トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
元ネタ
ドリフ大爆笑 お礼参り
配役
いかりや長介(教師)→グラスワンダー
志村けん(不良1)→スペシャルウィーク
加藤茶(不良2)→エルコンドルパサー
髙木ブー(不良3)→セイウンスカイ
仲本工事(不良4)→キングヘイロー
卒業式。
ガラの悪いファッションに身を包んだスペシャルウィークが女子トイレに入ると個室のドアを一つずつ開けて誰もいないことを確認する。
フュ~イッ!
外に向けて口笛を鳴らすと「ほらほら」、「さっさと中に入るデース!」、「グズグズしない!」とセイウンスカイ、エルコンドルパサー、キングヘイローに囲まれ、小突かれながら渋々女子トイレに入るビシッとしたスーツで身を固める女教師、グラスワンダーの姿があった。
スペシャルウィーク、エルコンドルパサー、セイウンスカイ、キングヘイローはグラスワンダーが逃げないように両脇を固めながら絡む。
「先生さぁ、成績のいい生徒ばっか
「散々私たちを可愛がってくれましたねぇ! このキングがお返ししてあげるわ!」
「……あ、あの依怙贔屓って……それは貴女たちが努力をしなかったから」
「努力をしてこなかった?」
グラスワンダーの言葉にスペシャルウィークが目を見開く。
「0点が4点に変わったんですよ、それでも努力をしなかったって言うんですか!?」
そう言ってブンブンッ! と振り回したヌンチャクを地面に叩きつける。体育館で卒業式を行っている生徒や先生にまで届くのではないかと、思わず耳を塞ぎたくなる音が女子トイレに反響する。
「先生、財布出すデース!」
ちょ、何をするの!?」
抵抗しようとするグラスワンダー。しかし多勢に無勢、懐に大事に閉まっていた長財布はスペシャルウィークに奪われる。
「うわ~、これだけしか入ってないですよ!」
財布を中を覗き込んだ「ハハハハハハッ!」と三人が嘲笑する。
「あ、その時計はいいやつっぽいですね!」
有無を言わさずエルコンドルパサーはグラスワンダーの腕を掴むと素早く時計を外して自分のポケットにしまう。
「……皆さん。私は悲しいです。……私は皆さんに泥棒の真似事を教えたことなど──」
「違いますよ」
グラスワンダーの言葉を、ガンを飛ばすスペシャルウィークが無理やり止める。
「『泥棒の真似事』じゃなくて、泥棒そのものなんですよ!」
「じゃあ今度は」
「そのお堅いスーツをいただくとしましょうか!」
セイウンスカイとキングヘイローの言葉にグラスワンダーはぎょっとする。しかし「早くしないと痛い目見ますよ?」、「さっさとするデース!」と武器をちらつかされてはグラスワンダーに抵抗できる理由はなかった。
目に涙を浮かべ「なぜ、こんな事に……」と呟きながらスーツを脱ぎ、下着姿になる。
その姿にニヤニヤとしながらスペシャルウィークは言った。
「ふふっ、もう私たちの気は晴れましたから行っていいですよ」
そう言って顎で「もう解放してやるから外に行け」と指示を出す。
「そうですか、では……」
そう言ってグラスワンダーは出入り口に向かう。四人が嘲笑しながらグラスワンダーの背中をふと見た時
『ッッッ!!??』
四人全員がビクッ!? と身体を震わせ後ずさった。グラスワンダーの背中には巨大な
「あ、ごめんなさい」
振り返り近づくグラスワンダーに四人は後ろに飛んで壁にぶつかる。
「……時計がないと時間がわからないから……明日まで貸してもらえる?」
「えええ、も、ももももちろんです!? エルちゃん!!」
歯をガタガタと鳴らしながらスペシャルウィークがエルコンドルパサーに時計を出すように小突く。ブルブルと震える中、エルコンドルパサーは四苦八苦しながらポケットに入れた時計をグラスワンダーに向けて両手で差し出す。
「それじゃあ、元気でね」
グラスワンダーは周囲に誰もいないことを確認すると、見つからないようにそさくさと女子トイレを後にした。
『う、う、う……うわああああああぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!』
四人はグラスワンダーへの恐怖と安堵でお互いが抱き合うように身体を密着させ、その場にへたり込んだ。