レジェンドオブアストラル   作:Yukimidaifuku

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プリンセスナイトとお姫様誘拐事件解決

 ディルック・ランドールがユースティアナを攫った犯人だったわけで、無事に真白の疑いが晴れた。

 現在、ユースティアナは検査のため病院に入院することになり、真白達は燐たちに知ってることを話していた。

 カノンたちの正体を明かしたため夏海たちは頭を抱えていた。

 

「ディルック様が宇宙人で混沌災禍カオス・ブリゲードの組織の人間だったなんて……」

「亡くなったことにされていたセレスティアナ様が生きているなんてね。真白くんたちは何者なんだい」

「そう言われましても、僕は能力を持ったこと以外は普通の一般人ですよ」

「一般人ねー……」

 

 そんな一般人がいるわけあるかと、真咲が目線を向けてくる。

 

「はぁー……私たちは大変なことを知ってしまいましたね」

「夏海さん、このことは上には報告しない方がいいですね」

「上には一部は誤魔化して報告しましょう」

「なんだかすみません」

 

 夏海と愛美には苦労をかけることに申し訳ない。

 

「さっきから一式さんが一言も喋らないみたいですけど、何かありましたか?」

「燐ちゃんたちが相手にしていた化物が凄まじい再生力で苦戦していたんだー。そこにベータって名乗る人が現れて化物を瞬殺しちゃって、燐ちゃんのプライドがズタボロになってるんよー」

 

 話を聞くとユースティアナを捜索している際に市街地に化物が現れたらしい。

 燐達は相手にしたが、その化物は凄まじい再生力を持っていたそうだ。

 そこにベータと名乗る女性が現れて、化物に苦戦していた燐達に対してベータという女性は余裕で倒した。

 

「カノンくんはベータって人物は知ってるかい?」

「直接会ったことはないけど、名前ぐらいならかな幻王様とその配下の人たちは主に諜報などがメインだから交流は少ないから知ってることは少ないんだ」

 

 カノンでも冥王と配下について知っていることは少なかったようだ。

 

 

 

 

 その日の夜。

 ユースティアナ王女誘拐事件は解決し、真白達の疑いは晴れたわけだが、齟齬がないか何時間にも及ぶ事情聴取が行われて深夜十二時を上回っていた。

 

「つ、疲れたー……」

「やっほー、シロウくん元気ー……ではないみたいだね」

「何でいるのラピス?」

「いや~偶然って凄いよね。こんな所でばったり再会するなんて、運命感じちゃうね!」

「いや、こんな所も何も、ここホテルなんだけどなー……」

「まぁまぁ、細かい事は置いといて」

「……細かくないよ。結構な事件だからねこれ」

 

 完全にロックオンしてきてるじゃないか、ホテルに不法侵入の上夜間に襲撃しといて偶然もくそもない駄目だ。突っ込み所が多すぎて追いつかない。

 こちらの魂の叫びを聞く気は無い様で、ラピスはニコニコと無邪気な笑顔を浮かべながら言葉を続ける

 

「あはは、いやーシロウくんたちの様子が気になってね」

「冥王様の配下にあったんだけどラピス、裏で動いてた?」

「ちょっと幻王に頼んでね。」

「カノンさんから幻王様のこと聞いたんだけど、その正体は知らないみたいでどんな方なの?」

「彼女はのんびりやでちょっとおじさんくさいけどいい子だよ」

 

 ますます持ってわからない。

 彼女ということは女でいいのだろう。

 

「幻王様の配下が助けてくれたんだけど、お礼がしたいけど直接会うって難しいよね?」

「彼女は滅多に人前には現れることはないから、ボクが代わりに言っておくよ」

「うん、お願い。ラピスもありがとう」

「えへへ、どういたしまして」

 

 

 

 

 翌日。

 ユースティアは病院での検査終えて退院した。

 

「ユースティアナさん、お疲れ様。体調の方は問題ない?

『はい、異常は特に認められませんでした。何もなかったとはいえ検査は疲れましたね』

「ユースティアナ、体調が悪くなったら、すぐに言うんですよ」

『わかりました。お姉様』

 

 セレナは現在、再び髪の色を変えていた。

 燐達には知られてしまったが、極秘という扱いになった。

 

「真白くんとお姉様とで、観光がしたいです」

「せっかくの再会なのに僕がいていいんですか?」

「私はお姉様と会えただけでも嬉しかった。お姉様と会わせてくれた真白くんにお礼がしたいんです」

「お礼だなんてそんないいよ。というかユースティアナさんには謝りたいことが」

「謝りたいことですか?」

「セレナのこと黙っててごめん」

「私は気にしてませんよ。こうしてお姉様と会うことができたんですから。真白くんは私たちのために考えてくれたんですよね」

 

 ユースティアナが不安になっていたのに言い出せなかった。

 

「お詫びにユースティアナさんがやりたいことなんでもするよ」

「今、なんでもって言いましたか?」

「僕のできる範囲でだけど」

「でしたら私とお姉様の三人でデートしてください♪」

「そんなことでいいなら、もちろんいいよ」

「私もですか」

 

 ユースティアナはとびきりっの美少女で王女こんな可愛い人となんてそうそうないだろう。

 

「真白くんエスコートしてくれますか」

「おうせのままにユースティアナ様」

 

 真白は貴族のような真似をしてみた。

 

「あの、ユースティアナさんや」

「ふふふ、なんですか?」

「わざとなのかな?」

「わざと?」

「……その、胸を当ててくるのは」

 

 無意識でもわざとでも勘弁して欲しいという気持ちを込めて指摘すると、ユースティアナが弾かれたように離れる。

 

 頬が赤くなるのをなんとか抑えつつユースティアナを見れば、ユースティアナの方が顔を赤くしているところだった。

 

「そ、そんなつもりないですっ」

「うん反応で分かる。ユースティアナさんも慣れてくると無意識にくっつくからそれでくっついたんだね。気を付けてね」

 

 真白も男なのでやっぱり異性の体は気になるし、なんなら胸は触る許可さえあれば触りたいと思うくらいには普通に煩悩があるので、ユースティアナには気を付けてもらいたい。

 自分の胸部に殺傷能力がある事にようやく気付いたらしいユースティアナが真っ赤な顔で唇を閉じてぷるぷるしているので、真白は苦笑してそっと距離を取る。

 やはり姉妹らしい。セレナも慣れると無意識のうちにくっついている時がある。

 

「お二人とも私もいるのをお忘れですか?」

 

 真白とユースティアナがイチャイチャしているとセレナは二人にジト目を向けてくる。

 心なしか声色からは不機嫌さも混じっている。

 

「もちろん、お姉様のこと忘れてないですよ。お姉様も混ざりますか?」

「ま、混ざりません!」

「ふふふ、お姉様可愛いですね♪」

「ユースティアナさん、良い性格してるねー」

「お姉様ってからかうと可愛いと思いませんか」

「うん、確かに少しからかうってみると可愛いよね」

 

 その気持ちはわかる。セレナは反応が可愛いくてついイタズラをしたくなる。

 なんとなくだが、ユースティアナとセレナの雰囲気が明るい。たぶん、再会できたことが嬉しいのだろう。

 

「真白とユースティアナはイジワルです。二人なんて知りません」

「あはは、ごめんごめん」

「ごめんなさい。お姉様に会えて嬉しくてつい」

 

 あまりからかい過ぎてもセレナが拗ねるのでこれ以上、からかうのはやめる。

 

「今は僕とユースティアナさんしかいないし、気楽にしていいよ」

「そうですよ。お姉様気を抜いて今日は楽しみましょう」

 

 燐達は離れた距離にいて護衛をしてくれている。

 

「二人はどこか行きたいところあるかな?」

「私はお姉様と真白くんが一緒であればどこでもいいですよ♪」

「真白が決めたところならどこでも」

 

 一応デートということなので定番のスポットを考える。

 

「遊園地なんてどうかな?」

「――えっ、遊園地にですか……!?」

 

 ユースティアナに遊園地の話をすると、彼女の表情はパァッと輝いた。

 やっぱり行ってみたい気持ちがあったんだろう。

 

「うん、せっかくだから遊園地に行けたらいいなぁって思って。どうかな?」

「もちろん、喜んで……! 遊園地は、デートの定番ですものね……!」

「えへへ、遊園地デート……」

 

 よほど嬉しかったのか、ユースティアナはそのまま真白の肩に頭を乗せてくる。

 本当に、なんだこのかわいい生きものは――という感じだった。

 とてもかわいくて仕方がなく、滅茶苦茶甘やかしたくなってしまう。

 

「ユースティアナさんは遊園地に行ったことがないんだよね?」

「はい、アストライアにももちろん遊園地はあるのですが……私は、連れて行って頂けませんでした」

 

 王族だから人目があるし、危険に曝される可能性もあるのだから、許可が下りなかったんだろうな。

 貸し切りとかにもできただろうけど、それをしたら偉い人がいるって明かすようなものだ。

 余計に危険になりそうなことを、わざわざすることはないだろう。

 

「じゃあ、いっぱい楽しもうね。二人の好きなアトラクションに乗ったらいいから」

「はい、今から楽しみで仕方がありません……!」

 

 ユースティアナは満面の笑みを真白に向けてくる。

 王女様やお姫様と聞くと、身構えてしまいそうになるけど――やっぱりこうして見てみると、そこら辺にいる一般学生の女の子たちとなんら変わりない。

 楽しい遊びを沢山教えてあげないと。

 

 ――まぁ、真白もあまり知らないんだけど。 

 だって、基本家でアニメを観たりゲームばかりしているような、引きこもりだったわけだし……!

 遊びに行くのなんて、それこそ紗希と瑠璃に誘われた時ぐらいだ。

 そんな言い訳を心の中でしている。

 

「――見て、凄い美人!」

「わっ、ほんとだ! めっちゃかわいいじゃん!」

 

 電車に乗ってすぐのこと。

 同じ車両に乗っていた女の子たちの視線が、こちらに集まる。

 どうやらユースティアナとセレナを見ているようだ。

 

 普通に歩いていても彼女達は凄く注目されるので、やはり目を惹いてしまう見た目なのだろう。

 とてもかわいいので、それも仕方がない。

 

「てか、胸めっちゃ大きいんですけど……」

「何あれ、反則じゃない……? 外人って、やっぱ凄いんだ……」

 

 まぁ注目されているのは、顔だけじゃないようだけど。

 

 でもわかる。

 見慣れていないと、本当に気になってしまうのだ。

 セレナと毎日一緒にいる真白でさえ、つい視線が釣られそうになるくらいだし。

 もちろん、気持ち悪がられないよう必死に我慢はしているのだけど。

 

「一緒にいる子は男の子女の子……?」

「どっちにしても可愛いね」

 

 二人と一緒にいたことで、真白も注目されたようだ。

 真白は注目されていることに居心地が悪かった。

 対してセレナとユースティアナは堂々としている。

 セレナとユースティアナは慣れているから気にしてはいないようだった。

 

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