やっぱり何事も楽しく取り組むのが一番です!
早く番外席次を登場させたい。
それでは本編です。どうぞ!
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普通の人間ならまず踏み入らないような深い森。この忌まわしきエルフの王国がある森の名は【エイヴァーシャー大森林】。
仲間からは『ここって絶対森じゃなくて樹海ですよね』という意見が出るくらいに木々が入り組んでいて昼間だというのにまるで夜のように暗い。そんな森の中を3人の男女が一直線に歩いていく。普通の人が見れば驚くだろうがここにいる全員の実力を知るものからすれば驚くような事ではない。
その先頭を歩くのは中性的な容姿をした若い男。
地面に届くほどの射干玉の長髪に瞳は紅玉。その身に纏うのは、この世界では信じられない程の力を感じさせる少しの遊びを感じる意匠が施された鎧。その手には、鎧とは対照に見窄らしい一本の槍が握られていた。彼の正体はスレイン法国が誇る秘密組織【六色聖典】。その中でも最強の組織である【漆黒聖典】の隊長であり神の血を覚醒させた"神人"である。
(全く。何でこんなことになったんだ)
後ろに隊員たちを引き連れながら、そんな事を考える。任務を全て終えて久し振りの休暇を得たと思った矢先の緊急出動命令だ。少しぐらい不満を考えても良いだろう。ただでさえ任務に加えて隊長としての訓練、実験、国内での偽装身分としての生活等で自由時間は僅かなのだ。
(次は絶対に休む)
その事を心に誓った後、今回の任務内容を思い出す。今回の任務は、"エイヴァーシャー大森林で発生した謎の大爆発の調査"である。神官長たちの話によると、その爆発はかなりの距離離れていたにも関わらず激しい揺れと目を開けられないほどの眩い光を放っていたという。重ねて不思議なのが、そんな爆発なのにも関わらず風も熱も何も来なかったというのだ。
(これは例の件の前触れか?)
ふとそう思いその事を思い出す。
例の件、それは漆黒聖典第七席次【
(だからといって休暇中の自分を駆り出すのはどうかと思うがな!)
隊長は折角の休みを奪われた事を根に持っていた。
結局任務は自分がする事になったんだが。
(しかし
本来彼女は法国から出る事はできないのだが,彼女ならそんな事を言い出してもおかしくはない。
漆黒聖典【番外席次】。血と血の混じり合いとありえない確率で両方の神の血を覚醒させた奇跡の存在。その実力は神の血を覚醒させた自分でさえ軽くあしらえるほどで、法国で最強の存在であり法国の一部から"忌み子"と蔑まれている少女だ。彼女はその境遇から性格が歪んでしまっている。仲間の死さえ我関せずと言った具合だ。
自分を負かしてくれる存在を求めていて、よく強者についての情報を聞いてくる。彼女に勝てる強者なんて知るわけないのでいつも困っている。
(そんなに負けたいなら評議国にでも特攻して来ればいいのに)と本人の前では絶対に言えない事を考える。
そういえばこの前出会った時に結婚の話題になって、
『あなた結婚はしないの?』とそんな事を聞かれた。
自分はまだ仮面によって姿を変えているが、
『自分はまだ若いのでそう言う事は少し困りますね』
思っている事をそのまま言った。
『それもそうね。でも結婚するなら相手に他の女も娶ることは伝えておいた方がいいわよ。そういうものと教育されていても、一夫多妻はあまり好かれないから。』彼女にそう言われた。
確かにそうだ。法国では結婚は一夫一妻が普通だが、国の上層部が認めた場合にのみ一夫多妻や一妻多夫が認められる。これは法国ができたばかりの頃、神人の血を絶やさないようにしていた事の名残だそうだ。
確かに女からしてみれば、そういう物と理解していても見ていていい気はしないだろう。
私は神人のため、十中八九一夫多妻になるだろうしその事については注意するとしよう。
『忠告感謝しますよ。それよりも
そう彼女に問い返す。
彼女の見た目は10代後半の少女なのだが、実年齢は大きく
『そうね。私に勝てる男であれば結婚して子供を産んでも良いわ。どれだけ醜くても、性格が悪くても、人間じゃなくても構わない。だって私よりも強い男だもの。そんな男との間に産まれる子供は、一体どんな子になるのかしら♪』と下腹部をさすりその艶やかな唇を歪めて、満面の笑みで彼女は答えた。
(あ、これ絶対結婚する気ないわ)
そう思った。彼女は自分に勝てる存在を求めているが、その実絶対に負ける気も無いのだ。そもそも彼女に勝てる可能性のある存在など
(もし、そうもしもだが、そんな存在がいたとしたら…)
本当に彼女に敗北を教える存在がいるとするならば、彼女がどんな行動に出るのか全く予想がつかない。だからそんな彼女が今回の件に何も言ってこなかったのはとてもありがたかった。さっさと今回の調査を終えて国に帰ろう。
(暫くは任務が来ても笑顔で拒否してやる)
隊長は根に持つタイプだった。
暫く進むといきなり森が開けた。その場所は木が一本も無く、草すら生えていなかった。まるで何かによって焼き尽くされた様にも見える。
「ここが爆心地に違い無いな。」
そう言って後ろに視線を向ける。視線を向けられた2人の男女はすぐさま行動を開始する。
女は漆黒聖典第十一席次「無限魔力」。巨大な帽子を被った常に気怠げそうな魔術師風の女で、なぜかいつも視線を向ける場所に困る服装をしている。男は漆黒聖典第八席次「巨盾万壁」。巨大な盾を両腕に装備した大男で、名前の通り守りに特化している。
「とりあえず、調査しますね〜」
無限魔力がやる気無さそうに魔法で調査を始める。それを周りから守るように巨盾万壁がそばに佇む。
少し経った後、無限魔力が不思議そうに立ち上がった。
「どうだった?」
「それが隊長〜。なんにも痕跡が残ってません〜。何か大きな力で焼かれたっていうことしか分かんないです〜。普通は何かしら痕跡が残る筈なのに、不思議ですね〜」
間延びした喋り方で飄々と結果を報告する無限魔力。
「そうか。確かに私もここには何も気配を感じない。セドラン。お前は何か感じたか?」
セドラン、とそう呼ばれた巨盾万壁は
「いや、隊長とおんなじですぜ。俺も何も感じない。ただ敢えて言うなら周りに生き物の気配がほぼないってことしか分かりませんね。ま、こんな事が起こったのなら仕方ないことでしょうけど」
やはりセドランも同じ考えか。正直これには拍子抜けだ。神官長達からの話に聞くほどの爆発が起こったのなら魔法に特化した無限魔力が痕跡を見逃す筈はない。それに幾ら自分が探索が不得意とは言え、戦士としての勘はこの場にいる誰よりも優れている自負がある。その自分や無限魔力が何も感じられない以上、この場には何もないのだろう。
「ひとまずこの場所の調査は済んだ。後は周辺を探索したのちに法国に帰還する。異論はあるか?」
「ありません〜」「無いぜ」
「良し、では早速周辺を探索しろ」「了解です〜」「了解だ」
そう言って無限魔力、マスラントとセドランは周囲に散った。自分もそれに続く。
そうして周囲を探索したが、結局特筆すべき事は何も無かった。そうして帰還の準備を整える。
(最近エルフ共が勢いづいているらしいな。少し注意しながら帰るとしよう…)
そう、最近法国と争っているエルフ達が何やら攻勢にで始めたらしい。ただのエルフ共なら何人相手でも対処は容易だが,
(もしあの
エルフ王。忌まわしきエルフの王であり、法国を辱めた神に仇なす怨敵だ。神官長や他の聖典の隊員、そして自分達漆黒聖典の中であの男に良い感情を持つものなど決していない。それに何より、1番の被害者である
(まぁそれも当たり前か。
神官長たちは今すぐにでも殺してやりたいと言っていたが、あの男は伊達に王ではない。英雄を超えた存在である逸脱者、その領域すら超えた存在だ。
その身体能力は普通の聖典隊員では歯が立たず、自分や彼女、
(あの
あの化け物。そう口にするそれはエルフの王のみが召喚できる存在であり、神人である自分でさえ真正面からの戦いでは勝てない
(あれが出てきたらこの槍を使う事も視野に入れなければならない)
そう思い右手に握る槍に込める力を強める。
(いや、今はその事よりも報告のために帰還することが優先だ)
そう思い、そのまま2人を引き連れて
≪≪
「やっと帰った。」
そう言いながら研ぎ澄ませていた感覚を霧散させる。
そこは地表から500メートル上空の空中。ヤマトはそこに浮いていた。
結局相手の素性や強さが分からない以上、相対するのは危険と判断してグリーンシークレットハウスをアイテムボックスにしまい自分は上空からの監視に留めていた。
「当たり前だけど気付かれなかったね」
遥か上空からの観察に加えて
「しっかし念を入れた甲斐があった」
そう言いながら先ほどの男女を思い返す。ここにきた3人は男が2人女が1人の計3人。パーティ構成は見た感じタンク職が1人と戦士が1人。それに魔力系の
(パーティの基本の回復役の神官がいなかったけど。あの魔法詠唱者の女が回復も担当していたのかな?)
見た感じ片方の若い男《おそらくリーダー格》の人が飛び抜けて強かった。恐らくレベルは80前半ぐらいで、残りの2人がレベル30〜40の間くらい。この場所に来たぐらいだからこの世界ではかなり強い方だとは思うけど、正直あの男の人以外は全く警戒するに当たらない。
あれぐらいならスキルも装備も魔法も無しの基礎スペックだけで完封できる。若い男も普通に戦えば絶対に負けることはない。それだけの差を感じた。じゃあ何故ここまで、しかも相手が完全にいなくなるまで警戒を解かなかったのか。
その理由は男の人が持っていた"槍"が原因だ。何も知らない人が見れば見窄らしいただの槍、そうにしか見えない。
しかし、あの槍は、それが何かを知っている人からすれば、とんでもない恐怖の塊だ。
「まさかこの世界で
そう、あの槍は
それならワールドチャンピオンの職業やワールドアイテム持っているから安心、となるわけが無い!
この世界じゃあユグドラシルの魔法やスキル、アイテムの効果はほぼそのまま使えるのだ。ユグドラシルではデータの抹消だけだったけど誰かがワールドアイテムを使ってくれる保証もない
(危なかった。この世界に対する認識を改めなければ。気をつけよう)
僕は油断などしているつもりはなかったが、あれを見せられた後ではこの世界を過小評価していたと嫌でもわからされた。
それと"この世界"と言ったが、先ほどの人物達によって確信した。
ここはユグドラシルではない。別の世界だと。薄々そんな気はしていたけど、いざ現実を見るとなるとかなりしんどいものがある。その根拠としては主に三つ。一つ目は口が動いていた事。これは僕も動いていたのだからそうだろうと思っていた。二つ目はそれぞれがしっかりと意思疎通をしていた事。魔法を使って会話を聞いていたが,それぞれがしっかりとリーダー格の若い男とコミュニケーションを取れていた。これはゲームではあり得ない事だ。
そして最後の3つ目だが,その会話の内容だ。
(先ほどの会話に出てきたホウコクという単語。それと帰還すると言っていたから恐らく国名。多分法国か豊国と言った感じかな)
このホウコクという国は僕のユグドラシルに関する記憶の中には存在しない。恐らくこの世界の国だ。そして他にプレイヤーが来ている事はほぼ確定した。ロンギヌスもそうだし,あの3人が装備しているのは全部ユグドラシルのアイテムだった。あのリーダー格の男の人が装備しているもの以外は大した事はなかったが、それでもユグドラシルのアイテムである事には変わりない。因みにレアリティはリーダー格の人が伝説級で、後の2人が聖遺物級だった。
(あの法国という国にプレイヤーがいる、もしくはいた可能性が高い。ならひとまずは法国と敵対しないようにしよう。それともう暫くこのあたりを調べた後に法国にいってみよう。もしかしたらモモンガさんがいるかもしれない)
そう心に決めた。敵対して
それにこの世界に来て初めてのユグドラシルプレイヤーの手がかり。
知り合いに会えるかもしれないと、その事に期待が高まる。
(ひとまずの目的地は決まったし、次はどこに行こうか。
この辺りの探索は終わったから次は、、、ん?)
そうして周りを見渡たしていたその時、気になるものを見つけた。
自分のいる位置からかなり離れた場所。直線距離で言うと20kmほどの場所にそれはあった。
(煙が上がっている。山火事かな?いや、それにしては燃え方が不自然だ)
そう、煙が上がっているだけならばそこまで気になる事じゃ無い。
しかしあの煙は一定の範囲内に何本も上がっていた。本来山火事なら煙はあんな風に別れたりはしない。つまり何者かが起こしたものの可能性が高い。
(取り敢えず何が起こっているのか見に行ってみよう)
そう思い久しぶりに出した翼を大きく羽ばたかせ、その場所に向かって翔んでいった。
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(クソッ!なんでこんな事に。俺たちの作戦は来ている筈のエルフ軍の撃退じゃなかったのか?!こんなのまるで話がちが〔ヒュッ、ドス〕…)
そんな音と共にまた1人の兵士が倒れる。
この場所に来た時には2000人を数えた法国の兵士も、今では半数ほどになってしまった。その原因は多数の危険なモンスターや悪路極まる地形などではない。それは"個"が作り出したモノだった。
遥か遠巻きにその個を取り囲む法国兵士達。しかし誰もが近づくことができなかった。《それ以上踏み出せば死ぬ》
その考えが兵士たちの心を縛っていた。
法国兵たちの中心。そこに"個"はいた。
外見年齢で八歳になるかならないかぐらいのエルフの少女。エルフは人間よりも小柄なためさらに幼く見える。
その少女はこんもりと盛り上がった土山の頂上に小さな椅子を置き、そこに座っている。その小さな体には余りにも不釣り合いな大きさを持つ弓を持ち、椅子に置かれた矢筒からは数本の矢が顔を覗かせている。
矢筒は決して大きくはなく、顔を覗かせている矢の数は10本も無いだろう。
しかし、矢筒の中の矢はいくら打っても数が変わらない。間違いなくマジックアイテムだ。周囲に別のエルフの姿は見えない。
その小柄な少女を大の大人が取り囲む。側から見れば危ない匂いがするが、今回危ないのは
事実この幼い少女によって既に法国兵士1000人弱の命が散らされていた。
(くそ、また1人仲間を。よくも!憎きエルフの小娘ごときが!)
遠巻きにしている兵士の、さらに後ろからそう心の中で激昂するのは法国のエルフ王国侵攻軍の総指揮官だ。総指揮官は焦っていた。
(このまま時間ばかりをかけていればまたいつエルフ共が攻めてくるか分からん。だが焦って仕舞えばまたあの
その焦りはエルフの反撃に対するものか、仲間をみすみす殺される事か、はたまたまた別のことか。それは分からない。
(それに先ほどから感じるこの違和感はなんだ?まるで全身を睨め付けられるかのようなこの不快感は、、)
その違和感を拭って前方を見ると、戦場に動きがあった。
これまで椅子から立ち上がらなかった少女がついに動き出したのだ。
途端にざわめき出す部下達。
(敵を前にして動揺するとは、、だがあれを見せられた後では仕方あるまい。とにかく今はアイツに対処するのが先だ!)
本来敵を前に動揺するのは軍人として恥ずべき事なのだが,あの1000人を超える
総指揮官は無能では無い。数々の死線を潜り抜けてきたその経験や強さは伊達では無いのだ。
それだけに次の行動も素早かった。
「前方に盾兵を集めろ!そして盾兵に注意を向けさせている内に剣兵が敵に接近!そのまま攻撃しろ!弓兵は射撃可能距離まで近づいたら射て抜け!魔法詠唱者部隊はその援護に回れ!速やかに行動を開始せよ!」
その威厳のある声と的確な指示で混乱していた法国兵が見る間に落ち着きを取り戻していく。そのまま見事な連携で少女の対処を開始した。
この連携で当たれば確かに被害は出るが確実に少女を討ち取ることができる。そして指揮官は優秀だ。余程のことがあっても立て直しは聞く筈だ。
しかし現実は非常だった。それは少女だけであった場合だ。
指揮官がそれを聞いたのは盾兵が少女の前方に布陣した時だった。
【【ウォォォォ!】】 森の奥から大勢の声が響いてきた。
「ッッ!なんだあの声は!」それに気づいたのは流石は指揮官というべきか。
「大変です総指揮官!」「何だ?!」
そうして驚く指揮官の元に更なる絶望が告げられる。
「森の奥からエルフ達が攻めてきます!数はおよそ1000!こちらと同数です!」
それはまさしく絶望だった。指揮官と報告してきた兵士の顔から血の気が引いた。
そもそも軍というものは数が同数の時点でどちらかが勝利するというものは難しい。
では何がそれを分けるのか。それには様々な要因があるが、究極は【兵たちの強さ。そして地の利があるかどうか】と言ったところが全てをわける。
兵達の強さはそのまま軍の強さに直結する。そして地の利は兵達の指揮の高さと戦いの運びを有利にさせる。
ではこの場合はどうだろうか?
まず兵達の強さの差だが、これはほぼ差がない。法国の兵士達はそれぞれが訓練を積んだ専業兵士たちだ。
普通の農夫と比べてもその練度の差は火を見るよりも明らかだ。
一方エルフ達も生まれてからこの数多のモンスター達が居るこの大森林で暮らしてきたのだ。いやでも強さは上がっていく。その事もあって両軍に兵の強さの差は無い。
いや、相手にあの少女がいる時点で負けているようなものだ。
そして残るは他の利だが、これは当たり前にエルフ達にある。
そもそもここはエルフ達の領域なのだ。その地の利がエルフ達にあるのは当たり前のこと。
そのエルフ達と比べて侵攻してきた自分達法国側が不利なのは然るべき事だ。
(これは、詰み、か。)
地の利で負け、相手側に圧倒的な強者もいる中で同じ戦力。この状況なら全滅してもおかしく無い。いや、むしろ全滅が一番自然な形かもしれない。しかし、
(私はこの軍を任された総指揮官!エルフ共に怯えて逃げ出すなど、皆が許しても我が神が
総指揮官はとても信心深い男だった。
その眼は絶望しかないこの戦場でも曇ることは決して無かった。
(例え私1人でも戦い続ける!神よ!私に力を!)
その思いは
総指揮官、いや、ライズハートは何度も死線を越えてきただけあって、その強さは強者を超えて英雄の領域にまで達していた。
その力を十全に振るってエルフ達を斬り捨てていく。その姿に最初は困惑していた兵士たちも次第に感化され、それによって全員がいつも以上の働きをしていた。盾兵はエルフ達の矢から他の仲間を守り、剣兵はいつもより鋭い振りをしていた。極め付けは魔法詠唱者達だ。彼らの放つ
この時彼らは一体となって戦っていた。かつて無いほどの集中力と素晴らしい動きだった。
しかし、元々不利な状況に加えて多勢に無勢。兵士達の動きは鈍り,敵に打ち取られていく。それはライズハートも例外ではなく、次第に動きは精細を欠き一撃でエルフ達を斬り捨てることが出来なくなってきた。
そしてその肩をエルフの少女が放った矢が射抜いた。
「ぐっ、、ここまでか。いや!最後に貴様だけでも!【武技】能力向上!能力超向上!」
最後に最大の障害を打倒しようと、無理をして発動させた
その姿はまさに軍神であり、戦場で一層の輝きを放つ美しい花のようでもあった。眼前のエルフを斬っては斬って斬り捨てる。その力の限り。
しかしついには奮闘虚しく、その足が止まった。
周りを見渡すと周囲に味方はおらず、周りはエルフ達に囲まれている。
(、、届かなかったか。神よ、申し訳ありません。私の不出来により、兵を失いました。この罰は如何様にでも。ですが、、ですがどうか、部下達に貴方様の加護を。)
そう神に祈った。その瞳は、まさに自分の命を奪おうと矢をつがえるエルフの少女を捉えていた。
(悔いはない。我らが神に栄光あれ!)そう祈りながら瞳を閉じた。
そしてつがえられた矢がライズハートを捉え、、、
(、、、何だ?どうしたのだ?)
来る筈の痛みが来ない。それにあれほど
(もしやここは既に神の世だとでもいうのか)
その思いのまま目を開ける。すると、、、
「素晴らしかったよ。もう大丈夫、後は任せて」
そこには
(あぁ、そうか。
その言葉を最後にライズハートの意識は真っ白になった。
独自設定
隊長の槍。ロンギヌスと言う設定です。「神人が持っている槍がただの槍なわけないよな?」と思いそうしました。
無限魔力の名前【マスラント】
ずっと無限魔力だと書きづらかったので名前をつけました〜。
エルフ王国侵攻軍総指揮官【ライズハート】
原作で言うガセフポジションの代わりに登場させました。
名前の由来は
それとオリ主の口調が少し変だったので修正しました。
もう読まれた方にはご迷惑をおかけしますがご了承ください。
感想お待ちしています!
新しく書くか否か
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新しく書く
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新しく書かずに続ける