セルフ脳破壊で過酷なソロぴょいをしてしまうカワイイカレンチャン   作:名無しの権兵衛

14 / 15
If:3 見なかったことにする

「……ううん、きっと見間違えだよね」

 

 そうだ、おにいちゃんがこんな時間に学生のアヤベさんを連れ回してるはずないし、誠実なおにいちゃんが学生のアヤベさんを家に連れ込むわけないよね。

 

 ……カレン、ちょっと疲れてるかも。

 

 だってただのそっくりさんを、おにいちゃんとアヤベさんに見間違えちゃうなんて。

 

 そもそもおにいちゃんとアヤベさんにそんな接点ないもんね!

 

 ちょっとアヤベさんが大変な時に手助けして、そのあとにお礼のプレゼントして、それで終わりだもんね?

 

 だから、だからきっと大丈夫。

 

 あれたただの見間違え、見間違えなの……

 

 そして、私は今日の記憶を頭の片隅に追いやった。

 

 そうしないと、おにいちゃんと、アヤベさんと今まで通りに過ごすことができない気がしたから。

 

 

 

 

 

 ……あれから、しばらく時間がたった。

 

 カレンはあの時のことなんてすっかり忘れて、おにいちゃんと一緒に楽しんで過ごしている。

 

 レースにデートに、とっても楽しい日々を……

 

 もちろん、アヤベさんとも仲良く過ごしてるの。

 

 一緒におはなししたり、お出かけしたり、前よりもずっと距離が近づいた気がする。

 

 でも、最近お出かけも多いからあんまり一緒に遊んでくれないんだよね。

 

 もしかして例の人と仲良くしてるのかな?

 

 恋バナしたいのに全然話してくれないけど……

 

 とりあえず、あれから変わらずに、素敵な日々を送ってるの!

 

 そんなある日、おにいちゃんと話してるときのことなんだけど……

 

「あっ、カレン。前に言ったこと覚えてる?」

 

「うん! 今日の放課後に予定空けといてって話だよね?」

 

「あぁ、よろしく頼んだぞ」

 

 って言われて、なんだろうなってちょっとワクワクしてたんだ。

 

 そしたら、トレーナー室におにいちゃんとアヤベさんがニコニコしながら待ってたの。

 

「二人とも、どうしたの?」

 

「あぁ、今日は俺たちが契約してちょうど3年目だろ? だからプレゼントを用意したんだ」

 

「私は一緒にプレゼントを考えたから、せっかくだし来てほしいって言われて……」

 

 そういっておにいちゃんが私に差し出してくれたのは、小さな箱だった。

 

「えっ、これって……」

 

「カレン、開けてみて」

 

 ドキドキする胸を抑えながら、小さな箱に手を伸ばす。

 

 そして箱を開いてみると、中からはピンク色の宝石があしらわれたリングネックレスが輝いている。

 

 あれ? これってもしかして……

 

「これ、前にカレンとお出かけした時に欲しそうな目で見てたよね? アヤベと一緒に探しているときにたまたま見つけたから、これがいいかなって……」

 

「……うん、ありがとう、おにいちゃん!」

 

 そっか、私のこと、ちゃんと見てくれてたんだね。

 

 こんな風にすてきなプレゼントをくれるなんて、胸がキュンキュンしちゃう。

 

 リングネックレスを手に取って、眺めてみる。

 

 光の当たる角度を変えながら、ピンク色の宝石がキラキラと煌めくのを楽しみながら眺める。

 

 いつかこの左薬指に、本当の指輪をはめてもらえることを夢想しながら。

 

 

 

 

 

 ……私の見えないところで、おにいちゃんとアヤベさんがこっそり手をつないでいることにも気が付かないで。

 




Ending No.3

Bad End

Triangle 私はデネブ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。