トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
スマートファルコンのトレーナー(以下ファルトレ)の部屋。
「トレーナーさんは悔しくないの!?」
ひどく腹を立てながら詰め寄るスマートファルコンに、ファルトレはどう答えようかと困惑していた。
事の発端はスマートファルコンがとあるバラエティー番組に出演した時のことだった。
「それじゃあ罰ゲームは、スマートファルコンちゃんです! ファル子ちゃんにはこの熱々のおでんを食べてもらいま~す!」
「えぇ──!?」
クイズで最下位になったスマートファルコンが熱々のおでんを見てガックリと
(あんな熱々のおでん……食べたら火傷しちょうよ。どうしよう……)
涙目になりながらも「それでも食べないと……」と自分に言い聞かせていた、その時だった。
「ちょっと待って下さい!」
スタッフの制止をものともせず、ファルトレが司会者に詰め寄る。
「うちのファル子になんてもの食べさせようとしているんですか!? こんな熱々のおでんを食べてうちのファル子が口の中を火傷したらどうするんですか!? 学校生活はもちろんアイドル活動にも支障が出るんですよ!? それくらいわかるでしょうが!!」
「……と、トレーナーさん!」
顔を真っ赤にさせながら抗議するファルトレの姿に、スマートファルコンは感激する。
「そうだな、ファルトレさんの言う通りだ」
その光景を見ていた一人の長身の男性芸人がスッと立ち上がる。
「ファル子ちゃんにそんなことをさせちゃあ駄目だ。俺が罰ゲームを受けるよ!」
「おっと、待ってくれ」
長身芸人の隣に座っていた筋肉質な男性芸人が立ち上がり手で制する。
「リーダーばかりにカッコつけさせるわけにはいかねぇよ。俺が罰ゲームをするよ!」
「おい、ちょっと待て!」
筋肉芸人の隣に座っていた小柄な男性芸人がキレながら立ち上がる。
「こういう罰ゲームを受けるのは俺の役目だろうが! 勝手に名乗りだすなよ! ……というわけで俺がやる!」
「いや、俺が!」「俺がやるって!」、「いや、俺だって!」
三人が自分がスマートファルコンの代わりに罰ゲームを受けようと言い争いを始める。
「ちょっと待って下さい!」
その場にいた全員がファルトレに注目する。
「皆さんのご厚意には感謝します。でも罰ゲームを受けるのはスマートファルコンなのに彼女が受けないのはおかしい。なので彼女のトレーナーである自分が罰ゲームを受けます!」
ファルトレがそう宣言する。その時だった。
『どうぞどうぞ!』
先ほどまで言い争った三人を始め、司会者、他の出演者がそう言って譲ったのだ。
「え、ちょっと待って……この流れって普通『いや、ファル子ちゃんのトレーナーさんがすることはないよ』って言う場面だよね……って熱ッ!!」
言い争いをしていた男性芸人達に強制的におでんが置かれた席の前に座らされると、ファルトレは湯気が立ち昇る玉子を咥えさせれ、汁が
「ほ、ほがっ! あふぅ! ひや、あふいっへ! やふぇへ、やふぇへっへは!! (う、うわっ! 熱ッ! いや、熱いって! やめて、やめてってば!!」
あまりの熱さに嫌がるファルトレに腹を抱えながら笑う周囲。
「…………!!」
その光景に自分の代わりに罰ゲームを受けるファルトレに対する申し訳なさと、嫌がるファルトレを止めるどころか苦しむ姿に笑う周囲への怒りにスマートファルコンは身体を震わせていた。
「というわけで私、テレビ局の人に抗議に行ってくる!」
「いや、俺は大丈夫だから! 行かなくて大丈夫だから!」
演出ということに気づかず本気で心配し怒るスマートファルコンに嬉しいと思いつつ、「どうファル子を傷つけずに止めるべきか」を考えながら部屋から出ようとするスマートファルコンをファルトレは止めるのであった。
上島竜兵さん、なんで死んじゃったんですかね(涙)。