トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
女性の美しい姿や立ち振る舞いを意味することわざ、
『黙れば美人、喋ればアホの子、走る姿は驀進王(サクラバクシンオー)』
『走れば勇者、黙れば美人、覗く姿は変質者(アグネスデジタル)』
などがある。
エイプリルフールネタです。
中央トレセン学園 廊下。
「よ! トレーナー!」
ゴールドシップのトレーナー(以下ゴルシトレ)が誰もいない廊下を歩いていると後ろから自身の担当バ、ゴールドシップの声が聞こえた。
「あぁ、ゴールドシッ……ッ!?」
振り返ったゴルシトレが大きく目を見開く。そこに立っていたのは『黙れば美人、喋ると奇人、走る姿は不沈艦』と評される、黙っていれば整った顔立ちに銀髪に近い美しい芦毛の長い髪、モデル体型の文句なしの美人ウマ娘ではなかったからだ。
牛の手足を伸ばし、アルパカのような長い首。芦毛の体毛に顔には視界の一部を直接遮るをしたマスクのようなものを付けた四足歩行の未知の生物。
その姿にゴルシトレは口をパクパクさせる。
「どうした、トレーナー? そんな知り合いが未知の生物に変わったようなリアクションをして」
未知の生物から聞こえるゴールドシップの声に、ゴルシトレは首をブンブンと振る。
(そうだ、これは夢……これは夢なんだ! 夢に違いない!!)
そう自分に言い聞かせる。
「あら、どうしたのですの? こんな廊下の中央で、ゴールドシップさんのトレーナーさん?」
「ああ、メジロマックイーン! うちのゴールドシップが……ッ!?」
メジロマックイーンの声に振り向いたゴルシトレが再び大きく目を見開き、固まってしまう。
「どうしたのですの、ゴールドシップさんのトレーナーさん?」
ゴルシトレの様子に首を傾げるメジロマックイーンもまた、未知の生物の姿になっていたからだ。
「ま、まさか!?」
ゴルシトレは窓の外を見る。そこには楽しく談笑しながら学園へとやってくる、未知の生物と化したウマ娘たちの姿があった。
未知の生物の姿になったこと以外は何一つ変わらない日常にゴルシトレは混乱する。唯一の救いは他のトレーナー達もウマ娘が未知の生物の姿になったことに動揺したこと。自分だけがおかしいと思う状態ではなかったと喜ぶ半面、なぜ「ウマ娘たちが未知の生物の姿になってしまったのか!?」という疑問が付きまとうことになった。そして
「なんで!?」
ゴルシトレはゴールドシップに
(なんだ? どういう状況なんだ!? 何で俺は未知の生物の姿になったゴールドシップに跨っているんだ!?)
しかしゲートが開いた瞬間、ゴールまでゴールドシップと共に行けばいいというのだけは理解できた。
「よくわからんがゴールドシップ、行くぞ!」
「やだ」
ゴールドシップはプイッとそっぽを向く。
「いや、何で!?」
「だってやる気が出ないんだもん!」
「……お前ってやつは!」
ゴルシトレは怒りで事前に渡された鞭を力強く握る。しかし大きく息を吐き気持ちを整えると両手を握って頭を下げる。
「ごめんなさい、俺が悪かったです。だからちゃんと走って下さい! お願いします!」
「……たく。しょうがねぇなぁ!」
ゴルシトレのお願いにゴールドシップは嫌々ながらも承諾。最終コーナーでで後ろから一気に前を走るウマ娘?たちを追い抜き、影も踏ませぬ圧倒的なバ?身差で勝利した。
なお翌日にはウマ娘たちは元の姿へと戻っていた。