セルフ脳破壊で過酷なソロぴょいをしてしまうカワイイカレンチャン   作:名無しの権兵衛

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Ending どぼめじろう先生に依頼する

 私の名前はカレンチャン!

 

 『宇宙一カワイイ』を目指して今日もお兄ちゃんと一緒にウマスタにレースに大忙し♪

 

 ……あっ、お兄ちゃんって言っても、本当の兄妹じゃないよ?

 

 お兄ちゃんは私にとって大切な人、子どもの頃のカレンの夢を心から応援してくれた、進むべき道を示してくれた……

 

 そんな、カレンの大切で、大好きな人。

 

 それが、私のお兄ちゃん。

 

「あれ、どうしたんだいカレン?」

 

「ううん、なんでもない。それよりもデート行こ♪」

 

「あぁ、そうだな」

 

 そういってお兄ちゃんの腕に抱き着いてお出かけに向かう。

 

 それに対して、お兄ちゃんは優しい笑みをカレンに向けて歩き出す。

 

 ……そう、カレンとお兄ちゃんは、実は秘密裏に付き合っているの♪

 

 

 

「ねぇねぇお兄ちゃん可愛くない!?」

 

「うん、似合ってるよカレン」

 

 お兄ちゃんと一緒にショッピングをして

 

 

 

「えへへ、おいしいね♪」

 

「よかった、喜んでもらえて」

 

 おしゃれなカフェでお食事をして

 

 

 

「綺麗……」

 

「カレンのほうが綺麗だよ」

 

「もうっ、お兄ちゃんったら!」

 

 一緒にきれいな星空を見て

 

 

 

「……お兄ちゃん」

 

「……カレン」

 

「んっ……」

 

 そして、お互いの唇を重ねる。

 

 

 

 こんな、素敵な恋人生活。これが今のカレンの日常。

 

 

 

 ……でも、実は一つだけ、お兄ちゃんには言えない秘密があるの。

 

「ねぇ、お兄ちゃん……」

 

「うん? どうしたんだいカレン?」

 

 本当は、一生胸の奥にしまっておいた方がいいんだと思う。

 

「あのね、カレンのために……」

 

 でも、もうこの欲望を抑えることは出来なくなってしまったの。

 

「アヤベさんと、デートしてほしいの」

 

 だから、最低なお願いを、抑えることができなかったの。

 

 

 

 

 

「……カレン、いいんだな」

 

「うん、行ってらっしゃいお兄ちゃん」

 

 お兄ちゃんに行ってらっしゃいのキスをして、お出迎えをする。

 

 するとお兄ちゃんは、少し困ったような顔をして扉から出ていった。

 

「……っ」

 

 こっそりと扉を開いて、お兄ちゃんの後を付けていく。

 

 お兄ちゃんは電車に乗って、待ち合わせ場所に向かう。

 

 その様子を遠くから見つめながら、心臓がバクバク言っているのを自覚した。

 

『次は~ ○○駅~ ○○駅~』

 

 目的の駅に着いたので、お兄ちゃんの後をついていく。

 

 これからお兄ちゃんは、アヤベさんとデートをしに行くのだ。

 

 ……なんでカレンの恋人であるお兄ちゃんがアヤベさんとデートを行くのかって?

 

 それは、カレンの秘密に関係しているの。

 

 実はカレン、大好きなお兄ちゃんが他の女の人とデートをしているのを妄想するのが趣味なの。

 

 いわゆる、セルフ脳破壊ってやつだね。

 

「もう着いてるかな?」

 

 つまりカレンは、お兄ちゃんと恋仲になったことで、欲望の箍が外れちゃったの。

 

 今までと違ってお兄ちゃんの恋人になれた、その安心感のせいでこの蛮行に及んでしまった。

 

 もうカレンは、後戻りできないところまで来ちゃったの……

 

「あっ、ごめんアヤベさん。遅れちゃったね」

 

「……いえ、私が早く来ちゃっただけだから」

 

「それじゃあ行こうか」

 

「……はい」

 

 待ち合わせ場所には、すでにアヤベさんが待っていました。

 

 いつもは仏頂面のアヤベさんが、恋する乙女みたいに微笑んでいる。

 

 そのまま二人で歩いていく二人、最初は遠慮気味だったのに、気が付けば手をつないでいる。

 

 

 

「これとかどうかしら?」

 

「うん、アヤベさんの雰囲気に似合ってるね」

 

 二人でカレンと一緒に行ったお店でショッピングをして

 

 

 

「どう、おいしい?」

 

「……とってもふわふわで、おいしい」

 

「よかった」

 

 二人でカレンと一緒に行ったカフェでお食事をしたり

 

 

 

「綺麗……」

 

「どう、星がよく見えるだろう?」

 

「……うん」

 

「アヤベが気に入るかと思って、探してみたんだ」

 

「うれしい」

 

 二人で見た星空を、アヤベさんのためと言ってロマンチックになる

 

 カレンのデートがすべて上書きされて……

 

 

 

「あっ」

 

 

 

 そして、二人の唇が重なった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、アヤベさん。な、なんでそれを……」

 

「あっ……」

 

 

 

 

 

「そっ、その、ごめんなさいカレンさん」

 

「う、ううん。見つかるようなところに置いていたカレンが悪いんだし……」

 

 寮に戻ってみると、アヤベさんがベッドに腰かけて薄い本を読んでいました。

 

 その本は、アヤベさんに見られると非常に困る内容でした。

 

 お兄ちゃんと恋仲になったカレンが、アヤベさんにお兄ちゃんと一緒にデートをするようにお願いする。

 

 そして二人の様子をこっそり確認して楽しむカレンは、やがて中の深まっていく二人を止められず、最終的に本当にアヤベさんにお兄ちゃんを取られてしまう。

 

 ……あの日、アヤベさんとお兄ちゃんがデートしていたことを追及できず、ずっと二人の様子が頭から離れなかったの。

 

 その結果このもやもやを自分で消化できず、ついにお気に入りの生もの同人作家である『どぼめじろう』先生に依頼をしてしまって、ついにその本が届いたの。

 

 すごく楽しみにしていたその薄い本を、アヤベさんに見られてしまった。

 

 ……すごく、気まずい。

 

「……その、カレンさん?」

 

「はっ、はい!」

 

 先に沈黙を破ったのは、アヤベさんの方でした。

 

 アヤベさんは顔を真っ赤にしながら、おずおずと話しかけてくる。

 

 いつもならそんな様子を見たらカワイイ! って思うんだけど、今はそんな余裕はありませんでした。

 

「えっと、その……」

 

「……」ゴクリッ

 

 なにか、言いにくそうにもじもじとするアヤベさん。

 

 私はその様子を見て、嫌な予感と、確かな高揚感を伴ってアヤベさんの言葉を待った。

 

 そして、ついにアヤベさんの口が開く。

 

 

 

 

 

「こういうのが、好きなの……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はよう、おはよう、カレン」

 

「うぅん…… おはよう、お兄ちゃん」

 

 ふわふわのベッドで目が覚めると、お兄ちゃんが優しい顔でカレンを起こしてくれていた。

 

 お兄ちゃんは私の頭を優しく撫でてくれる。

 

 そのぬくもりを感じながら、このささやかな幸せをかみしめる。

 

「んふふっ」

 

「どうしたんだカレン、そんなにすりすりして」

 

「えへへっ、カレン、幸せだなって」

 

「……あぁ、俺も幸せだよ」

 

 お兄ちゃんの胸にすりすりして、逞しい腕に抱きしめられる。

 

 お兄ちゃんの素敵な匂いを鼻から胸いっぱいに吸い込む。

 

 それだけで、心が満たされる。

 

「さぁ、そろそろ起きようか」

 

「うん!」

 

 お兄ちゃんと一緒にベッドから出て、朝の準備をする。

 

 ……あれから、色々なことがあった。

 

 けど、様々な苦難を乗り越えて、カレンとお兄ちゃんはついに結ばれることになったの。

 

「ねぇ、お兄ちゃん。今日が何の日か覚えている?」

 

「……あぁ、もちろんだよ」

 

 お兄ちゃんの表情に陰りが見える。でも、私はそれに気づかないふりをする。

 

「今日は結婚記念日だね」

 

「うん!」

 

「もちろん、プレゼントを用意しているよ」

 

「わぁ、ありがとう!」

 

 お兄ちゃんから渡されたブローチには、大粒のイエローアパタイトがはめ込まれていた。

 

「綺麗……」

 

「カレン、つけてみて」

 

「うん!」

 

 さっそくブローチを付けてみる。

 

 ずっしりと、お兄ちゃんの愛を感じる。

 

「お兄ちゃん、カレンからはこれ!」

 

「おぉ、ありがとう!」

 

 カレンからは、ネクタイピンをお兄ちゃんにプレゼントする。

 

 するとお兄ちゃんはうれしそうに笑ってくれた。

 

 本当に、幸せだ。

 

「……なぁ、カレン。結婚記念日くr「お兄ちゃん」」

 

 お兄ちゃんの唇に、人差し指をあてて言葉を止める。

 

 わかってる、わかってるけど…… ダメ。

 

「お兄ちゃん、カレン、今日をとっても楽しみにしていたの」

 

「……あぁ」

 

「だから、お願い」

 

 カレンのお願いを、お兄ちゃんは受け入れてくれた。あれからも、ずっと……

 

 だから、今回もお願いする。

 

 たとえ、それがいびつなものであったとしても。

 

「……わかった。それじゃあ、行ってくるよ」

 

「うん、行ってらっしゃい!」

 

「……あっ、お兄ちゃん、ちょっと待って!」

 

「うん? どうしたんだ?」

 

 振り向いたお兄ちゃんの頬に、行ってらっしゃいのチューをする。

 

 お兄ちゃんは少し驚いた顔をした後に、微笑んだ。

 

「忘れ物❤ 行ってらっしゃい♪」

 

「あぁ、行ってきます」

 

 お兄ちゃんがドアを開けて、家から出ていく。

 

「……お兄ちゃん」

 

 笑顔で送り出したのに、言い知れない焦燥感と不快感、吐き気と高揚感を感じてしまう。

 

 頭の中がぐるぐるして、心臓がバクバクする。

 

 もしかしたら、もうお兄ちゃんの呆れてしまったかもしれない。

 

 お兄ちゃんの気持ちが、離れていってしまうかもしれない。

 

 どんどん、妄想が悪い方へと言ってしまう。

 

 このままだと、取り返しのつかないことになるのではないかと。

 

 今更ながら、後悔の念が押し寄せてくる。

 

 ……そして、思わずお兄ちゃんを追いかけてドアを開いた。

 

「おにいちゃ……」

 

「んっ…… ちゅ」

 

 扉を開けた先にいたのは、今出たばかりのお兄ちゃんと、情熱的なキスをしているアヤベさんでした。

 

「ぷはぁ! あら、カレンさん。おはよう」

 

「えっ、おはよう……? あれ、なんでアヤベさんがここに……?」

 

「ごめんなさい、どうしても待ちきれなくて」

 

 アヤベさんは、情熱的な視線をお兄ちゃんに向ける。

 

 そのお兄ちゃんは、先ほどのキスのせいか少し熱っぽい、とろんとした目になっている。

 

 それでも、カレンが見ていると気が付いて取り繕うとして、再びアヤベさんに唇をふさがれる。

 

「んっ…… ダメよ、今は私だけ見ないと」

 

「あっ、アヤベさん」

 

 結局、カレンはアヤベさんにあの薄い本と同じことを望んでしまった。

 

 最初はぎこちなかった二人だったけど、いつか沼に沈み込むように、はまっていってしまった。

 

「あぁ、カレンさん。今日のビデオ、楽しみにしていてね?」

 

「えっ? うん……」

 

「実はね、今日は危ない日なの」

 

「あっ……」

 

 その時、頭をガツンと殴られたかのような衝撃に襲われる。

 

 それは、それはだめだよ。それだけはだめ!

 

 しかし、アヤベさんは畳みかけてくる。

 

「それに、今日はゴムなんて持ってないの」

 

「もちろん責任取れとか、認知してとか言うつもりはないわ。安心して」

 

 アヤベさんの言葉が、ひび割れた頭に染み込んでいく。

 

 あっ、あっ! ……だめ、伝えなきゃ。

 

「それじゃあ、行ってくるわね?」

 

「あっ、待って……」

 

「うん? どうしたの?」

 

 アヤベさんが不思議そうに振り向く。

 

 そのどこか妖艶とした表情に、どきりとする。

 

 でも、だめ。ちゃんと言わないと。

 

 ちゃんと……

 

「……行ってらっしゃい、アヤベさん」

 

「……ふふっ、行ってくるわね」

 

 そうして、お兄ちゃんとアヤベさん、大好きな二人は、私の前から離れていくのでした……

 




Ending No.4

Merry Bad End

Swamp 私の大好きな二人
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