トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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ものまね芸バ座のメンバー紹介
・トウ(ちから)イテイオー
 トウカイテイオーのそっくりさん。座長を務める。
 ヒミツ①年齢は最長の3〇歳で化粧にかける時間が一番長い
 ヒミツ②子沢山で腰痛など身体のあちこちが悲鳴をあげている。

・メジロパックイーン
 メジロマックイーンのそっくりさん。副座長を務める。
 ヒミツ①トウ(ちから)イテイオーに次ぐ古参のため、彼女の次に化粧にかける時間が長い
 ヒミツ②大食いは出来るが甘いものはダメなため、ショーで食べるお菓子はシュガーレス。

・サイレントシズカ
 サイレンススズカのそっくりさん。
 ヒミツ①身体の一部がサイレントでもシズカでもないため、キツめのサラシを巻いている。
 ヒミツ②ショーの終わりはグッタリしていることが多い。

・スペシャルWeak
 スペシャルウィークのそっくりさん。
 ヒミツ①バスト・ウェスト・ヒップ・身長・体重は日本の成人女性の平均。
 ヒミツ②高校の成績表はオール3で特に弱点らしい弱点はない。

・ヒガシノフラワー
 ニシノフラワーのそっくりさん。
 ヒミツ①身長を低く見せようと足を曲げたり背中を丸めたりしている。
 ヒミツ②不自然な体勢をしているため肩こりなどに悩まされている。

丸善(まるぜん)スキー
 マルゼンスキーのそっくりさん。
 ヒミツ①丸善は掛け持ちしている地元で愛される定食屋『丸善』から。
 ヒミツ②常にギャル語が記されたノートを持参している。

・ナイスネーチャン
 ナイスネイチャのそっくりさん。
 ヒミツ①ネーチャンとあるが実は最年少の18歳。
 ヒミツ②料理は苦手で冷凍食品が命綱。

・シンボリルドル(ふう)
 トウ(ちから)イテイオーにスカウトされた、シンボリルドルフのものまねをする新人そっくりさん。今後の活躍に注目。
 ヒミツ①一度見た相手の顔は忘れない。
 ヒミツ②ハンコをいかに垂直&綺麗に押せるか挑戦するのが書類仕事中の密かな楽しみ。



ウマ娘そっくりさん大集合!(シンボリルドルフ登場)

 ものまね芸バ座。

 ウマ娘が好きで、ウマ娘のように多くの人を幸せにしたいという思いを持った人達が作った、ウマ娘のそっくりさんで構成された組織である。

 その楽屋でこの後行われる公演に向けてそっくりさん達が準備や確認に勤しんでいた。

「はい、注目!」

 楽屋に響く手を叩く音に、全員が責任者である座長を務めるトウカイテイオーのそっくりさん、トウ(ちから)イテイオーに視線を向ける。

「この後行われる公演が始まる前に紹介したい人がいる。入ってきて……」

 その声に促され、一人の女性が姿を現す。その姿に全員が一瞬、呆気(あっけ)に取られる。現れた女性はクリスマスツリーのコスプレをしていたからだ。

「シンボリルドルフのそっくりさんをしているシンボリルドル(ふう)だ。よろしく頼む」

 現れた女性はシンボリルドルフそっくりな声で自己紹介をする。その堂々とした態度にその場にいた全員が生意気な、という悪印象ではなく「役にのめり込んでいるんだ」と感心する。

「うわぁ、すごい!」、「本物みたい!」

 楽屋のあちこちで歓声が上がる。

「うわぁ! この尻尾……光沢があってツヤツヤしていて……」

「耳なんかも作り物の感触じゃない……ねぇ、どこで買ったんですか?」

「こらっ! 勝手に触るんじゃない!」

 トウ(ちから)イテイオーの怒声に、シンボリルドル風に触っていた女性達は慌てて「ご、ごめんなさい!」と離れる。

「ごめんなさい。ルドル風さん……」

「商売道具をあんな風にベタベタ触って……」

 自分達も商売道具である備品を触られたら怒る。その意識があってか触った二人は触れてはいけないものに触れてしまったと言わんばかりに悲しい面持ちで頭を下げる。

「大丈夫だ……じゃなくて大丈夫です。気にしないで下さい」

 自分は新人なのだからと言葉遣いを改めたシンボリルドル風は顔を上げるように(うなが)す。

 その新人らしからぬ堂々とし、かつ優しい態度に周囲の心の距離は一気に縮まった。

 公演が始まるまでの間

 

「しかし、ルドル風さんって本当にシンボリルドルフそっくりだよね! やっぱクリスマスツリーの恰好にしたのは勝負服だと似すぎて緊張しすぎるから?」

「ねぇ、やっぱりルドル風さんの最推しってやっぱりシンボリルドルフ?」

「ルドル風さんってシンボリルドルフ以外にものまねって出来ないの? 試しにやってみてよ!」

 

 と先輩そっくりさんは新人に質問などをしていく。

 そうこうしているうちに公演の時間が始まる。

 最初に座長であるトウ(ちから)イテイオーの「皆様、本日はウマ娘を愛し、彼女たちのようになりたいと思い集まったものまね芸バ座にお越しくださいまして本当にありがとうございます……」という挨拶から始まり挨拶が終わると、ウマ娘のそっくりさんが舞台に現れる。

 

「あげません……あげません!」

「スぺちゃ~ん……」

 

 まるで親の仇でも見るかのような鬼気迫る表情で言い放つスペシャルウィークのそっくりさん、スペシャルWeakにサイレンススズカのそっくりさん、サイレントシズカがテストでサイコロを使いだしたスペシャルウィークを嘆いた時のような涙目で言う。

 その後テーブルに置かれた大量のお菓子(シュガーレス)を瞬く間に食べきるメジロマックイーンのそっくりさん、メジロパックイーン。背中や足を曲げて出来るだけ背を低くしようとしながらダンスをするニシノフラワーのそっくりさん、ヒガシノフラワー。(つたな)い口調で今では死語になったギャル語を連発するマルゼンスキーのそっくりさん、丸善スキー。チアの恰好でダンスをするナイスネイチャのそっくりさん、ナイスネーチャンが舞台へ上がっていく。そして

「みんな~! お待たせ!」

 舞台裏に下がったナイスネーチャンに代わってトウカイテイオーのそっくりさん、トウ(ちから)イテイオーがテイオーステップで舞台に現れる。

「みんな、僕のために集まってくれてありがとう! これからも応援よろしくね! それじゃあ会長に負けないくらい、みんなを驚かす……え?」

 

「勝利を! この手に!」

 

 シンボリルドルフの曲、『SEVEN』の出だしと共にマイクを持ったシンボリルドルフのそっくりさん、クリスマスツリーを着たシンボリルドル風が舞台に現れる。

 似すぎる顔立ち。似すぎる歌唱力。本人が登場したかのような演技力に観客達は一瞬無言、そして割れるばかりの喚声をあげる。

 

「うわぁ、すごい……」、「本物みたい……」、「え、新人……だよね?」

 

 楽屋裏のモニターから先輩そっくりさん達が言葉を漏らす。

 魅了された観客の前でシンボリルドル風は『SEVEN』を熱唱。歌い終わると至るところで最大級の拍手とアンコールの声が飛び交う。

「みんな! ちょっと待って!」

 トウ(ちから)イテイオーが観客に向かって静かにするようにゼスチャーをするとシンボリルドル風の方へ振り返る。

「え、まさか……本物の会長!?」

「いや……残念ながら私はシンボリルドルフのそっくりさん、シンボリルドル風だ」

「な~んだ。感激して損しちゃった」

 ぷ~と頬を膨らませるトウ(ちから)イテイオーに観客席からも「な~んだ、偽物かよ」、「でも言われなかったら本人だと思うくらい似てるよな」という声が漏れる。

 その後トウ(ちから)イテイオーがリードする形でシンボリルドル風とトーク。シンボリルドルフが言いそうなシンボリルドル風のダジャレにトウ(ちから)イテイオーが苦笑いを浮かべる、という寸劇に観客席から笑い声が至る所で起こる。そして

「それではトウカイテイオーのそっくりさん、トウ(ちから)イテイオーと」

「シンボリルドルフのそっくりさん、シンボリルドル風でした」

 と観客席に頭を下げると二人は舞台裏に下がっていた。

 観客は満足した様子でものまね芸バ座を後にした。そしてその多くはまるでシンボリルドルフ本人かのような演技力を見せた新人、シンボリルドル風の今後の期待に胸を膨らませた。

 

 

 観客、そして座長のトウ(ちから)イテイオー以外のメンバーは知らなかった。シンボリルドルフのそっくりさん、シンボリルドル風がシンボリルドルフのものまねをした本物(・・)のシンボリルドルフだということを。

 

「お忍びで来てみれば……まさかワシの最推し、シンボリルドルフちゃんに会えるとは……! これぞまさに僥倖(ぎょうこう)……!」

「いやぁ、まさかウマ娘への愛に満ちたものまね芸バさんの中にご本人が登場とは……まさか、とは思いましたが彼女だったらやりそうですね」

 とある大企業の会長を務める老人と熱狂的なウマ娘ファンクラブの会長を務める大学生を除いて。

 

 

おまけ たまたま見たナイスネイチャの感想。

「いやぁ~、ターボたちと一緒に気分転換で芸バさんたちのものまね見させてもらったんだけど……シンボリルドル風さん、マジで面白かったわ。トウ(ちから)イテイオーさんとの絡み、マジで本物かと思ったよ。一瞬「え、本物!?」って思ったけど……まさかあの会長がものまね芸バさんに混じって本人のものまねするわけないよね……」

 




元ネタは水曜日のダウンタウンで放映された「ものまねショーに本人がそっくりさんとしても意外と気づかれない説」です。

X JAPANのToshlさんの演じるトシ郎、マジで面白かったです。
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