トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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トウ(ちから)イテイオーは再度謝罪に訪れたようです。

 中央トレセン学園理事長室前。

「それでは失礼しました!」

 トウカイテイオーのそっくりさん、トウ(ちから)イテイオーは頭を下げて理事長室を後にした。

「はぁ……あいつらのせいで!」

 トウ(ちから)イテイオーはムカムカしながら前回中央トレセン学園に連れてきたメンバーを思い出す。

 前回。トウ(ちから)イテイオーは学園に一切の連絡をせずに生徒会長のシンボリルドルフを『シンボリルドルフのそっくりさん、シンボリルドル(ふう)として出演してもらえないか?』とオファーをした件で大きな反響を受けたことで時間に余裕のあるメンバーを連れて謝罪に来た。無事理事長の秋川(あきかわ)やよいに許しを得たものの、その後メンバーに自由行動をさせたばかりに『ドッペルゲンガーが出た!』と大きな騒ぎになった。その騒動の謝罪のために再び中央トレセン学園に足を運んでいた。

 

『座長だけ学園に行くなんてズルい!』

 

 とメンバーに文句を言われたが

 

『お前達を連れて行けばまた騒動を起こしかねないから今度は私だけで行く!』

 

 と今回は一人だけで謝罪に訪れた。

「しかし……秋川理事長が寛容な方で本当に良かった……これでもし秋川理事長に『このような問題を起こすのであればウマ娘の名誉に関わるので今後一切ものまねをしないで下さい!』なんて言われたらものまね芸バ座は解散することになっていたからなぁ……」

 

 ウマ娘のような見る人に元気を与える存在になりたい。

 

 そのような熱い想いを持った者達が集まったものまね芸バ座。その場所がなくなることも、ウマ娘への想いも否定されることを想像し、トウ(ちから)イテイオーは恐怖で震えた。

「まぁ、その最悪の事態が回避出来てよかった……」

 安堵しながら歩いていたトウ(ちから)イテイオーは気がついていなかった。曲がり角に近づいていく気配に。

 

「「痛ッ!」」

 

 誰かとぶつかりトウ(ちから)イテイオーは頭を抑える。

「テイオーちゃん! 大丈夫?」

 マヤノトップガンがトウ(ちから)イテイオーに声をかける。

「イタタ……ごめんなさい」

「いえ、僕の方こそ……」

「え?」

 トウ(ちから)イテイオーは驚く。そこにいたのは自身がものまねをするウマ娘、トウカイテイオーだったからだ。

「うわぁっ! はじめまして、私、貴女のものまねをさせていただいておりますトウ(ちから)イテイオーと申します!」

 トウ(ちから)イテイオーはトウカイテイオーの手を握り、トウカイテイオーへの愛をぶつける。

「え、あ……どうも」

 自分に似た存在に自身への熱き想いを訴えられ、戸惑うトウカイテイオー。

「あ、失礼しました!」

 トウ(ちから)イテイオーは慌てて手を放す。

(い、いかん……これでは前回連れて行ったメンバーと変わらないじゃないの! しっかりしなさい、私!)

「お友達と楽しく過ごしていた所を邪魔して申し訳ございませんでした! それでは失礼します!」

 そう言うとマヤノトップガンの隣に立っていたトウ(ちから)イテイオーは正門へと足を向けた。

「……」

 正門へと向かうトウ(ちから)イテイオーの背中を見ながら、マヤノトップガンは思った疑問を口にした。

 

 

 

「あれ? マヤの隣にいたのって確か……テイオーちゃんのものまねをしている人じゃなくて……テイオーちゃん、だったよね?」

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