転生したら女の子だった 作:カヤをいじり隊
俺たちは雰囲気で会話劇を書いている…
「それでこの前ティーパーティの方がお越しになって…」
「ふむ。ナギサやはり君は…」
あー、遠くで小鳥が鳴いてますねー
「ここは銃撃戦など起こることが少ないですが医療器具を拡充を…」
「ははっ、そんな乱暴するような人が来たら私がパパっとやっつけちゃうよー」
トリニティ肝いりのお嬢様学校自慢の庭園だけあってよく手入れされてます。
「これが…友達とのお茶会っ!」
「修道院ではあまりこのような催しモノを開くのは憚られますからねぇ…」
はっ!
ちょっと意識が飛んでいました。いえ、上の空とはいえちゃんと会話は続けていたんですけど。
ナギサさんはフォーマルな場にしたいと言われてましたが…この場で気を抜くのは致命傷になってしまうかもしれません引き締めねば。
「セイアちゃんこれはどうかな?ナギちゃんの手作りなんだよ、最近始めたばかりだから形はちょっと悪いけど」
「勧めてくれるのはありがたいが。すまないな私は食が細くてね」
「あはは、だからそんなに小っちゃいんだね」
「このエディブルフラワー*1香りも舌触りも良くて…」
「ふふっ、ありがとうございます、そちらの花は当家と契約している農園で作って貰っているものなんですよ」
「桐藤と契約してる?もしかしてあの農園ですか?」
「私も聞いたことがあります。アールグレイ家、トリニティで最も有名な茶園ですね。食用の花も作っていたのですね知りませんでした」
「はい、そうです。あそこの方は皆こだわりが強くて…でもその分あの農園で作られる茶葉は素晴らしいものばかりですからね。こういった茶会などでも高い評価を頂いています。」
「はは、この紅茶に文句を付けようものならその人が爪はじきにされるでしょう。トリニティの外から多くの茶葉を仕入れているうちには耳が痛い話ですね」
「いえいえ不知火家で扱っている茶葉も素晴らしいモノですよ。ただどうしても紅茶を極めたいなら品種・加工方法は勿論のこと。育成から最適な保存まで全て行わないといけませんからね。その期待に応えられる農園はトリニティにあそこしかなかったというだけで」
「あの農場から茶葉を卸して頂くにはとても難しい審査を受けないといけないと聞きましたが…どのようなことをするのですか?」
「えぇ紅茶について農場の方と少しお話するだけですよ。少し専門的な事も出てくるのでそれが難しいのでしょうね。実際に紅茶の淹れて出したりもしましたが」
「ふむ、私は紅茶を淹れたことがないのでダメですね。鍛錬の終わりに塩をいれて飲んだりして特にこだわりもありませんし」
「塩を、入れるのは、流石に…」
「そこまでおかしいことでしょうか?修道院でも夏場の礼拝ではお茶と一緒に塩を用意しておくことがありますよ?」
「うーん、水分補給という意味では正しいでしょうけど。ナギサさんが話しているのはお茶会での紅茶の飲み方ですからね」
紅茶に塩を入れるという話を聞いてナギサさんがショックを受けている。いやまぁお嬢様だと好きな時に食事やティータイムが出来ますし、水分補給なんて意識する必要もないでしょうからね。
ていうか今とんでもない事言ってませんでした?
あのトリニティ切っての紅茶狂いの貴族。しまいには茶葉を育てるに適した領地をその土地の領主から奪い…自分の土地と交換して至高の紅茶を淹れることに心血を注ぎ込み続けてる一族…
茶葉を卸して貰うために商談に行ったお母さまがズタボロの死んだ目で帰ってきたあの農場…
ぱんじゃ…らむだっけ?あれからお母様はそこの農園の話をしなくなったんですよね。
あの一族を相手に少しお話するだけ…?
ナギサさん…貴女も大概ヤバい人ですね!
うーん、彼女の前で紅茶について下手なことをしない方がよさそう…
「はぁ、女の子はお砂糖とスパイスと素敵な何かで出来ている…だったか。その通りのようだね。まるできみはそのロールケーキのようだ」
「えー、私そんな食べちゃいたいくらい可愛いかな?」
「そうですサクラコさん。シスターフッドで行われている炊き出しのことで聞きたいことがあるのですが」
「はい、私は小さな頃からシスターとしてお手伝いしていますから大体のことは答えられると思いますよ」
おや?なんだか肌寒くなってきましたね、ひざ掛けでも持ってきてもらいましょうか。
「そうだね。君が今手に持っているモノのようにふわふわで甘そうに見えるよ」
「ふふっ、ありがとう。セイアちゃんの話は難しくて分かんないから普段もそれくらい素直に言えばいいと思うよ」
「ふむ、それはとても興味深い話だ。前向きに検討しよう」
「それは流石に露骨過ぎない?」
「救うべき寄る辺の無い子供たちを炊き出しや配給を盾にして修道院での後ろ暗い仕事を手伝わせているとの噂があるのですが、これは本当ですか?」
「い、いえ!そのようなことは決してありません。確かに炊き出しなどを行う前にミサへの参加や地域の清掃などをお手伝いしてもらうことはありますが」
「地域の清掃?そういえばトリニティ内で急に人が居なくなる事件が問題になっていましたね」
「それ…は、私たちの活動とは関係ないと思いますよ」
「やはり何か知っていますね!」
あっ、美味しいなこのお菓子
紅茶を注いでもらう。バラの花びらを口直しに食べて滅多にお目に掛かれない茶葉で淹れれた紅茶を堪能する。
丁重に手入れされた庭園、美味しいお菓子、完璧に淹れられた紅茶。
これ以上何を望むことがありましょうか。
あっそうだ!後でナギサさんにこのお茶会で出してくれたお茶菓子のことを聞かないと…
なんて考えていたらナギサさんと目が合った。
とても上品な笑顔で此方を見つめてくる。そのきれいなお目目が何かを伝えてくる。
えーっと、なになに?
そちらはお任せします、ね?
あっ、はい。
気付いたら私は頷いていた。
「ほらミカさん。こちらのロールケーキもいかがですか?」
「えっ、ナギちゃんま…っぐ」
「むぐぐー!」
「すみませんセイアさんホストとして失念していました。お供の鳥さんにこちら準備してましたの、私たちだけでお茶会をするなんて寂しいことと思いませんか」
「おやこれは…ありがとうナギサこれで彼女も喜んでくれるよ」
「いえいえ。もし鳥さんと一緒に茶会をしたいというのであれば言ってくださいね。ティーセットも用意しますよ?」
流石桐藤家が誇るご令嬢。凄まじい手際の良さですねー
片方は幼馴染とはいえ扱いの難しそうな二人をああもあっさり
そろそろ現実を見ましょうか。
「ですから申し上げている通り、我々シスターフッドに裏の意図などございません。求愛精神に基づいて手を差し伸べているだけです」
「そのような情報を開示しない秘密主義が周りからの不安と疑惑を煽っているのではないですか?」
「もちろん派閥同士の都合上、全ての事柄を明かすことなど出来ません。しかし私たちは清廉潔白に生きその勤めを果たしています。憚られるような真似はしてませんし突き上げられる謂れもありません。そう少なくとも我々シスターフッドは」
「っ!そういうところです!」
私を挟んでバチバチと明らかに物理的に影響が出てるオーラを纏った
…えっ?
私にこれを仲裁しろと???
わ、私は不知火カヤ!
不知火家の長女でありキヴォトスでも有数の財力と血筋を誇る。
いずれはトリニティの頂点に立つ者!!
お嬢様の言い争いの仲裁くらい…出来らぁ!
「本日はお集まり頂きありがとうございました。また皆様をお茶会へお誘いしたしますので予定が合えば是非お越しください」
「ばいばーい☆みんなとお話するの楽しかったよー」
「うむ、悪くない時間だった。暫くは無理だろうが…そうだね試験が終わった頃でもまた集まってみるのはどうだろう?」
「はい!その時は是非参加させて貰います。今度は修道院特製のお茶菓子などを持ってきますね」
「話はまだ終わっていないのですが…しかしサクラコさんの話に聞くべきところがあるのも事実。では皆様またお会いしましょう」
「」
傾き出した陽を浴びて満足した表情のセイアとサクラコ、若干納得のいってなさそうなミネが庭園から帰っていく。
「カヤちゃんさっきからボーっとしてるけど?」
「…あぁミカさん、すみません。お茶会が楽しすぎてついウトウトしてしまって」
「うんうん。そんなに楽しんでくれたならナギちゃんも喜ぶよ」
「はい、そこまでカヤさんがお茶会を堪能してくださってとても嬉しいです。」
「そうですか…」
「はい、なので次のお茶会の際は一番に招待状を送らせていただきますね」
「わーお!ナギちゃんとっても嬉しそう」
「…ありがとうございます」
もう皮肉を返す元気もない…さっさと迎えを呼んで帰りましょう。
サクラコさんとミネさんの間に入って仲を取り持つのは凄く、すごーく疲れました…
(後日談)
「ナギサさん!」
「カヤさん?このようなところで話しかけてくるのは珍しいですね、どうされました?」
「重要な話ではないのですけど。その、今度のお茶会では席を入れ替えてみるのはどうかと思いまして」
「いや、別に今の席順に不満がある訳ではないのですけど。ほら、席が同じだと話す相手も固定化されてしまいますし…それに私もナギサさんやセイアさんと沢山お話してみたいですから」
ふむ、そう…ですね。
そう言って私に微笑みかける桐藤ナギサはとても綺麗だった
ストーリー読むまでセイアとセリナごっちゃにしてた…
夢の中からずっと先生のこと見続けて、先生が倒れたら即テレポートしてくる先生ストーキングガチ勢セイア概念って需要ある?