トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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ハルウララの誕生日回。


ハルウララ、彗星になる

「う~むっ」

 ハルウララのトレーナー(以下ウラトレ)は食堂で腕組みをしながら考え込んでいた。

「どうした、ウラトレ。難しい顔をして」

 キングヘイローのトレーナー(以下キントレ)が色々なことが書かれたノートをジッと見ながら思案するウラトレのとなりにハンバーガーセットを載せたトレイを机に置いて座る。

「いやな。ハルウララは俺のトレーニングに精一杯こなしている。普通のウマ娘なら音を上げるだろうトレーニングに、な。にもかかわらず成績が伸び悩む。……これはどうするべきかと」

「……なるほどな」

 キントレはハンバーガーを食べると口についたケチャップを紙ナプキンで拭く。

「確かにハルウララは方針は違うがうちのキングヘイローに負けず劣らずのトレーニング量をこなしている。努力の量に関して言えば結果を出してもおかしくないといえる……一つ殻を破るという意味で提案すると」

「提案すると?」

『おかしくないといえる』の後に言いかけた『才能が……』という言葉を飲み込み、キントレは続ける。

「速い動きというのを体験させる、というのはどうだ? 速い動きというのを体験すれば自分がどのように身体を動かすべきか、また自分より速く動くというのがどういうものなのかを知れば身体の動かし方に良い影響を与えるかもしれない」

「……なるほど。確かにそうだ。ただその速い動きとやらをどうやってハルウララに伝えるのか、だ。速いウマ娘なんて実物でもビデオでも何度も見せたぞ」

「話は聞かせてもらった」

 

「「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!??」」

 

 突然の声と目を覆うほどの発光に、ウラトレとキントレが悲鳴をあげながら眩しさのあまり目を閉じる。

「……た、タキトレ、急に発光しながら会話に入るな!」

 数分後、目が開けられるほど視力が回復したウラトレは照度を低くしたアグネスタキオンのトレーナー(以下タキトレ)に怒りをあらわにする。

「いやぁ、すまない。ちょうどいい実験体……いや、今さっきの『速い動き』というのにうってつけの物を持っていてね」

「うってつけ?」

 実験体、という単語に疑問を持ちつつも藁をもつかむ思いでウラトレは尋ねる。

「これだ」

 そう言ってタキトレは鞄から真っ赤なシューズを取り出す。

「なんだ、これ?」

 シューズを指さしながら不審に思うウラトレに、タキトレは「よくぞ聞いてくれた!」と胸を張って説明する。

「これはアグネスタキオン特製、赤星〇広(レッドスター)。このシューズを履くと彗星(すいせい)と見間違える速さでグラウンドを駆け抜けた元阪神タイガースの選手のように素早く動けるようになる……らしい」

「……へ、へえぇ」

「……そ、そうなのか」

 いくら盗塁王のタイトルを5回も獲得したとはいえ、赤星(あかほし)憲〇(のりひろ)はそこまで速くないだろう、という突っ込みたい気持ちを抑えてシューズをジッと見るウラトレとキントレ。

「……まあ、ジムでは金メダリストの速さが出るランニングマシンを置いてある場所もあってそれを使って実際の速度を体験するというのもあるわけだし」

「それじゃあよろしく頼むな。あと礼はそのシューズがどうだったかレポートしてくれたらいいから」

 そう言ってウラトレにシューズを渡すと、タキトレはどこかへと消えていった。

 

 翌日。彗星のような速さで走ったハルウララがコーナーを曲がり切れず壁に激突。幸い壁の前にこんなこともあろうかと言わんばかりに誤ってどんな衝撃も分散する高性能のマットを運んでいたウマ娘が落としたマットが挟まったこともあり大けがにはつながらなかったが。

 

「タ~キ~ト~レ! どこ行った!?」

 

 悪鬼の表情でタキトレを探すウラトレが複数の関係者に目撃されたのは言うまでもない。




この話のヒミツ
タキトレが持ってきた赤星〇広(レッドスター)は元々作者が『僕、トラえもん』という阪神タイガースのマスコット、トラッキーに似たマスコットが阪神タイガースの選手にちなんだひみつ道具を取り出すという内容の放置した小説のアイテム。
ちなみに金本〇憲(鉄人兄貴)は使用するとメンタル、肉体共に銃弾をも弾き、飛行機の金属チェックにひっかかる鋼に変貌する。

トリビア
実馬のハルウララとポケットモンスター赤緑の発売日は共に1996年2月27日(ウマ娘 ハルウララ ピクシブより)。
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