トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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タイキシャトル誕生日回。

ショットガンマリッジ
できちゃった婚。由来はある日、娘から妊娠していることを告げられた父親は激怒。娘の彼氏にショットガンを突きつけ、「責任を取って結婚しろ!」と迫り彼氏は慌てて結婚の約束。二人はめでたく?結ばれたという話から。


タイキトレとショットガンマリッジ(タイキシャトル登場)

 とあるアメリカの牧場。

『パパ! 元気デスカ?』

「あぁ! パパは元気だよ!」

 テレビ電話に写る愛娘、タイキシャトルにタイキシャトルの父は画面にキスをする。

『もう、やめてパパ!』

 そう言いながらも笑顔で返すタイキシャトルに父親は「そうかそうか」と嬉しそうに返す。

『あ、そうだ。昨日トレーナーさんととある……』

(や、やばい……クシャミが出そう……)

 鼻がムズムズした父親はタイキシャトルの『有名なラーメン店に行きまシテ、そこのラーメンがとてもボリュームがあって美味しかったんデス!』という言葉を聞き逃す。

 

「バッッックションッッッ!!」

 

 盛大にくしゃみをする父親に心配そうに声をかけるタイキシャトルに、父親は「心配ない」と返す。

『それで見てくだサーイ!』

 服をめくったタイキシャトルに、父親は大きく目を見開く。そこには臨月を迎えた妊婦のように大きな腹があった。

『(あまりの美味しさにいっぱい食べていることに気がつかなくて)気づいたらこんなお腹になってまシタ!』

 食べ過ぎという体調管理には十分に気を付けておかねばならないウマ娘にあるまじき行為にテヘッ! と気まずそうに笑う。そんなタイキシャトルに対して、父親は険しい表情へと変わっていった。

 その後愛娘に心情を読まれないと和やかに会話をして通話が切れると、父親はおもむろに壁にかけられたショットガンを手に取ると出かける準備をする。

「あら、あなた。どこかに出かけるの?」

 出かける準備をする夫を見つけた妻が声をかける。

「あぁ、ちょっと日本に行ってハンティング(・・・・・・)してくる。牧場を留守にするが……頼んだぞ!」

 

 

 

 一週間後。タイキシャトルのトレーナー(以下タイキトレ)の部屋。

「うちの娘が世話(・・)になったそうだな。十秒だけ時間をやる。お前の信じる神に祈りの言葉を唱えろ。……いや、日本(ここ)は仏教の国だからこの場合は神ではなく仏と言った方がいいのかな?」

「ふがっ!? ふがっ、ほっほひひはふぁははふぁい!? (ちょっ!? いやっ、ちょっと意味が分からない!?)」

 いきなり部屋の扉を破壊し突撃したタイキ父にショットガンの銃口を口に咥えさせられ、タイキトレは大量の汗を流しながら恐怖で身体を震わせた。

 アグネスタキオンのトレーナーに

 

『うちのタキオンが青いタヌキからインスピレーションを受けて食べたらどんな異国の言葉でもわかる蒟蒻(こんにゃく)()したほんやく豆腐を食いきれないほど作ってさ。申し訳ないのだが食べてくれないか? あ、ちゃんと俺で実験済だから副作用はないぞ!』

 

 とほんやく豆腐を焼き田楽して食べた直後ということもあり、タイキトレは意味も分からず命の危機に瀕しているという現実から逃れるように『あ、本当に異国の言葉であるはずの英語がわかるわぁ』と他人事のように思っていた。

「10……9……8……」

 カウントダウンを始めるタイキ父に「ふぁっ、ふぇふふぁふぁい! (ま、待ってください!)」と必死に止めるジェスチャーをする。

「……とりあえず聞いてやる」

 タイキ父は銃口を口から離す。しかし銃口はタイキトレを捉えたままだった。

 抵抗しない意思を示すために両手を上げながら、タイキトレは尋ねる。

「ちょっとタイキシャトルのお父さん! 俺が一体何をしたって言うんですか!?」

ナニ(・・)をしたんだろうが!!」

 タイキトレの言葉に怒りの導火線に火が再び点火したタイキ父が銃口をタイキトレの額に押しつけ引き金を引こうとした。その時だった。

 

「……ハァハァ……パ、パパ! 何をしているのデスカ!?」

 

 息を切らしながら叫ぶタイキシャトルの声が引き金を引くのを止めた。

 同室のメジロドーベルを始めとする多くの目撃者から、『父親の特徴と酷似した見知らぬ外国人がもの凄い形相でトレーナーの所へ向かっているのを見た』と聞いたタイキシャトルが嫌な予感を覚えてトレーナーの部屋へと直行したのだ。

「いや……パパは教え子(おまえ)(はら)ませておきながら責任を果たさないクソ男に命を持って償わせようと──」

「ホワイ!? いつ私がトレーナーさんの子どもを妊娠したんデスカ!?」

 父親の衝撃的な発言にタイキシャトルは怒りをあらわにするとそのような事実は一切ないことを勢いよくしゃべる。

 娘からの説明に自分が誤解をしていたと気づいたタイキ父は銃を下ろしタイキトレに頭を下げる。

「申し訳ない! 私の勘違いのせいで娘に大恩ある方を亡き者にしようと……」

「あ、いえ……娘さんのことを思ってのことなので。気にしてませんよ」

「……貴方は、本当に素晴らしい方だ!」

 タイキ父は涙を流し戸惑うタイキトレの手を握る。

 その光景にタイキシャトルは嬉しそうに微笑み、続けて言った。

「もうパパったら。私の子ども(と言っても過言じゃないの)は(クレーンゲームで)トレーナーさんと共同作業で得た(私そっくりの人形の)フロンティアちゃんだけデスヨ!」

 

 パンッ!! 

 

 その後タイキトレの部屋に銃声が響き渡った。

 

 

 

 

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