レジェンドオブアストラル   作:Yukimidaifuku

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プリンセスナイト対プリンスナイト

 ツカサは結界を張るとシロウとツカサを取り囲んだ。

 

「それがツカサさんのプリンスナイトの力ですか?」

「ああ、そうさ。俺のプリンスナイトの力は結界。攻撃、防御に使える能力なのさ」

「俺を早く倒さないとキミは結界に阻まれて、抵抗できないままやられるちゃうよ」

「……なるほど。ツカサさんをささっと倒せばいいんですね」

「そういうことさ。ちなみにこの結界はそう簡単に壊せないようになっている」

 

 徐々に結界が狭まり、シロウに迫っている。

 

「【分身】」

「へぇー」

 

 最大八人に増えたシロウにツカサは面白そうに笑う。

 

「【加速(アクセル)】」

 

 八人に増えたシロウは加速してツカサとの距離を詰める。

 

「【ファントムラッシュ】」

 

 全方位からの一斉攻撃。ツカサの弓が双剣に変化する。

 

「【水流斬】」

 

 水を纏った剣が全方位からの一斉攻撃を捌き、弾く。弓が双剣に変化したことに驚いたが、ツカサの武器もシロウと同じ【ユニークシリーズ】かスキルを持っているのだろう。

 

「弓使いじゃなかったんですか?」

「確かに弓使いではあるけど、俺は全ての武芸を使いこなせるのさ。【水流連打《すいりゅうれんだ》」

 

 ツカサは水を纏った槍を突き出してくる。

 分身を解除し、なんとか躱していくが速いうえにに全て捌ききれない。

 

「【水流斬】」

「【カウンターブレイド】」

 

 スキルの一撃をクロスさせた両腕で受けて、カウンターで返す。

 しかしカウンターで返すもギリギリで避けられる。

 

「おっとと、危ない危ない」

 

 シロウの剣をかいくぐり右手の短剣を肩口に走らせる。ダメージは浅い。

 躱し、捌き、弾くが防戦一方で小さいダメージが蓄積されていく。

 

「騎士君!」

「僕は大丈夫だからそっちの相手をお願い」

 

 ヒナタは心配そうに声を上げる。なかなか厄介な相手だ。

 

「ヒナタちゃん前!」

「よそ見なんていい度胸ですね。【乱れ突き】!」

「【カバー】」

 

 よそ見をするヒナタにカレイドブラッドの槍使いの槍が迫る。そこにサキが大盾でヒナタを守った。

 

「サキさん、ありがとうございます!」

「どういたしまして、この人達を倒して弟くんの助けに入ろう」

「はい!」

 

 ヒナタ達はカレイドブラッドのメンバーを相手にシロウはツカサを相手にしている。

 

「ほらほら、どうしたんだ。シロウ、その程度の力じゃないだろ? もっと俺を楽しませてくれよ」

「この戦闘狂め」

 

 シロウは毒づく。速い上にPS(プレイヤースキル)も高く、七冠(セブンクラウンズ)のプリンスナイトとして選ばれる実力なだけあった。

 

「【武装展開】」

 

 シロウは両腕の部分だけ武装展開させると幾つもの銃が展開された。

 展開された武装を撃つとツカサは躱し、捌き、弾いて、一旦離れる。

 

「【分身】」

「今度は何をするんだい?」

 

 再び八人の分身を出してツカサを取り囲んだ。

 

「【全武装展開】」

 

 分身に武装展開をさせる。

 

「【攻撃開始】」

 

 爆音と共に全ての武装が火を吹く。

 

「【サークル・ソード】」

 

 さらに頭上から剣の雨が降り出した。

 さすがのツカサでも全て躱し、捌き、弾くのは無理だと思いたいが、そう簡単にやられる相手でもない。

 煙が晴れるとツカサは立っており、ノーダメージだった。ツカサを取り囲んで守る様に、結界が張られている

 

 

 

 

 

 

 シロウとツカサが戦っている間、ヒナタ達は十人いたカレイドブラッドは五人まで減っていた。

 

「シロウ様ならきっと大丈夫です」

「うん!」

 

 シロウとツカサが戦っている間、ヒナタ達は十人いたカレイドブラッドは五人まで減っていた。

 

「【影縫い】」

 

 セレナの【影使い】の熟練度高くなることで派生したスキルで、カレイドブラッドを拘束した。

 

「いくわよー♪」

 

 リサは拘束されたカレイドブラッドに向けて爆弾を【投擲】した。

 

「「があっ!」」

 

 ドカンっと爆発して、爆発によって巻き込まれたカレイドブラッドは全滅した。

 

「ツカサさんの仲間はこれで全滅です。帰ってくれませんか?」

「それはできないかな。仲間がやられて、はいそうですかと帰らせるわけにはいかないんでね。それに俺は任務でセレナを仲間にするか、拒めば倒すか頼まれているのさ。まあ俺には別にどうでもいいんだけど、強いやつと戦えれば構わない」

 

 ツカサは退く気はなく、このまま戦う気だ。

 残るはツカサだけだ。セレナ達は結界の外で入れないがユキの魔法ならサポートができるはずだ。

 

「ユキサポートをお願い」

「うん、任せて! 【オーロラベール】」

 

 ユキの魔法によりダメージカットと防御力が上がる。

 セレナ達は結界を破壊するために攻撃する。

 

「【加速】【ソードビット】」

 

 加速すると同時に二本の剣を出現させてそのまま突進する。

 

「【ストライクショット】」

 

 突進してくるシロウにツカサは弓に変化させて矢を放った。

 放たれた矢を【ソードビット】で弾く。

 

「【水流連撃】」

「【雷天蒼煌撃(らいてんそうこうげき)】」

 

 水を纏った剣が迫り来る、シロウは雷を纏った剣と【ソードビット】で相殺する。

 雷天蒼煌撃(らいてんそうこうげき)雷天双撃波(らいてんそうげきは)をラピスとのクエスト報酬で貰ったスキルオーブだ。

 

「「おおおおおッ!」」

 

 剣撃の嵐。縦横無尽に放たれるツカサの剣を撃ち落としていく。

 シロウもツカサも全て剣を撃ち落とせてはいなく、剣が掠ってくる。その間にも結界がどんどん迫る。

 一旦離れても休むことなく剣を繰り出す。

 

「あははは、いいねいいね! そうこなくちゃ! もっともっと俺を楽しませてくれよ!」

 

 楽しくなってきたのか不敵に笑い、戦いを楽しんでいる。

 もう勘弁してくれと思うが、シロウも負けるわけにはいかなかった。

 

「【水流斬】

「【クロススラッシュ】」

 

 スキルとスキルがぶつかり合う。防御せず純粋にスキルで力負けしたツカサは後方へとバランスを崩した。

 

「【雷天双撃波(らいてんそうげきは)】」

 

 追い討ちをかけるようにクロスさせた変幻自在とプリンセスソードから雷の斬撃が放たれた。

 

 雷の斬撃を受けて、ツカサのHPのみるみる減っていく。

 ツカサのHPはレッドゾーンに突入し、一割を切っていた。あと一撃与えればツカサも終わりだ。

 

「シロウ様、お急ぎください! 結界が迫って来ています!」

 

 セレナが急ぐように伝えてくる。シロウは決着を決めようとする。

 立ち上がったツカサはズタボロだが、笑みを浮かべている。

 

「いやー、やっぱり強いやつと戦えるのは楽しいね。キミは最高だよ」

「……」

 

 ツカサから赤いオーラが纏う。シロウは警戒しながら隙を窺う。

 

「【水流斬】」

「っ!?」

 

 素早い踏み込みで接近してきたツカサ。今まで戦っていた時よりスピードが速くなっていた。

 シロウはギリギリのところで躱す。

 

「今まで本気じゃなかったんですか?」

「いいや、本気だったさ。スキル【起死回生】の効果だよ。HPが減るほどステータスが上昇する」

「ピンチになればなるほど強くなると?」

「そういうことだね。HPが減らないと扱いに困るスキルだけど、俺にとってはピンチになるほど燃え上がるからいいけどね」

 

 なんとも厄介なスキル持ちだった。残り時間も僅か結界がもうすぐそこまで来ている。

 躱し、捌き、弾くが防戦一方で結界が迫ってくることもあり、焦りが募る。

 

(このままじゃまずい。なにか方法はあるはずだ)

 

『──やあ少年! いやーマズい状況みたいだね! でもキミの持っているプリンセスソードならあの結界を斬り裂けるよ! ……たぶん』

「たぶんってなんだよ!  確証はないのかよ?」

 

 シロウがなにか方法がないか探していると昴が画面から現れた。

 プリンセスソードなら結界を壊せるらしい。たぶんとはと思い呆れたが、レメが代わりにつっこんでくれた。

 

『おっと、注文きたから切るね!』

「注文ってなんだよ!? シロウ! その剣で結界を斬り裂くんだ!」

「了解! お願い、壊れて!」

 

 昴は言いたいことを言って通話が切れた。プリンセスソードでシロウは結界を斬り裂く。

 パリンっと音がして結界が壊れる。昴が教えてくれなかったらシロウは今頃ツカサにやられて、アストラルに二度とログインできなくなっていたことだろう。

 

「ふふふ、ははは、まさか結界が破られるなんてね」

 

 ツカサは高笑いする。結界を破られるのは予想外だったみたいだ。

 

「いいよきなよ。全員まとめてかかってきな」

「ツカサ、そこまでだ。今ここでキミを失うわけにはいかないんでね」

「イヤだね。こんなところで引き下がれるかよ」

 

 突如としてツカサの前に旅人風衣装をした男が現れた。その横にはヤエとノウェムもいた。

 

「……いいのか?  逆らうとプリンスナイトの力を失うことになるかも知れないぞ?」

「そうですよ。戦力が減るのは勘弁してくださいね。私のサボる時間がなくなりますので」

「おい、堂々とサボる宣言するなよ」

「……はぁー、わかったよ。せっかく盛り上がってきたところだったのにな……」

「やあ、初めまして昴のプリンセスナイトとその仲間達」

「貴方はツカサさんをプリンスナイトに選んだ人ですか?」

「そうさ、俺は七冠(セブンクラウンズ)の一人。跳躍王(キングリープ)と呼ばれているよ」

 

 シロウ達の前に現れたのは七冠の一人で、突然現れた七冠にシロウ達は警戒する。

 

「今日はあくまで挨拶に来ただけださ。それに昴が選んだプリンセスナイトに興味があって、一目見たいと思ってね。また会えるのを楽しみにしてるよ♪ それじゃあツカサ帰ろうか」

「またな、次こそは決着をつけよう」

「それでは皆様失礼します」

「次会う時は俺も全力でいくからな! 楽しみにしておけよ! じゃあな!」

 

 瞬く間にツカサ達の姿は消えた。転移結晶のアイテムを使った様子はなく、なんの予備動作はもなかった。

【気配察知】で探っても反応はなく、本当に帰っていった様だった。

 

「消えた……あれは一体?」

「シロウ様、七冠には権能と言われる固有能力を持っています」

「セレナちゃん、それってチートみたいなもの?」

「ええ、そのようなものです」

「開発者の特権じゃん、それ」

「跳躍王の権能って転移系のスキル?」

「はい、空間を瞬時に移動することができる【空間跳躍】です」

「うへぇー、厄介な権能じゃん」

 

 ヒナタの言う通り厄介な権能で、しかもその人達を相手にするものだから強敵だ。

 とりあえず、後のことは考えるとしてシロウ達は罠を解除して回収しに行く。

 エリアボスの討伐は後日やることにした。

 

「おおっ……! なかなか面白いものが見れたねー♪ 」

 

 フブキは隠れてシロウ達の様子を見ていて、動画を撮れて喜ぶのだった。

 

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