トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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のぐちゆりさん(メジロパーマーの声優)の特技、モノマネ。


メジロライアン?の地獄の猛特訓(メジロパーマー登場)

 中央トレセン学園。

 

「パーマー! どこ行ったぁぁぁぁぁぁっっっ!?」

 

 目を血走らせながら、メジロパーマーのトレーナー(以下パマトレ)はメジロパーマーを探していた。

「うわぁ……どうしよう……」

 そんな自身のトレーナーからメジロパーマーは身を隠していた。

 事の発端は先日の抜き打ちテストだった。多くの者が及第点を獲得する中、メジロパーマーは赤点。明日再び追試をすることになった。メジロパーマーは赤点を取ったこと、そして追試があることを隠そうとしたが運悪くパマトレの知ることとなり、その追試を及第点どころか卒業まで満点合格する勢いでメジロパーマーに勉強を叩きこもうとしていた。

「パーマー、どこにいる!?」

 地獄の底から伝わるような低い声で担当バを探すパマトレ。

(……じょ、冗談じゃないよ、トレーナー!)

 以前追試がバレて付きっ切りで勉強を見てもらった時のことを思い出し、メジロパーマーは息をひそめながら移動する。しかし担当バのことをよく見ているからか、パマトレは見つけこそ出来ていないものの確実にメジロパーマーが逃げられないように無意識に追い込んでいた。

(どうしよう……もう逃げ場がない!)

 メジロパーマーは演劇部が使っている倉庫に追い込まれていた。

「パーマー、出ておいで。怖がることはない。一緒に勉強しよう?」

 徐々に近づいて来るパマトレの声にメジロパーマーは勉強を()いられる自身の姿を想像し、恐怖に震える。

(いやだ、いやだよ! 鬼の形相のトレーナーにビクビクしながら必死に覚えるなんて……何か、何かない!? この危機的状況から逃れる方法は……!!)

 その時、メジロパーマーの目にある物が飛び込んだ。

 

 

 

「そこか!?」

 パマトレはメジロパーマーが逃げ込んだ演劇部の倉庫の扉を勢いよく開けた。

「うわっ!?」

 部屋にいたメジロライアンがびっくりした様子でパマトレを見る。

「ん? メジロライアンか。なんで演劇部の倉庫(こんなところ)にいるんだ?」

「え? あ……えっと。……あ、そう! 演劇部の友達に『演劇で使う超重量のアンクルがあったと思うから取って来てくれない?』と頼まれたんですけど……見当たらなくて、あはっ!」

 その場を取り(つくろ)うように笑うメジロライアンにパマトレは「そうか」と一言。

「ところで、うちのメジロパーマーを見なかったか? ちょっっっっっっと勉強をみてやろうと探しているんだが?」

「えぇ!? ……あ、いや……私は見ていないですね。あ……友達に頼まれたものはなかったことを伝えないといけないので失礼しますね。パーマーを見つけたら『パーマーのトレーナーさんが探していたよ』と伝えてますので。……それでは」

「……そうか。パーマーによろしくな」

 パマトレを避けるようにその場から立ち去るメジロライアンを、パマトレはただただ見つめていた。

 

 

 

 中央トレセン学園 エントランスホール。

「……ふう、何とかごまかせた!」

 メジロライアン、否。メジロライアンに変装したメジロパーマーは安心した様子で息を吐いた。

 パマトレに見つかるのは時間の問題という危機的状況でメジロパーマーが見つけたのはメジロライアンに似た髪型のウィッグと化粧道具だった。

 コツコツと近づく足音にメジロパーマーは「これしかない!」と一式に手を出しメジロライアンに変装。その直後にパマトレと遭遇したものの何とか自身を血眼に探すパマトレから逃れることに成功した。

「ふう、後は帰って赤点回避できるくらい勉強しますか。さすがにトレーナーの家庭教師はやりたくないからね……」

 以前トレーナーにつきっきりで勉強を教わった時を思い出し、身震いさせたメジロパーマーは寮へと歩き出す。その時だった。

「あぁ、探したぞ。ライアン」

 ポンッと誰かがメジロパーマーの肩に手を置く。振り返るとそこにはメジロライアンのトレーナー(以下ライトレ)が笑顔で立っていた。

「え、何ですかライアンのトレーナーさ……じゃなくて! どうしたんですか、トレーナーさん?」

 自身がメジロライアンに変装していることを思い出し、メジロパーマーはライトレに尋ねる。

「『どうしたんですか』じゃないだろう? 一週間後に行われるウマ娘野球大会で先発のシュヴァルグランに負けない投球をするため練習に付き合ってくれって言ったのはお前じゃないか。さぁ、この手足それぞれに70kgの鉄球付きの錠をはめたようなもの、さらに例えれば成人男子四人分と言っても過言ではないアンクルを装着してトレーニングを行うぞ!」

「ッ!?」

 見るからに比喩ではないアンクルを軽々持つライトレに、メジロパーマーは背筋を凍らせる。

「あ、あの……実は、私。メジロライアンじゃなくてメジロパーマーで──」

「あ、メジロパーマーで思い出した。そういえばパマトレが鬼の形相でメジロパーマーを探していたな。百科事典並の分厚い本を持って『この本(これ)全部覚えるまで一切の食事も睡眠も抜きで覚えさせる!!』と鼻息荒く──」

「今すぐトレーニングしましょう! トレーナーさん!!」

 本物のメジロライアンに課せられるはずだった超重量アンクル装着のトレーニングとパマトレの地獄の勉強。その二つを天秤にかけて速攻で前者に傾いたメジロパーマーは後者から逃れるため力強くライトレに言った。

 

 

 

 翌日。

「……ぁ! ……ぁぁぅ……! (……体が! ……痛いよ……!)」

 全身今までにない筋肉痛とあまりの疲労にテストどころではなかったメジロパーマーの再追試とパマトレの鬼勉強が決定し、パマトレからライトレに『うちのパーマーがお世話になったな』というメールが届いた。




ライトレが持ってきたアンクルの重さの例えは冨樫義博先生の漫画『幽☆遊☆白書』に登場する画魔の獄錠の粧です。
諍いを起こす仲間の潤滑油となり、自身の命を捨ててまでチームの勝利にかける自己犠牲。大人になってわかる魅力的なキャラクターだったと懐かしく思います。
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