トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜   作:筆先文十郎

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ツルマルツヨシ誕生日回。
ツルマルツヨシ、オグリキャップに食事の極意を教わるの後日談です。


ツルマルツヨシと湯治

「……はぁ」

「どうした、ツル?」

 ツルマルツヨシの隣で運転するツルマルツヨシのトレーナー(以下ツルトレ)が暗い表情のツルマルツヨシに尋ねる。

「いえ……私のせいでトレーナーさんにご迷惑をおかけして……」

 ツルマルツヨシは重いため気を吐く。

 数日前。オグリキャップに食事の極意を教わったツルマルツヨシはその極意を実践するべくスペシャルウィークと共に新たな店を開拓しようとした矢先、店を探すのに夢中になって道路に飛び出し車と接触。二週間の療養を余儀なくされた。

 

「……うぅ、ただでさえ虚弱体質で練習が出来ないのに!」

 

 そう悲しみに(いきどお)るツルマルツヨシにツルトレが「怪我に効果があるという温泉に行ってみないか?」と提案。学園に数日の外泊許可をもらい温泉に向かっているという流れだった。

 落ち込むツルマルツヨシを運転しながらツルトレが励ますというのを繰り返すこと数時間。

「ついたぞ」

「え、ここって……」

 車から降りたツルマルツヨシは周囲を見渡す。そこは良く言えば古風で落ち着いた(おもむき)や独特の味わいを感じさせる、悪く言えば古びた旅館だった。旅館の入り口には『ようこそ増留(まする)温泉(おんせん)へ』と彫られた岩があった。

「トレーナーさん、ここは?」

「まぁ、入ってみればわかる。さぁ、行くぞ!」

 そう言うとツルトレはチェックインを済ませると予約した部屋に荷物を置き、ツルマルツヨシと共に温泉へと向かった。

 

 女湯。

「……ふう、いいお湯ですね」

 身体にタオルを巻いたツルマルツヨシは露天風呂に浸かっていた。

「天気も良くて青々とした緑が堪能できる。……皆にもお勧めしたいですね」

 周囲を楽しんでいると腰の曲がった老婆が露天風呂に入るとツルマルツヨシの隣にやって来た。

「あら、こんな場所に若い子が珍しいわね」

「あ、そうなんですか? こんなに気持ちいい温泉で景色もいいのに……」

 その後二人は楽しく談笑する。そして

「ふう。おばあちゃん、ちょっとのぼせてきたから先に上がるわね。……よっこいしょ!」

「え?」

 立ち上がる老婆にツルマルツヨシは目を見開く。

「どうしたんだい、ツルマルちゃん?」

 首を傾げてツルマルツヨシを見る老婆の身体が筋骨隆々になっていたからだ。数十分前まで腰を曲げていたとは思えない別の肉体に、ツルマルツヨシは老婆の身体を指を差し口をパクパクさせる。

「……あぁ。もしかしてツルマルちゃんは増留温泉(ここ)の効果を知らずに浸かってたんだね。この温泉は美白効果に肩こり解消。そして筋肉倍増効果があるので有名なんじゃよ。

 三匹の鮫を抱きかかえて海から上がってきたなどのエピソードがある朝比奈(あさひな)義秀(よしひで)や小柄ながら手錠の鎖を引きちぎるという怪力を持つ昭和の脱獄王こと白鳥(しらとり)由栄(よしえ)など数々の怪力自慢が好んで入っていたと言われるほどに。ほら、ツルマルちゃんも」

「え? ……ええええええぇぇぇぇぇぇっっっっっっ!!??」

 かつてアグネスタキオンに飲まされたドーピング薬(着ぐるみ)を超えるマッチョな肉体に、ツルマルツヨシは絶叫した。

 

 数日後。

「どうだ、ツル。身体の調子は?」

 筋肉で数日前の服が入らず新たに買った大きな服を着たツルトレがツルマルツヨシに尋ねる。

「ふ、愚問ですね!」

 同じく新たに大きな服を新調したツルマルツヨシが力強くグーサインを出す。

「数日前の私とは違いますよ、この通り!」

 気合を入れたツルマルツヨシがトレーナーの車に手を掛けるとそのまま重量挙げの選手のように車を持ち上げ数秒キープした後、ゆっくりと下ろした。

「ふ、それは何よりだ」

 担当バの完全回復を超えるパワーアップにニヤリと笑う。

「それじゃあ学園に帰って新しく生まれ変わったツルマルツヨシを皆に見せるぞ!」

「はい!」

 二人は車に乗り込み、止まった。

 

 

 

「せ、狭すぎるぅ……!!」

「せ、狭いですぅ……!!」




書いていて思ったこと。
この温泉、何か危ないクスリは混入されてないよな?
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