トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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グラスはおブタさんデース!

 中央トレセン学園近くのとある商店街。

「あら?」

 買い物を終え、トレセン学園に帰ろうとしていたグラスワンダーの目にとあるのぼり旗が目に入る。

「……なんでしょうか?」

 のぼり旗が反対側だったこともあり正確に読み取れなかったグラスワンダーは近づいて正位置から見る。

「えっと、『たんぽぽ珈琲(コーヒー)あり(ます)。和を追究した絶品スイーツも!』……と」

 

 ぐ~。

 

 その時、グラスワンダーのお腹が鳴る。

「たんぽぽ珈琲。なぜか気になってしまう言葉ですね。それに『和を追究した絶品スイーツ』というのも……馴染(なじみ)のないたんぽぽ珈琲と力強く推す和のスイーツ。よほど自信がおありの様ですね。これは私の舌で確かめてみないと!」

 まるでこれから起こる結末の予防線を張るかのように呟いたグラスワンダーは店の暖簾(のれん)をくぐった。

 

 翌日。

「ワ~ハハハハハハッ!!」

 グラスワンダーを見て同室のエルコンドルパサーが腹を抱えて笑っていた。和を追究したという(うた)い文句に恥じない饅頭(まんじゅう)などのスイーツにたんぽぽ珈琲の相性が抜群で、気づけば豚のように太るほど食べていた。その結果、グラスワンダーの身体はちょっとした相撲力士のような体型へと変貌(へんぼう)()げていた。

「エ~~~ル~~~ッ!!」

 自分を見て笑うエルコンドルパサーに怒りのオーラを放つグラスワンダー。しかしエルコンドルパサーは腹を抱えたまま笑うだけだった。

「ハハハ! ……いつものグラスなら薙刀(なぎなた)をもってエルを追い回してマース! でも腹がつっかえて薙刀を持つのもしんどいグラスなんて全くこわくないデース! 悔しかったら追いついてみてくだサーイ!」

 そう言い残すとエルコンドルパサーは部屋を飛び出した。

「ま、待ちなさい! エル!」

 追いかけるグラスワンダー。しかし体中についてしまった脂肪が(おも)りとなり、エルコンドルパサーに追いつくどころか全速力の力を出しながら軽いジョギング程度の速度しか出すことが出来なかった。

「やっぱり今のグラスはおブタさんデース! 悔しかったら追いついてみるデース!」

 エルコンドルパサーは人差し指で自分の鼻を持ち上げ「ブーブー!」と豚の鳴きまねをする。

「うぅっ! 待ちなさい、エル!!」

 悔しさに歯を食いしばり追いかけるグラスワンダー。そんなグラスワンダーに嘲笑、挑発するエルコンドルパサー。しかしエルコンドルパサーは気がついていなかった。

 

「ハァ……ハァ……エ~~~ルッ!!」

 

 自らの肉体を焦がすのではと思わせるほどの怒気で脂肪が燃焼され、さらに脂肪という超重量のアンクルによって筋肉が身体を動かそうと普段以上に脂肪を燃焼し、気づけばグラスワンダーの身体が相撲力士から元の体型まで戻っていたことに。そして

 

「エル!!」

 

 トップスピードのまま放たれた空中回し蹴りがエルコンドルパサーの後頭部に直撃。その勢いでエルコンドルパサーの頭は壁に激突。そのまま壁にめり込んでいった。

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