トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
「あれ?」
マヤノトップガンは周囲を見渡す。そこは綺麗に整備された公園だった。しかし平日だからか日が昇っているにも関わらず周囲に人はいなかった。
「綺麗な場所だけど……どこなんだろう?」
ふと近くの泉を覗き、ギョッとした。
「…………!?」
剥きたてのゆで卵のようにツルンとした肌にはシワがいくつもあり、茶色の髪は大半が白く染まっていた。
(なんで!? なんでマヤ……おばあちゃんになっているの!?)
自身が老婆になっていたことが信じられず、動揺と恐怖でマヤノトップガンは自分でも制御できないほど身体を震わせる。負の感情が立つ力を奪いその場に崩れ落ちそうになる。その時だった。
「……」
後ろから誰かがマヤノトップガンを支えるように優しく抱きしめた。
「マヤは綺麗だよ」
抱きしめながら後ろから優しく呟く声に、マヤノトップガンの震えは止まっていた。安心と高揚感で先ほどまでの動揺と恐怖は消え失せ、身体の震えは止まっていた。
ふと泉を見る。そこには老婆になった自分を優しく包み込むように抱き着く、白髪の老人となった自身のトレーナー(以下マヤトレ)の姿があった。
「愛しているよ、マヤ」
その言葉に自然と笑みが生まれ、安心感に包まれたマヤノトップガンは眠るように静かに目を閉じた。
翌日。
老婆になったのは夢だと気づいたマヤノトップガンは学生服に着替えると普段通りに朝食、授業、昼食を取り再び授業を終えるとトレーニングを行うためトラックへと向かう。
「あ……!?」
トラックへの階段を踏み外し下に落ちそうなったマヤノトップガンを
「危ない!」
と先に階段を下りていたマヤトレが抱きしめた。
「えへへ、マヤちん……転びそうになっちゃった♪」
「ったく、階段を下りる時もだが……もうちょっと足元を見て動かないと怪我をするぞ!」
マヤノトップガンの笑顔に、マヤトレの言葉とは裏腹に笑みがこぼれていた。
「……ねぇ、トレーナーちゃん?」
「ん、なんだ?」
少し不安そうに見上げるマヤノトップガンに、マヤトレは少し真剣な顔で答える。
「……もしマヤがまた……うぅん、これからも倒れそうになったりこけそうになったりしたら……トレーナーちゃんは私のこと、支えてくれる?」
マヤノトップガンの質問に「何だ、そんなことか!」と笑う。
「俺はマヤノトップガンのトレーナーだぞ! これから何があってもこうやって支えてやるさ!」
不安を全て吹き飛ばすかのように力強い笑みに、マヤノトップガンは「えへへ!」と嬉しそうに笑い、言った。
「じゃあ初めて会った時のように……これからもマヤをずっと支えてね。
……おそらく読者の皆様が望んでいるのはギャグコメディ。
何かいい話で終わった今回の話って、アリなのか?
そう思う筆先文十郎でした(;^_^A