トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
マチカネフクキタルの部屋。
「う~ん、ふむふむ……」
マチカネフクキタルはベッドに腰かけて占いの本を読んでいた。
「『5月22日生まれのあなた。今日は予想外のことに出くわしてしそう。ラッキーアイテムは制汗剤。さわやかな香りが気分を高揚させるでしょう』……ですか」
誕生日占いを読んだマチカネフクキタルは以前お店に行った時に何気なく買った、ポケットサイズの招き猫型の制汗剤をポケットに入れた。
数時間後。
この日、マチカネフクキタルは自身のトレーナー(以下フクトレ)から「今日は気分転換と筋力・瞬発力・反射神経の向上を兼ねてミット打ちをしよう!」とと学園内のトレーニングジムに足を運んでいた。
「はぁ……はぁ……はぁ…………」
「はぁ……はぁ……よ、よし……少し休憩にしよう」
ジャージに着替え、フクトレのミットに
「……、……、どうぞ」
「……あ、ありがとうございます……トレーナーさん!」
肩で息をしながらちょうどよく冷えたペットボトルのお茶を自分に渡すフクトレに、同じように肩で息をするマチカネフクキタルは受け取りゴクゴクとお茶を飲み干す。
「しかしあれだな。これから夏に向かっていくとはいえ、5月とは思えない暑さだな、今日は」
お茶を飲みながら語るフクトレにマチカネフクキタルは「確かにそうですね」と返す。
「そういえば天気予報では例年よりも早く夏日を観測したってニュースでやっていましたよ」
「へぇ、そうなのか。最近ニュース見てなかったから知らなかったよ。そりゃあ暑いわけだ」
そんなことを話しながら休憩を終えると二人は再びトレーニングを始める。そして
「よ~し、もうそろそろ時間だし今日はここまでにしよう。お疲れ様」
「こちらこそありがとうございました、トレーナーさん」
頭を下げるフクトレと同じように頭を下げるマチカネフクキタル。その後二人は自分たちが使用した器具や床を掃除。後は各々部屋に戻るだけになった。
「それじゃあな。ゆっくり身体を休めるんだぞ」
「……ちょっと待ってください、トレーナーさん」
そう言って別れようとするフクトレに、マチカネフクキタルは鼻をすんすんと鳴らした。
「え、な、何……?」
担当バに匂いを嗅がれて困惑するフクトレにマチカネフクキタルはズバリと言う。
「トレーナーさん、言いにくいのですが……臭いますよ」
「えぇ!?」
教え子のド直球の言葉に動揺するフクトレにマチカネフクキタルはあることを思い出す。
「そうだ!私、制汗剤をもっているんです!これをどうぞ」
マチカネフクキタルは鞄から今朝入れた招き猫型の制汗剤をフクトレに手渡す。
「あぁ、ありがとう!」
フクトレが首に制汗剤をふりかけ、脇にふりかけようとジャージーのファスナーを下ろした、その時だった。
「うっ!?」
マチカネフクキタルは見てしまう。普段はシャツやジャージに隠れて見えなかった、フクトレの引き締まった二の腕、白いインナーシャツの隙間から見える筋肉質な胸板を。マチカネフクキタルは今朝見た占いの内容を思い出す。
『5月22日生まれのあなた。今日は予想外のことに出くわしてしそう。ラッキーアイテムは制汗剤。さわやかな香りが気分を高揚させるでしょう』
「こ、これは予想外……そして気分の高揚を通りこして……!?」
ブシュウウウウウウゥゥゥゥゥゥッッッッッッ!!!!
マチカネフクキタルの鼻から大量の赤い噴水が天井に向かって噴出された。
「ふ、フクキタルっ!?」
「…………」
フクトレに抱きかかえられ医務室に向かうマチカネフクキタルの顔はどこか嬉しそうだった。