セルフ脳破壊で過酷なソロぴょいをしてしまうカワイイカレンチャン 作:名無しの権兵衛
「もう、お兄ちゃんったら……」
「どうしたの、カレンさん?」
寮の部屋で不貞腐れていると、お出かけの準備をしていたアヤベさんが話を聞いてくれました。
「聞いてくださいよアヤベさん! お兄ちゃんたらですね、私のために『ヴィセ・ノワール クリスマス限定ディナーチケット』を用意してくれて、それはとっても嬉しかったんですけどね。でもそれをカレンに渡すだけ渡してあとは『友だちと行っておいで』っていうんですよ! ひどくないですか!? だってカレンが誰と一緒に行きたいお兄ちゃんはわかっていたはずなのに、そんなイケズなことを言うんですよ!」
「そ、そうね……」
「しかもクリスマスイヴは用事があって一緒に過ごせないって…… でもクリスマス当日は大丈夫だっていうから別にいいけど……」
「……」
「あ~ぁ、今日のクリスマスイヴ、お兄ちゃんとデートしたかったなぁ」
思わず話に熱が入っちゃったせいか、アヤベさんの反応が悪い。それに目をそらしてそそくさとお出かけの準備してるし……
はぁ、今のカレン、ちょっとかわいくなかったかも。
「ごめんなさい、アヤベさんにこんなこと言っても仕方ないのに……」
「そ、そんなことないわ、私もカレンさんに頼られているみたいで、その…… う、うれしいから」
「アヤベさん……!」
アヤベさんが私の頭をなでなでしてくれる。あぁもう、アヤベさん優しすぎる……
「ありがとうございます、アヤベさん! おかげで元気が出てきました!」
「ふふっ、それはよかった」
そういってアヤベさんは微笑みをカレンに向けてくれた。
……あっ、アヤベさんこの後に予定があるんだった。
「ごめんなさいアヤベさん、この後お出かけするんですよね?」
「えっ!? えっと、そうね……」
……? なんだか様子がおかしいような……
「それじゃあ、そろそろ私は行くわね」
「はい、行ってらっしゃいアヤベさん!」
「えっと、その、今日は、念のため、本当に念のため外泊届を出しているから…… ごめんなさい、カレンさん」
「……えっ」
えっ、うそっ、ちょっと待って!?
アヤベさんが扉を閉める直前に、衝撃的な発言を残していきました。
あんまりにも衝撃的過ぎて、思考停止してしばらく体が固まってしまった。
慌てて扉を開いてアヤベさんを探すも、すでにアヤベさんの影も形も見当たらなかった……
「もしかして、例の人と一緒にデートに行くのかなぁ」
「それにしても外泊届なんて、アヤベさん意外と積極的だなぁ」
そういえば確かに荷物も多かったように感じる。
あ~ぁ、カレンもお兄ちゃんと一緒にお泊り…… は、ちょっと早すぎるかも。
で、でも、もしかしたら明日そういう雰囲気になるかもしれないし、念のため、色々用意しておこうかな……
「……って、何考えてるんだろう私」
さすがにあのお兄ちゃんにそんなこと期待してもだめだよね?
「ちょっと、気分転換にお出かけしようかな?」
せっかくだし、明日のデートの下見とか、行ってこようかな。
「……はぁ、やっぱり一人だと寂しいな」
せっかくだからと一人でショッピングモールに来たのはいいけど、あんまり気分は晴れなかった。
近場で有名なイルミネーションのあるこのショッピングモールには、やっぱりというかいろいろな人たちでごった返している。
腕を組み男女、笑顔の絶えない子連れの家族、サンタのコスプレをした店員さん、顔を赤らめながら手をつなぐ初々しい学生カップル……
このキラキラしたイルミネーションのそばには、たくさんの愛があふれていた。
息が白く染まり、寒さに手がかじかむ。
もしもこの手を温めてくれる人が隣にいたならば、私はどれほど幸せだろうか。
「……そろそろ帰ろうかな」
イルミネーションに背を向けて、独りぼっちの寮へ向かって歩き出す。
後ろを向くと、イルミネーションを見ている幸せそうな表情が、よく目に映った。
もしかしたら私も、明日には同じように幸せな顔をしているのだろうか?
そう考えると、明日が待ちきれなくなってしまう。
「ふふっ♪」
気持ちが軽くなって、思わずスキップをしてしまう。
足取り軽く、喧騒を行く。
「あっ、あれって……」
その時ふと、気になる人物が目に入ってしまう。
アヤベさんが、とっても幸せそうな顔をして歩いている。
「お~い、アャ……」
思わず声をかけそうになって、慌てて止める。
今日はアヤベさんにとって大切な日、それなのに邪魔をしてはいけないと、ぐっとこらえる。
「……えっ?」
でも、そんな思いは、すぐに頭の中から吹き飛んでしまった。
アヤベさんの隣を歩く人の顔が見える。
とっても優しそうな顔
少し頼りないけど、いざというときはとても頼りになる背中
普段はぼさぼさなのに、今日はきっちり決めている髪の毛
とても暖かくて、聞いていて安心する声
そして、私が見たことのない、とっても自然体な笑顔
「……お兄ちゃん?」
どうして今日、アヤベさんと一緒に歩いているの?
どうして二人とも、私が見たことのない笑顔で笑いあっているの?
どうしてそんなにも、肩が触れ合いそうな距離で一緒に歩いているの?
どうして、お揃いのリストバンドをつけているの?
どうして、どうして……
大好きなお兄ちゃん
大好きなアヤベさん
二人とも大好きなのに
どうして二人が一緒に歩いているだけで、こんなにも胸が苦しいの?
「どうしてなの、お兄ちゃん、アヤベさん……」
私の声は届かない
二人は笑顔でイルミネーションに背を向けて、駅のほうへと向かっていく
でも、だめ
そっちはだめ
だってそこを曲がったら、駅に行けなくなっちゃう
だってそっちは、お兄ちゃんのおうちのほうだもん
「……ぁ、ぁあ」
どれほど振り絞っても声が出ない
どれほど手を伸ばそうとも届かない
そうしている間にも二人は笑顔で道を行き
そして、角を曲がってしまった
この後、物語の重要な分岐があります。
以下のアンケートは、この物語の『正史』を決定するためのものです。
アンケートで最も多い分岐に移行し、残りの選択肢は“If”として扱い、後日『Ifルート』として投稿されます。
もちろんすべての選択肢がそれぞれ別の結末を迎えるため、中にはハッピーエンドもバッドエンドも含まれております。
この『正史』において、ハッピーエンドを望むか、バッドエンドを望むか、はたまた他の結末を求めるか……
期限は一週間となります。
もちろん選ばれなかった結末も、後日投稿するのでご安心ください。
それでは、どうか存分にお楽しみください。
期限は一週間後の4月17日の午前0時ちょうどとなります。
ご注意ください。
この後カレンチャンがとる行動は?
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お兄ちゃんに問い詰める
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アヤベさんに話を聞く
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見なかったことにする
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どぼめじろう先生に依頼する