「お疲れ様」
「お疲れ様です。ユースティアナ様、お疲れのようですが大丈夫ですか?」
「ふふふ、心配してくれてありがとうございます♪ これも王族の務めですから平気です」
王族としての立場があるんだろう。挨拶周りをしている時は貴族としての気品があった。
とりあえず一日目は何事もなく無事に終わった。
「今日は平和な一日だったね」
「このまま何も起きなければいいですけどね」
真咲と舞奈はめんどくさがりやのところが似ているからか気が合っているようだ。
「みなさんお疲れ様でした。明日もよろしくお願いします」
今日の護衛の仕事はこれで終わりになった。護衛一日目は何事もなく平和だった。
その日の夜。
真白は寝付けずにいた。高級ホテルのベッドは最高なのだが慣れていないこともあり、目が冴えて眠れなかった。
少し散歩でもしようと思い、琥珀たちを起こさないように慎重にそっと出る。
真白はホテルの庭園にやってきた。
すると一人先客がいた。ユースティアナだ。
「真白くんも眠れないのですか?」
「あはは、快適ではあるんだけど一般庶民の僕には少し緊張しちゃってね」
「そうだったんですね。よかったら少しお話ししませんか?」
断ることはないので了承する。
「それでユースティアナさんは寝付けずにここに?」
「はい、少し散歩でもしようと思い」
夜なら月に照らされるユースティアナはどこか儚げで美しい。だが、少し元気がないように見える。
「ユースティアナさん、なにかありました?」
「そう見えますか?」
「なんとなく」
「そうですね。少し話を聞いてくれませんか?」
ユースティアナは語り出した。
姉であるセレスティアナが見つかるのか。見つからずにこのまま婚約者候補であるディルックと婚約させられて、日本に行くことができなくなるのではないかと。
「ごめんなさい。真白くんにこんな話をして」
「いえ、話してくれてありがとうございます」
ユースティアナはセレスティアナを探せなくなり、一生会えなくなるのではと不安のようだ。
「ユースティアナさん、後で時間をくれませんか。とても大切な話です」
「大切な話ですか……。ふふふ、まるで私に告白するような台詞ですね♪」
「い、いえ、そういう意味で言ったわけじゃなくて」
「ふふふ、冗談です」
言われてみればそう捉えれなくもないが違う。真白はしどろもどろになる。
ユースティアナはそんな真白が面白くくすくすと上品に笑っている。ユースティアナは少し気分が晴れた。
「できれば誰にも知られないように一人でお願いします」
「わかりました。では明日の夜にこの場所で会いましょう」
ユースティアナが時間を作ってもらうことができた。真白はこのまま何事もなく無事に終わってくれればいいなと思いながら部屋に戻るのだった。
朝から騒がしいことになっている。
エンデヴァー達が真剣な表情をしている。
「おはようございます。何かあったんですか?」
「大変なことが起きた。今朝からユースティアナ様の姿が見当たらない」
「今朝から捜索したところ、これが見つかった」
ディルックが取り出したのはユースティアナのmimiだ。
「我々は誘拐事件と見て捜査を始めた」
「そんな……!」
セレナは悲痛な叫びを上げた。
「監視カメラでユースティアナ王女と接触した人物が浮かび上がった」
そう言って真白を見据えるディルック。
「君に話を聞きたい」
殺気立った護衛の皆様。
「協力してくれるね?」
真白は悟った。
これあかんやつだと悟ったのだった。
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