トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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ウマ娘の固有演出って現在の技術では出来ないだろうぶっ飛んだものが多いような、という疑問から思いついた小説です。


中間管理職トネザワ~オーパーツ~

 皇恋(こうれん)グループ本社ビル最上階にある馬数寄(うますき)孝和(たかかず)のプライベートルーム『王の間』で、黒革の高級ソファーに腰かけた馬数寄は広げた手紙を読んでいた。

 

『こんにちわ、バンブーメモリーっス! 会長さん、いつもアタシたちにニンジンを始めとする美味しい野菜やお肉、お米など提供してくれてありがとうございますっス! 

 今回手紙を書いたのは最近ポイ捨てが目立ち学園の風紀が乱れているっス! これは風紀委員長として見過ごすことが出来ないっス! しかしアタシ一人では広大な中央トレセン学園を見るのは限界があります。どうしたらいいと思いますか!? 人生経験豊富な会長さんのアドバイスが聞いてみたいっス!』

 

「……おい」

「ハッ!」

 バンブーメモリーからの手紙を丁寧に閉じて封筒に収めると、馬数寄は脇に立っている黒服に言う。

利根澤(とねざわ)を呼べ」

 

 一時間後。

 皇恋グループ本社第三会議室。

 悲痛な表情をする利根川(とねざわ)幸雄(ゆきお)の緊急の召集に、急遽集められた部下達は不安そうな顔で上司である利根澤を見る。

「利根澤先生……。この度の緊急ミーティングは何かあったのですか……?」

 利根澤班の最年少、長曾我部(ちょうそかべ)秀吉(よしきち)が恐る恐る手を挙げて尋ねる。

「…………」

 利根澤は全員の顔をじっくりと見た後、重々しく口を開いた。

「実は少し前に会長に呼び出されてな……。手紙で中央トレセン学園に通うバンブーメモリーからポイ捨てが目立ってきたという相談を受けたらしい……」

「え、それが我々とどういう……?」

 誰かがポロッと口にする。しかし言葉にするかしないかで部下達の思う事は同じだった。そのことを理解した上で利根澤は本題に移る。

「会長から『学園のポイ捨てされたゴミがどうしたら無くなるのか……それを考えろ』と言われた。

 その言葉に全員が言葉を失う。「そんなことのために自分達はこの会議室に集められたのか?」という脱力感と「そんなことどうやってやればいいんだよ……」という困惑で。

「お前らの気持ちはよくわかる……。ワシだって同じ気持ちだ。だが会長の命令に我々が言っていい言葉は三つ。『はい!』か『Yes!』か『喜んで!』の三つだ……!」

 皇恋で馬数寄会長の言葉は神の言葉。逆らうことなど出来ないことを黒服達は知っている。それでも黒服達は唖然とするしかない。そんな部下達に声をあげる。

「ここで思考停止していても始まらん! 今必要なのは『何でそんなことを……』という疑念ではなく『どうしたらそれが出来るか?』という発想……! 何でもいい! バカげたものでもいい! 何か……何か案を上げろ! 時間(会長)は待ってはくれんぞ……! 生き残りたいのなら出せ! 案を……!!」

 その言葉に黒服達はハッ! と意識を切り替える。

「……で、では! ポイ捨てをした者に電流が流れる……というのはどうでしょう?」

「……確かに、おもしろい! しかしウマ娘に人一倍、いや何百倍と愛情を注がれる会長がウマ娘に被害が及ぶこと方法を許すとは考えられん。とりあえずそれは却下だ……」

「ではドローンで学園を監視するというのは?」

「……盲点、悪魔的発想! だが多数のドローンを飛ばすとなると景観の問題が出る。なのでこれは保留!」

 次々と案を出す部下に、利根澤は一定の評価を与え部下のやる気が落ちないように気を付けながら可能か不可能かを判断していく。

 その後学園内でポイ捨てを感知しどこにあるか風紀委員室に知らせる機械を皇恋グループ傘下の技術会社と開発。それによってポイ捨てされたゴミが放置されることがなくなり、それによって『風紀が保てるようになったっス!』と感謝されたと利根澤は会長からお褒めの言葉をいただいた。

 

 その後『会長からお褒めの言葉をいただけた祝いだ!』と会議室でささやかな祝賀会をする利根澤と黒服達は再び地獄を体験することになる。

『使うと人面草が生まれるペンがあったら嬉しいな!』、とマーベラスサンデーから手紙を馬数寄が受け取ったことで。

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