トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
2月13日。中央トレセン学園 調理室。
「ふふふ~ん、ふ~ん! …………」
スマートフォンでとある動画サイトを音楽を聴きながらヒシアケボノは鼻歌を歌っていた。目の前には明日のバレンタインでお世話になった人や親しいウマ娘にあげるために前もって作ったドーナツがあり、並べたドーナツに一つずつ
「ふうっ、これで完成だね!」
完成したチョコがけドーナツを可愛らしい袋とリボンでまとめると、手にしたハンカチで額にうっすらと浮かんだ汗をぬぐった。
「よし、今度は!」
ヒシアケボノは新たにチョコレートを取り出し、乾いたまな板の上に乗せてカット。カットしたチョコレートを湯煎し、チョコホイップを作り、前もって作ったホールケーキに溶かしたチョコをコーティングをしてチョコホイップなどを加えていく。そして
「出来た! ボーノ特製、愛情たっぷりチョコレートケーキ!」
感心の出来にときめかせながら、ヒシアケボノはケーキを入れる箱に完成させたチョコレートケーキを注意を払いながら入れて冷蔵庫に収める。
「あとは明日が来るのを待つだけ……ん?」
聴いていた音楽が終わり広告の動画が流れる。
『ウマ子さん。君のくれたチョコの方がウサ子さんがくれたチョコよりも大きかった。そこで気づいたんだ。ウサ子さんの愛よりもウマ子さんの方が僕への愛が大きかったって!』
『ウマ夫さん!』
そう言って抱き合う二人の男女。
「…………」
その動画をジッと見ていたヒシアケボノは調理室を後にした。その後、中央トレセン学園を中心にチョコレートというチョコレートが店から姿を消した。
翌日。2月14日深夜。
「ふう~! やっと終わった……」
ヒシアケボノのトレーナー(以下ボノトレ)は椅子から立ち上がり大きく背伸びをした。
ヒシアケボノとのトレーニングに熱中するあまり提出する資料が溜まりにたまり、必死にパソコンと向きあい作業をしていた。
「よし、あと少しで明日まで期限の
気合を入れて椅子に座ろうとした瞬間、建物が揺れる振動にボノトレは動きを止める。最初は気のせいか? と思ったボノトレだが、それを否定するようにズドンッ! ズドンッ! という音を伴って振動はより大きさを増す。そして
「トレーナーさ~~~ん!」
「え? この声は?」
ボノトレは窓を開ける。そこには大怪獣サイズのヒシアケボノが巨大な何かを持って立っていた。
何事だ!? と騒ぐ関係者をよそにヒシアケボノは語りかける。
「トレーナーさん。今日はバレンタインデーでしょ? だからトレーナーさんへの日ごろの感謝の気持ちをチョコに変えてみました。受け取って下さい!」
「お、おおお、おい、ヒシアケボノ!?……ま、待ってくれ!!」
ボノトレの制止もむなしく、超巨大チョコが入った箱はボノトレの部屋の壁を突き破った。
この騒動に追われてボノトレは明日までに出さなければならない資料の提出が間に合わず、そればかりかヒシアケボノがチョコレートを買い占めたことによる店への苦情対応と謝罪。関係各所に事故が起こった経緯と謝罪、壁の修繕費などに追われることになったのは言うまでもない。
なおボノトレが食いきれなかった巨大チョコはトレセン学園の生徒たち(主にOキャップ、Sウィーク、Rシャワー)によって全て食べられました。なおMマックイーンは減量中のため恨めしそうに見ていました。