トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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今回はウマ娘ではなく今上映されている劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の宣伝みたいな内容です。

それでも良ければ読んで頂けると幸いです。



小槻は劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOMを見るようです

 2024年1月26日昼。

 一日外出券を使い外に出た小槻(おつき)馬太郎(うまたろう)は公園のベンチで目を覚ます。

「「うう、日がまぶしいなぁ……ん?」」

 声のした方へ首を向ける。そこには深いしわが刻まれた男が小槻と同じような顔で小槻を見ていた。

(……この人はワシと同じ皇恋(こうれん)の強制労働施設で働くC班の小田原さん。ワシの商売敵であり同じウマ娘ファン。そしてワシと同じ……ッ!?)

 小槻は勢いよく立ち上がるとある場所に向かって走り出す。

「待て、小槻!」

 出遅れた小田原も後を追うように走り出す。

 二人が向かう先。それは映画館だった。

 小槻と小田原。二人は班長特権を利用して他の債務者からマニカを奪い合う商売敵であり、ウマ娘ファンであり……ガンダムファンでもあった。

 商売敵ということもあり二人は何かと張り合うことが多くガンダムに関してはクイズや雑学を披露。知らなかったり答えられなかったりすると「え~、それでもガンダムファン?」と言って罵り合うという周りから見れば不毛な戦いを長年演じてきた。

 そんな二人はある情報を聞く。それは2002年に放映が開始された『機動戦士ガンダムSEED』と2004年に放映されSEEDの続編となる『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』から20年の時を()て公開された新作『劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』がこの日から上映されるというものだった。

 ことの発端は小槻と小田原が不毛なガンダム知識合戦を繰り広げた時のこと。その話を聞いていた黒服が「そういえば新しく劇場版で公開されるという話を聞いているか?」と言ったことだった。

「え?」

「それ、本当ですか!?」

 二人は鳩が豆鉄砲を食ったような顔で黒服を見る。強制労働施設は逃走防止などの観点から外への移動・外部からの情報は大きく制限される。ウマ娘の大ファンである馬数寄(うますき)孝和(たかかず)の計らいでウマ娘の情報こそは自然と入るものの、それ以外の情報は全て厳しい検閲・規制が入るため外で何が起きているか知らないのは当然だった。

 それは一日外出券を使って他の債務者よりも外の世界に出入りしている小槻も例外ではなかった。

 

 ガンダムファンとして。そして……小田原(小槻)にマウントを取られたくない! 

 

 そう思った二人はすぐさま公開日に合わせて一日外出券を使用。相手にネタバレされたくない一心で映画館に向かう。しかし

「申し訳ございません。お取りできる時間が19時45分以降しかありませんが……」

 男性係員の言葉に二人はショックを受けるが

「じゃあ19時45分で!」

「わ、私も!」

 と気を取り直して予約をする。

「「…………」」

 ブスッとした顔で二人は映画館を出る。視聴まで6時間あまり。二人は顔を合わせる。

「とりあえずは……」

「休戦、になるな……」

 そう言って二人は互いに背を向けてどこかへと歩き出す。

 ぐぅぅぅっ~! 

「お、そういえばワシ。まだ昼飯をすませてなかったな……」

 腹の鳴るお腹を抑えながら小槻は周囲を見渡す。

「お、よさそうな店があるな。よし、ここで昼食をすませるとしよう」

 小槻は入店しメニューを開くと『店のおすすめ』と大きく書かれたものを注文する。その直後だった。

 カランカランッ

 ドアについたベルと共に店に入る三人の若者。その若者を見た瞬間、小槻はゾワッとするものを感じた。

(何だ、この感じは……? 何か良くないことが起こるような、そんな感覚は……? というかあの若いやつら……どこかホワホワとしてないか? まるで……何かについて話したくてウズウズしてる……そんな感じが……)

「……いや杞憂(きゆう)だ」

 一日外出の基本は取り乱さないこと。自身の鉄則を思い出し出された水に口を含む。しかし、その疑いが杞憂でなかったことを小槻は思い知る。次の若者の言葉によって。

「いやぁ、FREEDOM……良かったわ!」

 

 ブウゥゥゥゥゥゥッッッ!! 

 

 FREEDOM。その単語を聞いた瞬間、小槻は口に含んでいた水を一気に噴き出した。

「お、お客様!? 大丈夫ですか!?」

 慌てて布巾を持ってくる店員に小槻は「申し訳ございません」と謝る。

 何だあのおっさんと小槻を見た後、若者達は話を再開する。

「『運命(機動戦士ガンダムSEED DESTINYの別称)から20年たってから新作ってバカなの?』と言った過去の自分をぶん殴ってやりたいわ、今思うと……」

「しょうがないって。普通20年もたって続編やるって普通は考えられないって。20年もたっていれば声優さんだって亡くなっているというのも普通にあり得るし」

「とりあえず先にメニューを決めようぜ。注文が決めた後からでも話すことだって出来るんだし」

(ま、まずい!?)

 小槻は映画だけでなくドラマや漫画・小説でもネタバレはされたくない人間である。いがみ合う小田原からネタバレされるのは嫌だが、だからといって他の人間からネタバレされるのも嫌だった。

「す、すみません! 注文キャンセルで!!」

 店員にそう告げると小槻は慌てて店を出た。

「ふう~」

 汗を拭い店を振り返る。

「ワシとしたことが……映画館から近い店に入ればああなることは目に見えたはず……まあ店の外に出たら──」

 

「あぁ、竜間(たつま)? どうしたの? え、今日から上映されるガンダム? 見た見た! 今さっき見た。すげぇ、おもしろかったよ!」

 

「ッ!?」

 電話に出る男の声に小槻は焦る。

(しまった! 今『劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は旬! いつどこで話題が出てもおかしくない!)

 小槻は「でよ、どこが面白いかと言われたら……」と男が先を言う前に慌ててその場を立ち去る。

(店にいては会話からネタバレの恐れが出る……)

 そう考えた小槻はコンビニで周囲を警戒しながらおにぎりとお茶を購入。路地裏で「なぜワシはこんな所でこんな寂しいメシを食わねばならんのだ!」と愚痴りながら食事を終えると静かな場所を求めて街をさまよう。しかし人々の会話だけでなく街頭のテレビ、どこから流れるラジオ……情報が制限された強制労働施設と違いネタバレという地雷・砲弾は小槻の周りに容赦なく襲い掛かる。

 それでも必死に耐え19時30分。

 息を切らせ大量の汗を流しながら映画館前にたどり着くと

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 同じように息を切らせ大量の汗を流す小田原の姿があった。

 

「「……ふふ、ふふ……ははははははっ!!」」

 

 互いの姿を見て二人は笑った。別れてから再び映画館の前で出会うまで何があったか察したからだ。

「……いくか、小槻」

「行きましょうか、小田原さん」

 二人は席に着き売店で買ったジュースで乾杯をする。

 館内でのマナーや注意の放送が流れ予告映画が流れる。

 そして始まる最高のネタバレの時間に、二人は心躍らせた。

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