レジェンドオブアストラル   作:Yukimidaifuku

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プリンセスナイトと誓約王

「そんな緊張しなくても大丈夫ですよ。お姫様の護衛は異能対策課の人たちがやってくれますし」

「そうは言ってもね。舞奈ちゃん、どう見てもここはセレブ達が集まる会場で庶民である僕には程遠い場所だよ。舞奈ちゃんは随分と落ち着いてるね」

「私たちは政府に頼まれて姫様の護衛を引き受けましたが、異能対策課らがいれば私たちの出番なんてないですよ。それにこんなに美味しそうなご飯がありますから堪能しないともったいないじゃないですか」

 

 舞奈の言う通りテーブルには豪華な料理がある。

 立食になっていて他のセレブの方達はゴネを作ったりと挨拶に行ったりとで食事はあまり手をつけられていない。

 

「もう舞奈ったら……。真面目にやらないと」

「へいへい」

 

 普段なら料理を堪能しそうなセレナは憂帯びた視線をユースティアナに向けている。

 ユースティアナのことが気になるのか料理に興味を示さない。

 ユースティアナはお偉い方々に挨拶をしている。

 イケメン貴公子のディルックは女性に囲まれている。

 

「いやー、ここの料理はおいしいねー! 真白くんも食べないのかい?」

「あのー……。比企ヶ谷さんはユースティアナ様の側にいなくてもいいんですか?」

「王女様の側には一式さんと鼎さんとエンデヴァーがいるから大丈夫さ。それと比企ヶ谷って言いにくいから真咲でいいよ」」

「舞奈ちゃんのように真白きゅんも達も楽にしていなよ。あまり肩肘を張り過ぎると大変だよ」

 

 真咲と七海は料理を美味しそうに食べている。人の言葉言えないが、護衛の人がそんなに緩くて大丈夫なのかと疑問に思ってしまう。

 真白はパーティー会場を見渡す。財政界の大物や国会議員にテレビで話題のセレブ達がいる。

 見渡すと知っている人物がいた。花園百合奈だ。その隣には綺麗な女性とイケメンな男性が二人いた。

 

「せ……レナ。あそこにいるのって花園さんだよね? 」

「はい、そうですね」

「どうして花園さんがここにいるのかな?」

「このホテルは昴様のお兄様である桐生院裕貴きりゅういんひろたか様が経営するホテルの一つです」

「なるほど。花園さんの近くにいるあの美男美女は?」

「あれは昴様のお兄様の裕貴様とご子息の絋貴こうき様とご息女の刹那せつな様です」

 

 確かにどこか昴に面影はある。

 人を寄せ付けないような雰囲気のあるイケメン二人だ。

 そして妹の方は気品があり穏やかで思慮深くありそうだ。

 ここに知り合いがいると、少し面倒だ。

 今はセレナは髪色を変えて変装しているがセレナすきすき侍の百合奈は気づきそうだ。

 

「ねえ、レナ。ユースティアナさんと挨拶している人って七冠の人じゃないかな?」

 

 七冠の一人で誓約王キングゲッシュと呼ばれる人物だ。

 アメリカの企業で社長をやっていてあらゆる分野の事業に手を出している実業家だ。

 またプロゲーマーが数多くいる『ラウンドテーブル』というギルドのマスターである。

 開発関係者とアストラル出資者だから呼ばれたのかもしれない。

 すると。こちらの視線に気づいたのかこちらにやってきた。その横には真白と同じ歳の少年がついてくる。

 

「少しいいか」

 

 七冠の一人、ガリウス・ペンドラゴンが真白のところにやってきた。

 

「僕になにか?」

 

 警戒しながら真白は。平静を務めながら穏やかに心がける。

 

「そう警戒するな。昴のプリンセスナイト」

「僕のことを知っているみたいですね」

「ああ、昴とは友人だからなプリンセスナイトであるお前のことは少し調べさせてもらったぜ坊主。俺はガリウス・ペンドラゴンだ。こっちが俺の息子だ」

「初めまして神原真白くん。僕はユークリウス・ペンドラゴンだ」

 

 どうやら相手は真白のことを知っているようだ。

 ガリウス・ペンドラゴンとその息子、ユークリウス・ペンドラゴン。

 ガリウスは筋骨隆々とした体で顔もまあまあ良い。ユークリウスはクールなイケメンだ。

 

「七冠の一人であるガリウス・ペンドラゴンさんはなぜ僕に接触してきたんですか」

「坊主、俺と手を組まないか? 昴とは手を切って」

「貴方は昴さんと敵なんですよね……?  なんでそんな話を敵側の僕なんかに持ちかけるんですか?」

「出来ることなら昴とは争いたくはない。 友人だからな。それに七冠の中には世界がどうなってもいいって立場の人間もいる。でも俺は違う。 あの人の掲げた未来に生きてみたいと思った。だからその実現に協力してる」

「あの人……? その未来って、どんな未来なんですか?」

 

 ガリウス・ペンドラゴンは七冠の一人の誰かを信奉している様子だ。

 

「俺たち七冠が人類にとっての絶対的な存在になって、全世界をコントロールする未来だ」

「世界の支配者…… 意外と分かりやすい野望ですね。そのためにアルテミスを狙ってるんですか」

「ああ、そうだ。 そのために逃げ出したアイツをリアルで確保、もしくはアストルムをクリアしたくてな……。協力してくれると助かるんだが、 どうだ? 報酬は払うぞ」

「残念ですけど、いくら出そうと僕はそちら側につきません」

 

 大金で動く真白ではない。いくら払おうと昴を裏切る気はない。

 何より世界を支配するなんて危険思想の人と組む気はさらさらなかった。

 

「ふっ……そうか。面白いじゃないか。 手伝うのがダメなら、 せめて邪魔はしないでほしいな」

「それは無理です」

「そうか…… 昴は友人だから、ホントはお前とも争いたくないんだがな」

 

 本当のことを言っているのだろう。

 昴に巻き込まれた形だが頼まれた以上、昴には協力するつもりだ。

 

「気が変わったらいつでも連絡しろ。これは俺の連絡先だ。アストラル内で会ったら容赦はしない。じゃあな」

「失礼する。キミとアストラルで戦うのを楽しみにしているよ」

 

 真白にの連絡先を渡して華麗に去っていく。

 その様子を見ていた者達は真白を興味津々に見ている。

 天才集団の集まり七冠セブンクラウンズの一人と一般人である真白だ。

 七冠とのコネを作るのはとても難しい。彼らはどうにか七冠との縁を結びたいと考えていた。

 視線には好奇、困惑など様々だった。

 

「真白くん、七冠の一人誓約王キングゲッシュガリウス・ペンドラゴンとはどういう関係なんだい?」

「どういう関係も何も、初めて会いましたよ。迷宮寺昴さんとちょっとした縁がありまして、それでガリウスさんはたぶん僕のことを知っていたんですよ」

「へぇ……他の七冠とも知り合いなんだ」

 

 真咲は興味津々さと面白そうに真白を見る。

 真白は妙に居心地が悪く、好奇な視線に慣れていなかったのだった。

 

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