トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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ドゥラメンテ誕生日回。


最強の木(ドゥラメンテ登場)

 美浦(みほ)寮 ドゥラメンテの部屋。

「ふっ、大きくなったな……」

 ドゥラメンテは気根と呼ばれる根が鉢植えの(ふち)まで(せま)るほど太く大きく成長したガジュマルの根を我が子を撫でるように触れた。

 自身が「グル姉」と慕うエアグルーヴから誕生日にもらったガジュマルの苗。もっと小さな鉢植えで育てていたのが昨日のように感じられた。

 それが今では一族全員が競技スポーツで結果を出した家族の一員であるかのように大きく成長し、もっと大きな鉢植えに植え替える必要が出るほどになった。

 しかしこれ以上大きな鉢に植え替えれば同室のサトノクラウンに迷惑がかかると考えたドゥラメンテは、かつてエアグルーヴに大きくなったら実家に送ると宣言した通り実家に送ることを決めた。

「私はいつの日か『最強』の名に(たが)わないウマ娘になる。だからお前も最強になる私にふさわしい、強くたくましい木になるんだぞ」

実家に帰る(再び会う)時、最強に近づいた証を持って帰るぞ!)

 そう心の中で誓いを立て、ドゥラメンテは傷つけないよう大事にガジュマルを梱包(こんぽう)した。

 

 数日後。 食堂。

『次のニュースです。とある邸宅に突如巨大な木が出現しました。木は『幸福を呼ぶ木』とも称されるガジュマルという種類の観葉植物で、世界一高い木と言われるハイペリオン(推定115メートル超)に迫る高さに専門家も『まさか日本で突如としてこんな立派な木が出現するとは……しかもガジュマルがあのような高さになるなんて……』と驚きを隠せない状態。この木の近くに住む住人も…………』

「…………」

 雲にも届くのではないのかと思うほど急成長を遂げたガジュマルに、ドゥラメンテは言葉を発することが出来なかった。

 なぜここまで大きくなったのか専門家が独自の考えを()べ、突然現れた巨大木に周囲のウマ娘たちがざわついていたが、放心するドゥラメンテには一切耳に入っていなかった。

 ふと

 

『私はいつの日か『最強』の名に(たが)わないウマ娘になる。だからお前も最強になる私にふさわしい、強くたくましい木になるんだぞ』

 

 と実家へと送る際にガジュマルに言った言葉を思い出す。

「そうか、お前も『最強』になろうとしているのだな……」

 ドゥラメンテは自分を恥じた。最強になろうと固く誓った自分に対し、共に最強になろうと言ったガジュマルには最強になる意思など微塵(みじん)もないと思っていた自分に。

「……私は、愚かな女だ!」

 ドゥラメンテは自虐的な笑みを浮かべる。期待していなかったばかりか、最強の自分にふさわしい木になるべく成長したガジュマルに対して足元にも及ばない努力しかしていない自分に。

「最強にならんとする私にふさわしい……いや、最強に近づきつつあるお前の主だ! と胸を張れるように頑張らないといけないな!」

 食事を終えるとドゥラメンテはニュースが終わっても巨大木についてあれこれ言うウマ娘をよそに食堂を後にした。

 

 

 

 その目には「絶対に『最強』のウマ娘になってみせる! という決意の炎がこれ以上ないほどに燃え上がっていた。




ガジュマルすげ~。
(アグネスタキオンの怪しい成長促進剤とか使ってません)
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