トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
後書きに謎の男の説明を載せてます。
感動系?
「おばあちゃん……」、「ネイチャおばあちゃん……」、「死んじゃいやだよ!」
薄れていく意識の中で、布団に横になったナイスネイチャは今まさに息を引き取ろうとしていた。
「私は幸せだ……家族に見守られながら死ねるなんて……」
次第に浅くなっていく呼吸。それに比例してまぶたも静かに沈んでいく。
「おばあちゃん、会いたい人はいないの!?」
孫の言葉にナイスネイチャは「会いたい人か……」と思い出す。
「タンホイザにターボ、イクノ……友達はみんな死んじゃった。私だけ長く生き過ぎた……やっとみんなに会える」
ネイチャ~! ネイチャ! ネイチャさん
(聞こえる。みんなの声が……あぁ、みんな。迎えにきてくれたんだ!)
ナイスネイチャのまぶたの裏に共に青春時代を過ごした、セピア色の中央トレセン学園のグラウンドに立つウマ娘たち。その顔をじっくりと見ながら一人ずつ名前を呼ぶ。
『タンホイザ、ターボ、イクノ…………あれ?』
黒い
『……え、っと……誰だっけ……?』
『
『え……葛原粕人?』
「う、う~ん……く、くずはら……かすと……」
「……く、葛原粕人?」
「え、おばあちゃん。その人に会いたいの?」
うなされるように呟いたナイスネイチャの言葉に、家族は「そんな人知っているか?」と尋ね合う。しかし誰一人『クズ!』や『カス!』と不名誉なあだ名で呼ばれそうな名前に覚えがなかった。
「ごめんなさい。知らないわ、その人。最後に食べたいものがあったら言っておばあちゃん……」
『葛原粕人さんはこの小説を書いている作者が書いているウマ娘とは違う二次創作のオリジナルキャラクターです』
眼鏡をクイッと上げながら説明するイクノディクタスにナイスネイチャは納得する。
『あぁ~、そんな無関係の人まで迎えにきてくれたのか~。ありがとうございます』
『葛原粕人さんはいい人ですよ。何でも相談してくださいな!』
無邪気な笑顔で
『じゃあ、好きな食べ物は?』
『ファイナル乳毛春巻き』
「ふぁ、ファイナル、乳毛春巻き……」
「え、おばあちゃん!?」
「何それ、知らないわ!? どんな食べ物なの!?」
初めて聞く食べ物に家族は顔を
『えっと。初めてお会いする人間にこう聞くのは何ですけど……葛原粕人さんは何が出来るんですか?』
『粕人はね! 何度も生き返った不死身の男なんだよ!』
本人が答えるのよりも先にツインターボが言う。その言葉に男は『いやぁ~、お恥ずかしい』と頬をかく。
『え、生き返る?』
ナイスネイチャは言葉を失った。冗談で言ったと思ったツインターボのとんでもない発言を男は否定しなかったからだ。
『……え。本当に生き返ることが出来るんですか?』
『やっぱりそうですよね。じゃあ論より証拠、貴女を生き返らせてみせましょう』
そう言うと男は腰に下げていた刀に手を掛ける。
『ちょ、ちょっと!?』
『ハァッ!!』
『ギャアアアアアアァァァァァァッッッ!!??』
避けるどころか指一本動かす時間もなく、ナイスネイチャは男の居合切りで斬られた。
「…………」
医者はナイスネイチャの脈や
「……先生。おばあちゃんは?」
「…………ご臨終です」
首を左右に振る医者にある者はその場で泣き崩れ、ある者は息を引き取ったナイスネイチャにしがみつく。次の瞬間
「ギャアアアアアアァァァァァァッッッ!!??」
突然目の前に日本刀を持った男に斬られたかのような絶叫を上げてナイスネイチャが身体を起こす。
「え、おばあちゃん!?」、「……い、生き返った!?」、「バカな!? 脈も心臓も瞳孔も……止まっていたはず!?」
驚いた家族と同じリアクションをした医師はすぐにナイスネイチャの脈などを確認する。
「……信じられない。つい先ほどご臨終をしたとは思えないほど……活発だ!?」
放心する医者に元気になったナイスネイチャに喜ぶ家族。そんな中、ナイスネイチャには聞こえていた。
そうかぁ~、ネイチャさんは生き返りましたか!
でもターボ、少し残念だけど嬉しいぞ!
この間いい釣りのポイントを見つけたのですが……ネイチャさんに教えてあげるのはだいぶ先になりましたね。
現世に戻ったことに残念そうにしながらも嬉しそうに笑う親友たちの声が。
葛原粕人(くずはら かすと)
筆先文十郎が書いている『涅マユリの秘密道具』に登場するオリジナルキャラクター。所持している刀の能力で死んでも生き返る能力を持つ。その能力のせいで上司であるマユリには人体実験&ストレス解消の道具として数え切れないほど殺害されている。