トレセン学園の謎〜ウマ娘達が消費する食料は何処から来ているのか?〜 作:筆先文十郎
外道同士気が合った!!
涅 マユリ(くろつち まゆり)
筆先文十郎の二次創作『天才・涅マユリの秘密道具』の175話『涅マユリは阿近に心霊写真を見せるようです』では、とある部下を熱せられた銅製の丸太の上に歩かせている。
https://syosetu.org/novel/134050/175.html
4月28日 京都。
この日、京都競馬場で行われた天皇賞春を見るため京都を訪れた
5つ星ホテル 神居。
「ふむ。なかなか良い場所じゃな……」
うんうんと微笑みながら部屋を見渡す馬数寄に利根澤は内心ホッとした。
「それでは会長。私達はこれで……」
「ちょっと待て……」
部下とともに部屋から出ようとする利根澤を馬数寄が呼び止める。
「利根澤。ワシは王。その王とともに臣下同然のお前達が寝るということは有り得ない……」
「ハッ! その通りです……」
(何が言いたいのだ、会長は……)
馬数寄の意図が分からず苛立つ気持ちを噛み殺しながら、利根澤は頭を下げる。
「しかし今日のワシは機嫌がいい。よって利根澤……お前にワシとともに一夜を過ごす名誉を与えよう……」
「……ッ!? い、いえ……会長!! 私のようなものが会長と一緒に寝るなんて……」
予想だにしていなかった馬数寄の言葉に、利根澤は手と首を全力で横に振る。
「ん? もしかして利根澤……。嫌なのか? ワシと一緒に寝るのが……?」
「い、いえ!! そのようなことは!! ……ただ会長と一緒に一夜を過ごせるという幸運が信じられなかっただけです……!!」
さっさと部屋に戻って休みたいという本心を悟られないように、利根澤は全力で否定する。
こうして利根澤は馬数寄とともに一泊することとなった。
数時間後。
「……」
先にシャワーを浴びてバスローブに着替えた利根澤はベッドに腰かけていた。利根澤の耳にシャワーの音が否応がなく入る。
(まさか。会長がシャワーを浴びる音を聞く日が来るとは……)
その後バスローブ姿で馬数寄がベッドに腰かける。
「利根澤、四月というのに今日は暑くないか……?」
「ハッ、おっしゃる通りです……」
馬数寄の機嫌を損ねないように慎重に言葉を選びながら、利根澤は当り障りのない返答で相槌を打つ。
「ククク。そうだろう、そうだろう……」
今にもよだれが垂らしそうな不気味な笑みを浮かべながら、馬数寄はベッドの脇に置かれた鞄からタブレットを取り出す。
「この暑い夜。せっかくだからワシの秘蔵の心霊写真で涼ましてやろう……!」
そう言って馬数寄はタブレットを操作して一枚の写真を見せる。
「まずはこれ……『涙の亡霊』」
「な、涙の亡霊……?」
汗を垂らす利根澤に馬数寄はその時の状況を説明し始める。
「あの日、とある債務者が借金を返せないと言ってきての……しょうがないから心臓を始めとする内臓や角膜などで借金を払うという書類に判を押させようとした時……ワシはなんとなく写真を撮った。その時に写っていたんだ……!」
馬数寄の指さす場所に、利根澤の表情が固まる。
「そう、写っていたのだ。部屋の隅、絶対に写るはずのない涙を流す顔のようなものが……!」
「うっ!」
馬数寄の言う通り写真の隅には涙を流す人の顔のようなものが写っていた。しかしそれ以上に利根澤が気になったのは、ガタガタと身体を震わせ滝のように涙を流しながら用意された書類に判を押そうとする債務者の肩を後ろから掴みながら「さぁ、早く押せ……!」と催促する馬数寄の姿だった。
「この亡霊。一体何があって泣いてみるのだろうか……」
「……」
利根澤は言いたかった。泣いているのは
「では次だ……」
そう言って馬数寄は次に見せたいものを探す。
「次に見せたいのは
『ギャアアアアアアァァァァァァッッッッッッ!!!! 馬数寄会長!! どうか、どうか許してくださいッッッッッッ!!!!』
四肢を縛られVRゴーグルをつけられた男が、糞尿を垂らしながら地面にのたうち回る。
「か、会長……これが――」
「しー!」
何か言おうとした利根澤を馬数寄が止める。そして
『嫌だ!! やめて……やめてください…………おかあちゃーーーーーーん!!!!』…ヶ
そこで動画が終わった。
「利根澤。最後の音声を聞いたか……?」
「は、はい……小さくて聞き取りにくかったですが、おそらく『助けて』と……」
「あぁ、しかもイントネーション的におそらく西日本……それも岡山の東部あたりのイントネーション……! よほど恐ろしいことがあったのじゃろうな……」
しみじみと言う馬数寄に利根澤は心の中で叫ぶ。
(すごい……会長の分析力。しかしよほど恐ろしいことを体験しているのは
「最後に見せたいのはこれだ」
「う……!!」
鞄から一枚の写真を見せられ、利根澤は固まる。
「これは以前とあるバーで意気投合した男からもらったものだ。奇怪な化粧をした男だったが意外と気があってな。その時にもらったものだ。見ろ……!!」
馬数寄は指さす。そこに写っていたのは恐怖で顔を歪める人の顔のように見える炎、そして。
『熱い、熱い! 誰か助けて……うぎゃああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!』
という声が今にも聞こえそうなほど
「どうだ……恐ろしいだろう?」
「は、はい……」
そう答えながら利根澤は思った。
(いや、恐ろしいのはこんなことを
天皇賞春。すごかったですね、テーオーロイヤル。