トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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ゴールドシップが考える幸運の女神像

 ゴールドシップのトレーナー(以下ゴルシトレ)の部屋。

 

 パリィィィンンンッッッ!! 

 

「な、何だ!?」

 飛び散るガラスの音にシュタッ! と綺麗に着地する学生服のウマ娘、ゴールドシップがゴルシトレに振り返る。

「なぁ、トレーナー。幸運の女神ってとんでもないド変態だと思わねぇか?」

「……は?」

 突然窓を突き破って侵入し、何事もないように尋ねるゴールドシップにゴルシトレは呆れた。

(窓を突き破って部屋に入ってきた……というのはゴールドシップならやりかねないからいいとして……)

 後で後片付けしないとな、と他人事のように考えたゴルシトレは『幸運の女神』と『ド変態』という出会うことのなさそうな二つのワードに首を傾げる。

 その反応を予想していたのか、ゴールドシップは「ふぉ、ふぉ、ふぉ。では説明してやろう……」と一瞬で白髪に白ひげを蓄えた博士風のコスプレをすると、一瞬で再び学生服に戻る。

(……コスプレした意味は?)

 そんなゴルシトレの疑問を無視してゴールドシップは口を開く。

「トレーナー。『幸運の女神には前髪はない』ってことわざがあるのは知ってるか?」

「あぁ。幸運の女神には前髪しかないので、向かってくる時はどんなことがあっても掴まないといけないって感じだろ? 

 あと意味はチャンスは一瞬しかないからチャンスがきたら『どうしようかなぁ~』とか躊躇(ちゅうちょ)せずに挑戦するべき、という感じの」

「そう、前髪の所だ!」

 ゴールドシップはゴルシトレにビシッ! と指さす。

「幸運の女神ってやつは前髪しかない。だから通り過ぎた後に掴もうとしても掴めない。でも実際にそんなことあり得るか?」

「え?」

 何が言いたいのかわからず大量の『?』を浮かべるゴルシトレにゴールドシップは続ける。

「だってよ。掴める所なんていくらでもあるぜ? 例えばゴルシちゃんなら帽子、後ろ髪、制服、手、足……ほら、いっぱいあるだろ!」

「あぁ……確かに」

「でも幸運の女神ってやつには前髪しか掴める所がないんだろ? つまり──」

 右手を上げて見る者の視線を引きつけ注目させかつ緊迫感を(あお)る顔つきで語るゴールドシップの言葉にゴルシトレは驚愕する。

 

「幸運の女神ってやつは、前髪しか生えていないハゲで服を一切身につけていない上にウナギのようにヌメヌメの液体を分泌して掴むことが出来ない特殊体質の変態露出狂だったんだよ!!」

「な、なんだってー!?」

 

 ゴールドシップのトンデモ発言にゴルシトレは瞠目(どうもく)し驚きの声を上げた。

 

 




劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』公開おめでとうございます。
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