トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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ケイエスミラクル誕生日回。


ケイエスミラクルと食事(スペシャルウィーク&メジロマックイーン登場)

 中央トレセン学園 カフェテリア。

 

「「ケイエスミラクルさんッ!!」」

 

「うわっ、どうしたんですか。二人とも……」

 スペシャルウィークとメジロマックイーンに詰め寄られ、食事を終えたばかりのケイエスミラクルは少しだけ目を見開いた。

「ケイエスミラクルさん!」

「貴女が食べた食事の中身は?」

「えっと……フルーツサンドとカフェオレ、ですけど?」

「「う、う、う……う~ら~や~ま~し~いぃぃぃ!」」

 二人の質問の意図がわからず恐る恐る答えるケイエスミラクルに、二人は涙を流し羨望(せんぼう)にまみれた眼差しでケイエスミラクルを見る。

「え、どうしたんですか? おれ……何かしました?」

「……えっと」

「……こほん。失礼しました」

 戸惑うケイエスミラクルに冷静さを取り戻した二人はケイエスミラクルから離れる。

「それで、二人は何でおれに声をかけたんですか?」

 二人が落ち着いたのを確認し、ケイエスミラクルは改めて尋ねる。

「……実は」

「……私たち」

 スペシャルウィークとメジロマックイーンは周囲の視線を感じて視線から逃れるように死角となる場所にケイエスミラクルを連れて行く。そして

 

「「これを見て下さい!」」

 

 そう言うと二人は服をめくってウエストを見せた。そこにはたっぷりとぜい肉の乗った腹があった。

「……どうしたんですか、そのお腹?」

 困惑するケイエスミラクルに二人は恥ずかしそうにポツリポツリと話す。

「実は私たち次のレースに向けて食事制限をするようにトレーナーさん達に言われてまして……」

「これでも私たち、頑張りましたのよ! しかしその努力を嘲笑(あざわら)うかのように甘いスイーツの香りが……で、気づいたら大量のスイーツが私たちのお腹へと……」

「……まぁ、お二人の事情はわかりました。おれと何の関係が? ……えッ!?」

 その瞬間、二人はケイエスミラクルの手を握り、訴えかけた。

 

「「どうしたらケイエスミラクルさんのように食べる量を少なく出来ますか!?」」

 

「…………」

 二人の切実なお願いに、ケイエスミラクルはどう答えればいいのか困惑してしまう。

「いや、おれの少食は元々の体質の問題であって別に秘訣があるというわけでは……って、二人とも!?」

 バッ! と土下座をする二人にケイエスミラクルは慌てる。

「何でもいいんです!」

「せめてヒントになるようなことを! そうでもしないと──」

「「トレーナーさんにレースまでの間、断食道場に連行されてしまうのです!! というつもりか?」」

 背後から男性二人の声に二人はビクッ! と恐怖で身体を震え上がらせる。そこにいたのはスペシャルウィークのトレーナー(以下スぺトレ)とメジロマックイーンのトレーナー(以下マックトレ)が静かな怒気で土下座する二人を見ていた。

「ケイエスミラクル。うちの担当バが迷惑をかけた」

「こいつらは責任を持ってとある施設(・・・・・)に預けてしばらく姿を見せないから……それで許してくれ」

 そう言ってスぺトレとマックトレは互いの担当バの首根っこを掴む。

「ま、待ってください。トレーナーさん!!」

「レースまでには! レースまでには必ずやせますから!!」

 謝る担当バにトレーナー達は聞き耳を持たずカフェテリアを後にした。

「……」

 一人残されたケイエスミラクルは思った。

「フルーツサンド、美味しかったからもう一個って思ったけど。おかわりしなくてよかった」

 

 

 

 その後。とある施設から無事出ることが出来たスペシャルウィークとメジロマックイーンは出場予定のレースに出場。極限まで腹を空かせ久々の獲物に食らいつく凶獣のような殺気を放ち、恐怖で震え上がらせ全力を出せなくなったの他のウマ娘たちを置き去りにして両者が猛烈な接戦を演じたのはまた別の話である。

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