転生したら女の子だった   作:カヤをいじり隊

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時間かかりすぎました申し訳ない!


払底した間欠泉、再び湯の華は咲くか④

カスミたちが爆発音のする方へ向かっていった。

 

”チナツ、カヤの様子は?

「メディカルチェックの結果出ました。えっとこれは、酔って…る?」

「カヤさんが飲酒?いやまさかそんなはずは…」

 

「…んんっ!アルコールが入ってる温泉でもあったんじゃない?ほらワイン風呂とか」

自分の下した診断に困惑しているチナツから目を逸らしてるとシグレのフォロー(?)が入った。

”…他に問題ないかな?”

「はい、身体的な異常は見当たりません。安静にしていれば問題ないかと」

 

”よし、ならカヤは寝かせておいてカスミたちを追うよ”

「分かりました。せっかくの先生との温泉を台無しにされたくないですからね」

「ぼく様も協力するのだ!レッドウィンターの温泉の調査はしたことなかったからなー」

「手早く終わらせましょう。アヴァンギャルドくん」

 

(ズドーン!)

さきほどまでの爆発音に加えて更に大きな爆発音が響き渡る。

現場に着くころには戦闘は終わりを迎えていた。残っているオートマタもカスミたちに殲滅されていく。

「ハハッ、これで終わりだな!」

「あははははははっ!温泉を汚す人は容赦しないよ~」

 

”カスミ!メグも…元気そうだね”

「当然だとも先生。こんな奴らは我らの敵ではないが…」

「うん、久しぶりに元気いっぱいのの部長と一緒で楽しかったよ~」

”それなら良かった。カスミ?”

「こいつらがゲヘナの源泉を枯らした企業だとしたら、今倒れているモノたちは先遣隊に過ぎないだろう」

 

そんなカスミの推測を裏付けるようにリオから声が届いた。

「ご明察よ鬼怒川カスミ、所属不明の集団がこちらに向かっているわ」

「やはりか!しかしこれで敵は我らの怨敵だと確定した。温泉開発部に手を出したことを後悔させてやろう」

「うんうん、やっぱり私は部長のその顔が好きだよ~」

リオからの周辺情報に獰猛な笑みを浮かべるカスミ、それを見て楽しそうにしているメグ。

まだカヤとカスミたちの問題は何も解決していないのに解決の要になりそうな温泉を壊されてはたまらない。

 

”ここで戦うとせっかくの温泉が巻き込まれてしまうね”

「はい、旅館に被害が及ばない場所で迎え撃つべきかと」

「じゃあここはどうかしら。ある程度の広さがあって彼らの進行ルートとも被っているわ」

 

「決定だな。ノドカくんとシグレくんはここに残って漏れてきた敵を頼みたい」

「分かりました!旅館の警備も女将の仕事ですので!」

「いいよ。ここが壊されると身体が冷えた時に温まるものがモルスしかなくなっちゃうからね」

 

ノドカとシグレに温泉郷を任せて迎撃に向かう。

 

”あれ、外なのにあんまり寒くない?”

「あぁそれはここら辺は地下に源泉が通っていてだな。場所によっては立ち入れないくらい熱気があるのだよ」

「そっちも開発したかったけど一気に温泉を造ったらその分消費も激しくなるからやめたんだ~」

「温泉開発部が全部掘ってたらゲヘナは穴だらけですからね」

「聞いてはいたがそんなにゲヘナは源泉に恵まれているのだなー」

「急いで、あまり時間がないわ」

 

”リオ、アヴァンギャルドくんを主軸にしたいんだけどいける?”

「この子は戦闘用ではないのだけど…でもアヴァンギャルドくんなら問題ないわ」

”うん、信頼してるよ”

「?信頼なんて有っても無くても性能に変わりはないわ」

”…そういうところだよ。ユウカもヒマリも苦労してるんだろうなぁ”

 

「ユウカは私の後を継いでミレニアムの核になれる生徒よ、それにヒマリも居るのだから何も問題はないわ。前よりかは彼女たちの仕事は減っているのだから」

”…そうだね”

 

「先生迎え撃つ地形の把握終わりました」

”ありがとうチナツ。じゃあみんな準備は良いかい?”

暫くするとヘルメット団とオートマタの軍団が姿を現した。

 

「会長!温泉開発部とその仲間から待ち伏せされています。…そしてあれはアヴァンギャルド⁉」

「ほぉ…不知火カヤが資源開拓団と手を組んだのか?」

「だがここで両方潰しておけば温泉資源化の利益は全て私のものに…」

「くくくっ…ふはははっ!いいだろうお前たちあいつらを倒…いや時間を稼げ!無駄飯食らいのお前たちでもそのくらいできるだろうからな」

「……分かりました」

 

”戦闘準備、やり過ぎないようにね”

 

 

「はぁ、こんな簡単に蹴散らされるとは…な」

地面に倒れたヘルメット団を見て1人の太り気味のロボがぼやいている。

 

ヘルメット団とオートマタを蹴散らして彼女たちを指揮していたそのロボと向き合う。

”あなたたちが温泉開発部を襲っている企業だね?”

「これはこれは噂の先生ではないですか…私はアドルフ・ナイヒ・ニューゲート。気軽にナイヒとでもお呼びください、シャーレの先生」

質問に自己紹介で応えた彼は高級品なのだろうスーツに身を包んで指や腕には様々な宝石を身に着けてる。周りにいるヘルメット団の子やロボットの従業員たちとは明らかに浮いていた。

 

”じゃあナイヒ、引いててくれないかな?私はあまり生徒同士で争うところを見たくないんだ”

「おやおや、聞きしに勝る博愛主義…いえ生徒至上主義といったところですか」

「では先生、我々が温泉を汲み取っているのを眺めているだけでいい。あなた達が手を出さなければ無益な争いは避けられますよ」

”ここはカスミたちが造った温泉だけど?”

 

「ふふっ、ふはははは!その通り!他人の土地(・・・・・)不正に(・・・)造られたものでしょう?」

ナイヒが高らかに笑う。

 

「ここはねぇ…既に私の土地なのだよ!」

「だから貴方たちは私の土地を無断で使っている違法集団なのだ。先生…彼女たちを連れてここから早く立退きたまえ。それくらいの時間を待てないほど了見の狭い大人ではないとも」

自信満々にそう宣言する姿は嘘を吐いているようには思えない。だけどもしそうなら見逃せないことが一つある。

 

”…チェリノに何をしたの?”

「あぁあのレッドウィンターのガキか。なに、少し高いプリンを10個ばかしくれてやったら喜んでサインしてくれたよ」

「この場所の価値も分からずにな!バカなガキだあんなのを生徒会長に据えているレッドウィンターもレッドウィンターだとも…あの厄介な女を別件で誘い出してやればそれはもう簡単だったよ」

 

”・・・・”

「おや、どうしたのかな先生?そんな目をされても困るよ。この場において正しいのは私なのだから!」

「それにあなたは先生なのだから先を生きるものとして生徒に模範を示さねばならないのでは?正しい大人としての見本を、法に従うといった形でね」

ナイヒが楽しそうにこちらを見つめてくる。残念ながら今の話が本当ならばあちらに正当性がある、どうすればいい…?

打開策を考えているとリオがナイヒに尋ねた。

 

「あなたはここの資源を開発すると言ったけど、新規開発の貸し出しの連絡は受けてないわ。アヴァンギャルドくんの貸し出しもね」

「おやこれはミレニアムの会長ではありませんか。ふふっ…ご機嫌麗しく。しかしその答えはすぐに分かりますよ、す ぐ に ね」

「それはどういう…」

その時地響きの音とともにヘルメット団の声がした。

 

「会長!到着しました」

「うむ、良いタイミングだ!」

「……にしても時間稼ぎすら出来ないとは、な。本当に使えない奴らめ…お前たちもアイツらみたいに捨てられたいのか?」

「…申し訳ありません」

 

「ようやく着きましたか。赤冬の土地は寒すぎていけませんね。凍えるかと思いましたよ」

眼鏡をかけた白衣を着た不養生そうな犬が現れた。

 

「よく来てくれたな博士。アレの調子はどうだろうか?」

「ふふっ、勿論万全ですよ。おやアヴァンギャルドもいるのか…結構なことです性能テストとして丁度いいですから」

「そうだな、ここにいるミレニアムの会長にも見せてやれ。我々の誇る技術の集大成をな!」

白衣を着ている博士と呼ばれた男の後ろからアバンギャルドくんの2倍はあろうかという巨大なロボが現れる。

 

「見るがいい!これが新時代だ!このアドルフ・ナイヒ・ニューゲートの時代の幕開けを告げるモノ」

「アヴァンギャルドとかいうダっサい(・・・・)ロボとは違い性能もデザインも一新した新時代のロボット!人型をベースにしてカラスの特性を取り込み精錬させた…その名もダーク・ロウ」

 

まるでガ〇ダムみたいな流線型の真っ黒なボディに翼のようなブースターを付けた二足歩行のロボット…正直カッコいいい!

 

「開発で得た資源やオーパーツをふんだんに使ってあります。あなた達生徒(・・)なぞとは比較にならない戦闘力を持っていますよ。まぁ戦闘にすらならないと思いますが」

自信満々に犬の博士がその性能を謳う。

 

「ふふっ、もう時間稼ぎをする必要はなくなった!」

「開発を邪魔するものにはさっさと退場頂こう。その後にゆっくりと資源開発を行えば良い…博士の開発した製錬用のマシーンでな!」

「あなたたち…まさか」

 

「ふははっ今さら気付いた所で遅い!抵抗するならするがいい……抗えるものならばなぁ!」

そしてダーク・ロウがナイヒの命令に従って襲いかかってきた。

 

みんな(なにアレ欲しい)!”

「先生?いえ、準備は万全です」

「勿論なのだ」

「いつでもいけるよー」

「やつらに鉄槌をくだそうじゃないか」

「…アヴァンギャルドくんシステムオールグリーン、いくわ」

 

「まずは仕掛けから…」

「アヴァンギャルドくんアレを抑えて」

「やっふー!」

アヴァンギャルドが正面からダークロウを相手取る。その間にカスミがあちらこちらに爆薬を仕掛け、メグの火炎放射を放つ。

しかしダーク・ロウメグの炎に焼かれても全く気にせずアヴァンギャルドくんを押し返してくる。

「ぐぬぬー。私の攻撃あんま効いてないー」

 

「あのロボも巻き込んでしまうが…まぁ仕方ない犠牲だな」

カスミが仕掛けていた爆薬に指向性を持たせダークロウをアヴァンギャルドくんごと爆破した。

しかし煙が晴れた場所には…

 

「ふむ、硬いな…」

爆破されてもあまり堪えていないダーク・ロウが翼を広げて…その内側からミサイルが飛んでくる。

 

”っ、みんな避けて!”

チナツに抱えられてミサイルを交わす。

メグもカスミも飛んで避けている。リオは…

「迎撃して」

アヴァンギャルドくんの銃撃でミサイルを誘爆させていた。

 

「ふむ、なかなかやりますね」

ダークロウの後ろから博士が呟く。

「うむ、だがそろそろ終わりにしよう。あんなヘンテコなロボと我らのロボとの格の差というものを見せてやれッ!」

「了解しました。折角ですシールドも展開しておきましょうか」

ナイヒの言葉とともに博士が手元の装置を操作した。ゴゥンというさっきより重い駆動音、それに気のせいだろうかダークロウの姿が歪んでるように見える。

 

「アヴァンギャルドくん」

先手必勝とばかりにリオがアヴァンギャルドの武装を開放する。ミサイルの代わりに新設された腕から鉱石の砲弾がダークロウに向かって飛んでいく。

 

「ふふっ甘いですよ」

そのままぶつかるかと思った鉱石の塊がダークロウの装甲に当たる前から逸れた⁉

「お返しと行きましょうか」

 

(ダダダッ!)

「…これは」

受け止めたアヴァンギャルドくんの盾が凹んでいる。間違いないさっきより威力が上がっている。

ダークロウが腕の高射砲を撃ってくる。その度にアヴァンギャルドくんが盾で受け止め他のアームから機銃の掃射で反撃するも状況が悪いまま。

 

”…想像してたより数倍は硬い”

「くっ、装甲が厚すぎて有効打が入りません!どうしましょう先生!」

後方から援護射撃をしていたチナツが弱ったように声を上げた。

言うだけのことはある。あれから撃たれるようになった追尾してくるエネルギー弾が威力もあって厄介だし、まるでいつぞや戦ったアバンギャルド君(・・・・・・・・)のように装甲が硬い。

「腐食耐性が高すぎるのだ…それに今アレに攻撃しても意味ない気がするのだー⁉」

いくつも薬品を投げていたサヤも打つ手がないらしい。

 

「はぁ…間違いなさそうね」

リオは何かを確認するようにじっと向こうのロボを見つめている。

”どうかしたリオ?”

「…いえ、何でもないわ。今は事態の収拾に徹しましょう」

”……?そうだね”

 

 

「ふはははははは!」

「圧倒的ではないか我がダークロウはッ!これを量産していけばキヴォトスの覇権は私のものになる!」

「えぇ、そして私はキヴォトスの技術革新を起こした研究者として歴史に名を残すのです!」

「そうだとも博士!我ならあなたの技術を十全に活かせる。このまま引き続き研究を頼むよ…なに研究のための資材は惜しまんとも」

「ありがとうございます。ふふっ、そして今は無理でもこのまま研究を重ねていけばいずれ❘空間を跳躍する装置《テレポーター》にすら手が届く!そうなれば…」

 

”……えっ?”

上機嫌のナイヒと博士が己の野望を語り合う

 

「テレポーターだと…⁉そんなモノが出来るはずが…でもさっきからあのロボの周りにある揺らぎはもしかして…⁉」

「話を聞くにあのロボの超防御は空間に干渉する技術が使われているということか、信じ難いことだがな」

「部長が真剣に考え込んでる…それだけやばいってことだよね!どーしよ」

 

「…先生?」

三人が驚く中、戸惑ってる私をチナツが心配そうにのぞき込んだ。

”…ちょっと待ってねチナツ”

チナツが不安そうに見てくるけどごめん!いまちょっと頭が回ってない。

 

「ふははは!君たちのような子供には分からない話だろうよ。あぁそうだ温泉開発部のカスミといったか…」

「どうだ我の元に来ないか?モノを知らないガキだがその技術は評価しているのだ」

「ありがたく思え!我がお前たちに土地を用意してやろう…そしてお前たちはそこを掘ればいい…」

「「・・・・」」

「なぁに掘り切れないだけの土地を用意してやるさ。お前たちはそこで一生温泉を掘り続けていればいいだけだ」

勝ち誇ったナイヒがカスミとメグを勧誘しているそれを聞いている二人は不気味なほど沈黙したままだ。

 

 

「ミレニアムの生徒会長…どうすですか私の作ったロボは?耐久性・可動性・攻撃性能において右に出るものはないでしょうとも?」

「そうね、もう少し詳しく話を聞かないと判断することはできないわね」

「くくっ、そうでしょう。相対したところでこのロボの素晴らしさを理解出来ませんからね…もっとも説明したところであなた方にこのロボの全てを理解することはできないでしょうがね」

「なぜならあなた方(ミレニアム)にもこれほどのロボットは存在しえないでしょうから!」

 

…面白いことを言うわね

 

”…リオ?”

高らかに宣言するナイヒと博士。その宣言を聞いたリオの雰囲気が変わった。

「もう少し好きにさせておこうと思っていたのだけど…」

「アヴァンギルドくんオート戦闘モード解除…マニュアルモードに変更」

リオがそう宣言すると目に見えてアヴァンギャルドくんの動きが変わる。

 

”リオそれって…?”

「えぇユズが使った時と同じよ。流石にあの子には負けるけど私もそれなりに操作できるわ」

”リオのそれなりって…”

 

ちょいちょいとサヤがカスミに話しかけた。

「お前たちは炸薬で温泉を開発しているのだな。ここにきてから抽出した成分なんだが入れてみないかー?爆破の威力が増すことが分かったのだ」「チュー」

「おっとこれは…君にも言いたいことは多々あるが。今は感謝しようじゃないか。これからの温泉開発が捗るからな!」

「うんうん。爆発は芸術だーってね。私にもなにかない?」

「うーん、あっ。お前は火炎放射を使うのだったなー。ならこれを混ぜて…ほらこれで色が変わるぞ」

「ははっ、なにこれ面白ーい♬」

「ワンダフォー!素晴らしい取れる手段が増えたじゃないか」

「のろしに警笛に…ふふこれからが楽しみだなぁ」

 

「(ぶるっ)気のせいでしょうかさっきから寒気が止まらないのですが…」

”大丈夫チナツ?身体でも冷やした?”

「先生!いえ気にしないでください」

チナツにストールをかけながらナイヒたちに向かい合う。

 

「なんだ、まだやるつもりなのか?」

勝ちを確信しまだ戦おうとする姿を見て呆れかえったナイヒが言葉をかけてくる。

 

「先ほどの戦闘で力の差は分かっただろうに。これだから物分かりの悪いガキは困るのだ…博士!」

「準備は出来ていますよ。これも戦闘データの足しくらいにはなりますからね」

「あぁ!このアドルフ ナイヒ ニューゲートの威光思い知れ!!」

白い煙を上げてダークロウが動き出…

 

…うるさいですよ

 

(パァン)

その言葉が聞こえたかと思うと先ほどの戦闘でさえ全く傷がついていなかったダークロウの腕を一発の銃弾が通り抜けた。

 

「「なっ⁉」」

 

ナイヒと博士の顔が驚愕にゆがむ。

声がした林を見ると硝煙を漂わせた黒い拳銃を持ったカヤが出てきた。

 

”カヤ治ったんだね!”

色々と事情を知ってそうだし、これで問題は解決された。そう思ったんだけど…

 

「…待ってちょうだい。カヤの様子がおかしいわ」

”リオ?”

よく見るとまだカヤの顔は赤いままで千鳥足でふらふらしている。

”カヤもしかしてまだ酔って…”

 

「ナイチチだの…ヒンニューだのぉ……ぶっ殺してらりますよ!」

 

「「「「「「「……えっ?」」」」」」」

 

空気が凍る。

 

((((((いや、誰もそんなこと言ってない!!))))))

 

その場にいた全員の心が一致した瞬間だった。

 

 

「落ち着いてちょうだいカヤ。誰もそんな発言をしていないわ」

一番最初に立ち直ったのはリオだった。

凍った空気をモノともせずにカヤと親交も深いリオが落ち着かせようと口を開いて宥めにかかる。

「大方そこの男の名前を聞き間違えたのでしょう。今ここで起きているのはこの温泉郷の土地を巡った争いで…」

 

ナイヒと争うに至った状況を淡々と説明するリオ、カヤもふらつきながら話を飲み込もうとしているし大丈夫そうだ。そのまま事を収めて…

 

 

「それに胸があると困ることも多いわ」

 

”…リオ?”

 

「胸が大きいと無駄に肩も凝るし、デスクワークの邪魔になることも多くて非効率的なのよね」

「・・・・・」

「下着も付けられる種類が限られてしまうし…だからあなたくらいが丁度いいと思うのだけど?」

「」

 

”…リオぉ!?”

 

(パァン)

鉛玉が返答だった。

放たれた銃弾をアヴァンギャルドくんがうまく逸らしながら手で掴み取った。

 

「なにするの?危ないわ」

何故撃たれたのか不思議そうな顔をしているリオ。

 

「流石ですねリュオ…でしゅたらこれはどうれすか」

(ダン ダン ダン)

カヤが銀の拳銃に持ち替えて今度は連続で撃つ。

「同じことよ」

リオの操るアヴァンギャルドくんが銃弾を逸らし弾く。

狙いが乱雑とはいえ決して無視できない威力の銃弾をああも簡単にいなすリオの技術に見とれていると

 

「いや待てぇ!このナイヒ様を無視してるんじゃない!博士っ!!」

「え、えぇ勿論です。さっきのは偶然…私のロボがあんな簡単に貫かれるはずがないのです」

「あぁ、不知火カヤも出てきたのだアイツさえ手に入れてしまえば我の計画は完成したも同じ。ここにいるガキどもを蹴散らして我の威光を示して…」

 

「忘れるわけないじゃあないか!」

 

(ゴゴ…ドッカーン!)

ねっとりとしたカスミの声と共にダークロウがいた場所が地面ごと爆破された。

 

「「なぁ!?」」

「お待たせしたかな?銃撃と爆破耐性は分かったからな、次は足場を吹っ飛ばされても戦闘が続けられるのか調査といこう。メグ君!」

「はいはーい。じゃあ繋げちゃうよ~」

(ザァーッ!)

土が跳ねのけられて陥没した穴の中に温泉が注ぎ込まれる。

 

「博士ッ、大丈夫なのだろうな!?」

「も、もちろんです!耐水、耐蝕の実験は成功しています。ただ先ほど開けられた穴や爆破の衝撃による影響がどうなるかは…」

「おや、なにかお困りごとかな?ハハッ、存分に味わってくれよ。我々の怒りはこんなものではないぞ」

ドスの効いた声でカスミがナイヒたちに呼びかける。

 

「くっ、どうなっても構わん!奴らさえ倒してしまえば我の計画は完成するのだから!」

「…だから全力で相手してやれ」

「了解です…ダークロウ!」

博士の指示で半分以上お湯に浸かっていたダークロウがまた動き始めた。

 

「おっと、おでましだな! ハーッハッハッハッ…」

…散々我々の温泉をコケにしてくれたのだ、ただで済むと思うなよ?

 

「うん、あいつらのやりたい事、全部、全部削りとっちゃおー」

カスミとメグが動き出す。

 

「おー!ここまで威力が増すとはレッドウィンターも侮れないのだな。もしかしてここなら実験し放題なのだ?」

サヤは淡々と目の前で行われている実験結果を考察している。

 

”リオ!カヤもカスミたちを手伝って…”

 

「前々からあなたには言いたいことがあったのですよ!」

「?言えば良いじゃない。カヤ、報連相は大事よ?」

「あ”ぁぁ~っ!」

 

あっ、ダメそう…

今まさに格ゲーみたいな動きでアヴァンギャルドくんがカヤの攻撃をあしらい、カヤもアヴァンギャルドくんから撃たれる銃撃や精製された鉱石を奇妙な動きで避けている。

 

「どうして私は撃たれているのかしら?いえ、また何か間違ってしまったのでしょうね…」

「カヤそんなに唸っていても分からないわ。言葉は簡潔に分かるように言わないと」

お前を潰す…

「ふむ、簡潔かつ丁寧で分かりやすいわね」

「でも肝心の理由が分からないわ……いや、もしかしてこれは アリスが見せてくれた漫画の友情イベント(河原で友人と殴り合い)?それなら…アヴァンギャルドくん!」

 

少し楽し気な雰囲気のリオがアヴァンギャルドくんに指示をだした。

アヴァンギャルドくんの背が開き収納されてた二本の腕がでてくる。

そして打ち出した鉱石を空中でぶつけ始め…今までの直線的な攻撃だったものが立体的な攻撃へと変わった。

 

「ちょ!ま…ぁッ⁉」

「分かっているわカヤ。…正直少し憧れていたの。私に着いて来れる人は限られているし、ヒマリは控えめで大人しかったからこんな風に私にぶつかってくることはなかったし…」

「だから全力で相手してあげるわ」

「ふっざ!こんなのただのワンサイドゲ…っ!」

 

その合間にリオとカヤの言い争い(?)してるのだからこちらに余力を割く余裕はないだろう。

リオも楽しそうだし…

 

”よし、皆ヒットアンドアウェイでいくよ”

前衛が居ないのが不安だけどやるしかない。幸いダークロウは損傷しているしカスミたちは絶好調だしなんとかしてみせる…!

 




イベント完結はまた次回です、こんだけ引っ張ってるのに申し訳ない。こっちは書いてないけどすぐ終わる…はず。
本編は3話弱くらいは書いたけど中学編すら終わりそうにない。
トリニティ関連の設定を全ぶっぱ出来るエデン条約編とか構想全部あるのにたどり着く気がしないという…
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