。今回の事件の経緯を簡潔に話し始め、最後にこう締めくくった。
「今回の事件では、Cクラスが虚偽の証言をしている。Dクラスの暴力は如何なる理由があっても許される事では無いが、虚偽の証言も同様に許される事では無い。俺はこの学校を善なる者が安心して通える場にしたいと考えている。皆も困っている事や心配事があればいつでも相談して欲しい。」
葛城は堂々とそう言い、教室内からは大きな拍手が沸き起こった。真嶋も満足うに頷きながら彼を讃えた。それから程なくしてチャイムが鳴りホームルームが終了した。
葛城が席を立とうとした時、坂柳が葛城の前にやって来た。
「変わりましたね、葛城君。」
「変わっただと?具体的にどこが変わったんだ?」
坂柳が葛城にそう言うと、彼は不思議そうにそう返した。
「以前の貴方は生徒会に入れなかったという事実に諦めていました。しかし、貴方は別のアプローチを行って生徒会役員に推薦された。それも一度は断られた堀北会長からの推薦ですよ。堀北会長は貴方に大きな期待をしているのだと推測します。」
「そうか。そうやって俺を褒めて何が目的だ?」
葛城は坂柳が自分を褒める為にやって来たのではないと感じたのか、そう尋ねた。しかし、坂柳は微笑みながらこう答えた。
「私は貴方の成長を喜んでいるのです。これであれば、以前の貴方より楽しい勝負が出来るでしょうから。」
坂柳はそう言い残して席に戻った。葛城の生徒会役員入りを祝ったのか、それとも宣戦布告なのかは判断しかねるが、少なくとも今のやり取りで二人はこれからも政争を続けるのだという事が分かった。
葛城はそんな坂柳の背中を見て、何を思ったのか、彼は少し微笑んでいるように見えた。
それから数分が経過して、チャイムが鳴り授業が始まった。
その日の放課後、私は藍と美紀と夕飯の材料の買い出しを行い、一緒に私の部屋で期末試験の勉強をしていた。
一緒にといっても、同じ部屋でそれぞれがそれぞれの勉強を行うので、一緒に居る意味は無いが、これも美紀の持っている『友達とする100の事』という本に書かれていた事だから、一緒に勉強しているだけなのだ。意味は無いが、人がいるという意識からか、何時もより勉強に集中出来た気がする。
「そろそろ休憩しない?結構勉強したと思うんだけど。」
私がそう言うと、藍と美紀はシャープペンを置いた。
「今の時間は…20時30分ですか。」
「…4時間も勉強していたんですね。集中していて全く気付きませんでした。」
藍がスマホで時間を確認しそう告げると、美紀は目を丸くして驚いていた。彼女のそんな姿が少し可愛らしくて、つい笑みが零れてしまう。
「そろそろご飯にしようか。」
「確か、今日買った食材はじゃがいも一袋、人参一袋、玉ねぎ4個、ひき肉600グラム、チーズ400グラム、小松菜一袋でしたか?」
「そうですね。何を作るんでしょう。」
買った物が少ないとはいえ、全部覚えているとは流石は記憶力の良い藍である。美紀は夕飯のメニューが気になっている様だ。
「そう。料理は出来てからのお楽しみ。サラダはスーパーの使うから、ドレッシングだけ手作りするよ。出来るまで暇だと思うし、そこにあるテレビ好きに見てていいよ。」
二人にそう言い、私はキッチンに向かった。
今回、私の部屋で勉強をした事にはもう一つ理由がある。それは、私の手料理を藍が食べたいと言い出したからだ。藍は結構思った事をすぐに言い、行動に移してしまうある意味唯我独尊タイプでもある。そして、藍の言葉に美紀も同意を示したので、ポイントを割り勘して食材を買い、私の部屋にやって来たのだ。
しかし、メインは勿論勉強なので、夕飯は勉強をしてからという事になっていた。ちなみに炊飯は帰ってきてすぐに準備を行っている為、既に炊けている。
「さて、今日の料理は挽き肉とじゃがいも、チーズを使ったガレット、余った挽き肉と人参、玉ねぎをみじん切りにし、途中で小松菜加えて炒めたそぼろ、残りの人参とじゃがいもと玉ねぎはコンソメスープにして、上にチーズをかけてバーナーで炙れば絶対に美味い。」
私はまず各料理に合わせて食材を切っていく。一口大に切った人参と玉ねぎとじゃがいも鍋に入れ、軽く炒めてから水を加えコンソメを入れて中火で煮る。
その間に千切りにしたじゃがいもをフライパンに敷に敷き詰め、その上に挽き肉とチーズをを乗せて更に上からじゃがいもで挟み、焼いて行く。両面がこんがり焼けたら完成だ。
そして最後に、余った挽き肉とみじん切りにしておいた人参と玉ねぎを炒める。火が通ったら、生姜チューブと砂糖とみりんと醤油を混ぜたものを加え、弱火で炒める。そこに塩コショウを軽く振る。そして、ご飯をお茶碗に入れてその上にこれをかけたらそぼろ丼の完成だ。最後にベランダで栽培しているカイワレ大根を乗せたら…まあ彩りもマシになるだろう。
そしてスープのアクを取り、数分弱火で煮てチーズを乗せ、スープ皿に移す。その上にチーズを少量振り掛け、バーナーで炙ってコンソメスープの完成だ。
最後にスーパーで買ってきたサラダを皿に乗せ、ドレッシングを作る。今日はこってりメニューなので、ドレッシングはさっぱりしたものが良いだろう。砂糖小さじ2、酢大さじ2、醤油小さじ1、塩少々。これを三人分に変更し、混ぜ合わせて掛ける。さっぱりサラダの完成だ。上にミニトマトを何個か乗せておこう。
「出来たよー!」
そう言い、私はお盆に乗せて皆の待つ私の部屋に向かう。
「凄い良い匂いがします。そぼろ丼とスープとサラダと…それは何でしょうか?」
藍が持つお盆の上の料理を見て、ガレットを指さし首を傾げる。
「これはガレット。フランス北西部の郷土料理で、「円く薄いもの」を意味しているの。今回は、じゃがいもと牛挽き肉、チーズを使って焼き上げたよ。後でケチャップとマヨネーズと塩コショウを持ってくるから、お好みの味付けで食べて。そのままでも充分美味しいから、一口はそのままで食べて貰えると嬉しいなぁ。」
そう言い、料理をテーブルに並べていく。ケチャップとマヨネーズを持って来た時、飲み物を用意していない事に気付いた。
「ごめん、飲み物忘れてた。今家にあるのは、ウォーターサーバーの水とパックの紅茶と、麦茶と青森県のりんごジュースがあるけど。どれが良い?」
ちなみに青森県のりんごジュースは、ネット通販で買った高級りんご100%ジュースだ。よく実家にいる時から飲んでおり、この商品は前世にも存在していた。確か、元超高校級の農家である万代大作が製造に関わっていたらしいが、今世では彼の名前を調べても何も出てこなかったので、彼とは無関係の商品の様だ。
「ウォ、ウォーターサーバーですか?!一体いつ契約したんですか?」
私の言葉に、数秒遅れで美紀が驚いたような声を上げて私に尋ねた。
「実は、四月にウォーターサーバーの一年契約無料ってのが、商店街の福引きで当たったんだよね。私の実家にもウォーターサーバーがあって、愛用してたからこの機会に一年契約頼んだんだ。もし良さそうなら、来年からも契約更新しようと思っているよ。」
「…それは、凄いですね。」
美紀は私の話を聞いて驚いた顔でそう言った。
「では、私はお水でお願いします。食事の時は基本お水しか飲まないので。それにしても、ウォーターサーバーの一年契約が当たるなんて、本当に美香は運が良いですね。」
藍野言う通り私はとても運が良い。超高校級の幸運だから当たり前だが、この世界では私の力は異質らしい。まだ美紀や藍達には不信感を持たれていない様だが、いつか不信感を持ったら二人は離れて言ってしまうのかもしれない。
そんな不安を掻き消す様に私は少し大きな声で笑い、話題を元に戻した。
「あはは、確かに私はちょっと運が良いのかもしれないね。美紀ちゃんはどうする?」
「私もお水でお願いします。」
私はウォーターサーバーから水を持ってきて、二人に配った。そして最後に自分の分を注いで席に着いた。
「それじゃ、いただきます!」
私が手を合わせると二人もそれに続いた。まずは切り分けられたガレットを取り皿に乗せ、一口食べる。
うん、美味しい!
外はパリパリで中はチーズとじゃがいもがトロッとしていて、香ばしい香りが鼻を抜ける。
「お、美味しい…この世にはこんなに美味しいものがあるなんて。」
「そうですね。初めて食べましたが、とても美味しいです。」
「良かった。口に合ったみたいで安心したよ。」
美紀と藍は頬を緩めて幸せそうな顔をしている。
それから私達は食事を楽しんだ。サラダのドレッシングやスープ、そぼろ丼も二人は美味しいと喜んでくれた。私は誰かの為に料理を作ったのは久々なので少し不安だったが、二人の笑顔を見る事が出来て心の底から良かったと思った。
その後、私の料理に御礼を返したいからと、美紀と藍が洗い物を行うと言い、全ての食器を持ってキッチンに行ってしまったので、私はテーブルを布巾で拭いてから、のんびりと過ごしていた。
その後、一時間くらいの間勉強を続け、勉強会は終了した。
「今日はありがとうございました。とても美味しかったです。」
「うん、本当に美味しかったです。ありがとうございます、美香ちゃん。」
二人が私にお礼を言い、感謝を述べる。私は二人の為に料理を作れて良かった。だから、その気持ちを伝える事にした。
「私の方こそありがとう。良かったら、また二人を読んで晩餐会をしたいな。」
「そうですね、また誘ってくれたら嬉しいです。」
「今度は私もお手伝いしたいです。」
そんな言葉を貰って、私の心は温かくなった気がした。
皆さん、ようやく投稿出来ました。
今回の話は、主人公が今回行った事に関する総まとめの様なものです。
葛城が何とか生徒会入りを果たし、主人公に借りを返す事を改めて宣言したり、坂柳が宣戦布告したり、神崎が鋭い推理を披露したりしました。
色々内容盛り沢山ではありますが、綺麗な形でトラブルを解決出来たのではないかと思っています。
前世については、初めて苗木と出会った時の事を書いておきたかったので、今回前世の夢として描かせて頂きました。
ちなみにこの時、主人公は自分が苗木に対して宜しくない感情を抱いている事に気付いていません。
それが嫉妬や妬みなのだという事は知らず、自分が希望ヶ峰学園に入学しなかった事を良かったと思っていますが、これも全くの勘違いです。
主人公、バリバリ苗木に嫉妬してるし妬んでます。
だけど、同じ組織になるし主人公も自分の感情に気付いていないので、特に復讐をしようとかそういう気持ちはありません。
どこかで堀北会長視点の話も入れたいですね。堀北会長、Cクラス視点、坂柳視点、坂柳派の話…これは書きたいと思っています。
今後についてですが、明日からは無人島試験編を投稿しようと思っています。
それでは皆様、また明日お会いしましょう。
追記→アンケート補足情報についてです。
①リーダーグループ
メンバー→葛城、一之瀬、龍園、櫛田、平田、堀北
②参謀グループ
メンバー→町田、橋本、神崎、金田、平田or櫛田
③おバカ(?)グループ
メンバー→戸塚、石崎、山内、池
④仲良し三人組グループ
メンバー→山村、森下、主人公
⑤坂柳派グループ
メンバー→橋本、鬼頭、神室
⑥葛城派グループ
メンバー→葛城、戸塚、町田
⑦葛城派、坂柳派混合グループ
メンバー→葛城、町田、橋本、神室
干支試験、主人公はどのグループに入って欲しいですか?(グループ詳細は8話後書きに記載しておきます。)
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リーダーグループ
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参謀グループ
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おバカ(?)グループ
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仲良し三人組グループ
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坂柳派グループ
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葛城派グループ
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坂柳派、葛城派混合グループ