「『290日目』で今日は終了、と……」
リターニア領を出てからしばらくゲームを続けていたが、そろそろ眠気が限界だったのでこの辺りで今日は止めようと思う。
というかよく見たら時計も12時を回っている。祝日のおかげで連休だとはいえ、少しゲームばかりやり過ぎていたかもしれないな。
「かと言ってゲーム以外にやることも無いけどさー……あれ? ゲームが終了しない?」
起きたら続きをやって、次はラテラーノだ。
そう思いながらゲーム画面の右上、バツ印の部分をクリックしたのだが、いつものように画面が閉じてくれない。
反応が鈍くなったのかと考えながら何度かクリックを重ねてみたところ、閉じる代わりに≪確認≫というポップアップが現れた。
そして画面に広がったのはいくつかの質問事項と文章の数々。
この画面、前にも見た気がする。アンケートみたいな奴だったよな?
そう思ったのだが、少し読んでみたところ明らかに前回とは違う感じがした。
「正直もう寝たいんだけど……」
閉じるためのボタンも見当たらない。スクロールした最後の≪回答終了≫のボタンも、無回答のためかクリックしても反応が無い。
……仕方ない。そんなに多くないからさっさと答えてしまおう。
≪滞在したい地域を次の内からお選び下さい≫
□ウルサス
□リターニア
□ラテラーノ
■その他→炎国
何だろうこの質問?
そう思ったけど、早く終わらせたいので多少の疑問は無視することにした。
とりあえず、また戦いになりそうだからウルサスはパス。リターニアは行ったばっかりだからパス。
ラテラーノはそもそもこれから行くところだから選ぶ必要が無い。消去法でその他にして、そこから炎国にしておいた。
モスティマ曰くとても発展しているらしいので、実はラテラーノの次に行こうと思っていたのだ。
彼女が所属しているペンギン急便とやらも、炎国の龍門という都市にあるそうなので、ぜひ訪ねてみたい。
≪この世界で貴方が他者に求めるものを次の内からお選び下さい≫
□武力
□知識
■信頼
□信仰
武力も知識も有れば便利だと思うけど、『他者に求めるもの』となると何だか違う気がする。
他者が絡むとなると、やっぱり信頼が一番だよな。社会人は信用や信頼が本当に大事だし……。
あと最後の『信仰』は何なんだ。他者に求めるものじゃないよ。怖い。
≪『鉱石病の治療』について貴方の基準を次の内からお選び下さい≫
□源石を体表及び体内から消し去ること
□源石の影響を受けないようにすること
■源石によって死なないようにすること
これは前回のアンケートで答えたやつの関係かな?
あの時は≪この世界に何か一つをもたらすのであれば、何にしますか?≫という質問に『鉱石病の治療方法』と答えたはずだけど、ゲームをしてる内にいろいろと知ったことがある。
源石って発生した部分の機能を補うことがあるらしい。目に出ると目の機能を持った状態になり、内臓なら各器官の役割を引き継ぐとのこと。
それと鉱石病にかかることで、アーツを使用する際の補助具──アーツユニットが無くても、アーツを発動出来るようになるのだとか。
それらを踏まえると、消し去った結果死ぬ可能性があるし、鉱石病の弊害のみならず恩恵までも無くなってしまう。
そうなると最後の『源石によって死なないようにすること』が、良いのではないかと考えた次第だ。
……まあゲーム中の会話とかを聞く限り、見た目──体表に源石が見えるだけで、差別とかされるらしいけど。
でもそのレベルの話になると、完治したとしても差別は無くならないと思う。治ったから大丈夫、を保証してくれる人が居る訳でも無いし……。
≪アバターの種族を次の内からお選び下さい≫
■おまかせ
え、もしかして操作出来るの?
驚きでちょっと目が覚めた。
ズラッと並んだ種族のリストには、ゲーム中に聞いたことの無いものもたくさんあった。
でも俺、こういうのにはあまり拘りが無いんだよな……。
性別とか年齢は悩むけど、見た感じ本当に種族だけだし……。
角があったり尻尾があったりしても、やること自体はあまり変わらなさそうだ。
当たり外れも判断が付かないのだから、『おまかせ』を選んでおこう。
「終わった……。よし、ゲームもちゃんと終了出来た」
最後の内容から考えると、このゲームはまだまだ楽しめそうである。
良いね、ワクワクしてきた。
『≪条件≫と≪要望≫と≪定義≫を再確認』
『記録及び情報を確認中……』
『シミュレーションを実行中……』
『シミュレーションを実行中……』
『シミュレーションを実行中……』