トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
土曜日。
「ん?」
アイスキャンディーを食べていたタイキシャトルは、ビクビクさせながら何かを
アイスキャンディーの棒を近くのごみ箱に捨てると、タイキシャトルはメイショウドトウに近づく。
「ドトウ! 何をしてるのデース?」
「うわっ! タイキシャトルさん!」
ビクンッ! と身体を震わせるメイショウドトウに「ソーリーデース!」と謝るタイキシャトル。
「ところでドトウ。背中に何を背負っているのデスか?」
「え、これは!?」
何とかごまかそうとするメイショウドトウ。しかし焦れば焦るほど背中の風呂敷はもぞもぞと動く。そして
ぴょこ!
と何かが顔を出した。
「ウワォ! たぬきデース!」
風呂敷からふわふわの冬毛でまん丸に見える、顔だけを出した
「これでたぬきそば何杯食べられマスか!?」
「た、タイキシャトルさん!? それはかわいそうですよ~!!」
涙目で訴えるメイショウドトウに、タイキシャトルは「ソーリー。ただのジョークデース」と返す。
「ところでドトウ。そのたぬきはどうしたのデスか?」
「……あ、あの私にもよくわからないのですけど……」
そう言ってメイショウドトウはなぜこうなったのかをうろ覚えの記憶を思い出すように語りだす。
「実は……その。『そろそろ起きようか~な』って思っていたら……何か温かいものがあって……そしたら布団の中でもぞもぞと。『何だろう?』と特に考えずに布団をめくったら……その。たぬきさんが気持ちよさそうに寝てまして……で、起きるまで待ちまして。それから非常食として買った缶詰と間違って買っていたドックフードの缶詰をあげまして……それからどうすればいいのかわからなくて。とりあえずこうして風呂敷に入れて思案していたんで~す……」
「なるほど。事情はわかりまシタ」
腕を組んでうんうんと頷くタイキシャトルは「そうデス!」とポンッ! と手を叩く。
「動物園に連れて行くデース! そこならそのたぬきも幸せになりマース!」
「え? 動物園ですか?」
首を傾げるメイショウドトウだったが
「わかりました!」
と言うと動物園へと足を向けた。
翌日。
「……ホワイ?」
タイキシャトルは昨日同様、風呂敷に狸をかついで嬉しそうにどこかに向かおうとするメイショウドトウを見つけた。
「ド、ドトウ? 昨日そのたぬきを動物園に連れて行ったんじゃナイんデスカ!?」
驚きながら尋ねるタイキシャトルに、メイショウドトウは胸を張って言った。
「はい! だから今日は水族館に連れて行こうと思ってます!」
筆先文十郎の一言。
「ちがう、そうじゃない!」