トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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カワカミプリンセス誕生日回。


カワカミプリンセスとじゃんけん

 カワカミプリンセスのトレーナー(以下プリトレ)の部屋。

 

「ごちそうさまでした!」

「ごちそうさまでしたわ!」

 

 プリトレとカワカミプリンセスが食した食べ物の命に敬意を表し手を合わせて頭を下げる。

「ふふ、トレーナーさんの料理は本当に美味しいですわ! 食堂の料理も大変美味(びみ)ですが私好みの味付けを完璧に合わせたトレーナーさんの手料理が世界で一番美味ですわ!」

「ははっ! そう言われると照れるなぁ~!」

 エアグルーヴのトレーナーやダイイチルビーのトレーナーなど他の料理上手なトレーナーを頭に思い浮かべ「あいつらと比べるとなぁ……」と思いつつも、大切な教え子に世界一と誉められまんざらでもないプリトレは自分で自分の頭を()でる。

「じゃあ、食器洗っておいてね」

 

「え?」

 

 プリトレの言葉にカワカミプリンセスが固まる。

「トレーナーさん、なぜ私が洗わないといけないのですか?」

「い、いや……料理を作ったのは俺なんだから洗い物はそっちが……」

「いえいえ。もちろんトレーナーさんの手料理には感謝しておりますわ! しかし今日はトレーナーさんが『俺の部屋で料理食べないか?』とおっしゃったからご馳走になった。つまり私はお客さん。お客さんが食器を洗う通りはございませんわ!」

「何を!」

「トレーナーさんこそ!」

 二人は机を挟んでいがみ合う。

「よし、なら──」

「腕相撲ですわ!」

 ドンッ! と机に右腕を置くカワカミプリンセスに「ちょっと待て!」とプリトレが止める。

「力勝負だとどう考えてもお前が勝つだろう。ここは公平にじゃんけんで決めるとしよう」

「……う~ん、仕方がありませんわ」

 そう言ってカワカミプリンセスは右腕を引っ込める。

「じゃあ、いくぞ!」

「よろしいですわ!」

 二人は右腕を振り上げる。

 

「「最初はグー! じゃんけん……ポン!」」

 

 二人の拳が出される。プリトレがグーに対し、カワカミプリンセスはチョキだった。

「ふっ、俺の勝ちだな。じゃあ約束通り洗い物は──」

「なぜチョキがグーに負けるのですの?」

「え?」

 突然のトンデモ発言にプリトレは思わず聞き返す。

「いや、グーは石だろ? で、チョキはハサミ。ハサミでは石は切れずに刃が欠ける。だからチョキはグーに負ける。だからグーの俺が……え?」

 プリトレのグーをカワカミプリンセスのチョキが挟み込む。次の瞬間

 

「ギャアアアアアアァァァァァァッッッッッッ!!!!」

 

 万力で締め付けられたような痛みにプリトレは顔をゆがめる。同時にプリトレのグーの指が(ほど)け、パーに似た形になった。

「トレーナーさん、覚えておいてくださいね。この世には石をも断ち切るハサミがあるということを」

 そう言うとカワカミプリンセスは席に戻るとコップにお茶を注ぎ飲み干した。

 

 

 




先週は残業に親の用事に駆り出され、地獄でした(;^_^A
小説を楽しみにしていた方がいられましたら、ごめんなさいです。
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