「オーナーの状態を確認してからになるけれど、問題無いのであれば私から提案が有るわ」
「数日後の出発の移動方法について、ロドスの協力を受けようと思っているの」
「途中の補給の目途も付いているから、『ノア』に直接向かうことが出来る方法になるわね」
「AceとScout……信頼出来る私の仲間も一緒だから、危険な目に遭うことも無いはずよ」
「……後は、そうね」
「…………オーナーさえ良ければ、道中で一緒に見て欲しいものが有るわ」
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「…………正直な気持ちを話すなら、あたしと一緒に来て欲しいと思ってる」
「でも、オーナーは首を縦に振ってはくれないんでしょう? 皆から事情を聞かせてもらったわ」
「この中では一番部外者だから、教えて貰えない情報も有るんでしょうけど、我儘を言える状況じゃないことは理解しているつもりよ」
「……あたしの事情を押し付けてしまってごめんなさい」
「あなたの事を、ちゃんと考えて行動するべきだったわ」
「分身でも構わないから、体調が良くなったら改めて謝罪させてちょうだい」
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「久し振り……で合ってるかな?」
「こっちもいろいろと考えていたのにこんなにかき乱すなんて、『ノア』に居た頃と変わってないんだね」
「フィアメッタとレミュアンは疲れた顔をしていたけど、私は逆に安心したよ」
「これからどうするかとかはもう話し合って決めてあるから、オーナーへの要望は特に無いんだ」
「でも、もしも君の時間が余りそうなら……」
「シエスタの美味しいお店を見付けてある。一緒に食事でもどうかな?」
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「オーナー殿に迷惑を掛けてしまって、大変申し訳無い」
「約一年振りの再会だったとはいえ、心を乱したのは拙僧が未熟な証拠」
「今はただ、オーナー殿の回復を祈るばかりでござる」
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「遊びに誘おうと思って来てみたら、倒れたって聞いてびっくりしたよ!」
「ゲームに関しては、とりあえずまだ預けておくね」
「明日もまた来るから、起きてたらよろしく」
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「────と、まぁこんな感じだな」
日が沈み始めた夕方頃。
少し前にベッドで目覚めた俺は、同じく部屋に居たアスベストスさんから状況を教えて貰っていた。
今の時刻などを聞いたから分かっているが、どうやら俺は一日ほど意識を失っていたらしい。
そしてその間に、関係者間でいろいろと話し合いと情報の共有が行われたとのこと。
何だか厄介そうな事が既にある程度解決しているというのは大変ありがたいのだが、おそらく当事者であろう俺を抜きにしているというのは如何なものだろうか?
…………いやでも、俺が対処出来るかと言えばそれは無理な話だ。今回は大人しく、素直に皆に感謝しておくとしよう。
「……起きたばっかりだからな。また倒れられても困るから、今日はこのまま休んどけ」
「ありがとうございます、アスベストスさん。……あの、どうしても確認したいことが一つあるんですけど」
「何だ?」
アスベストスさんは皆が話していたことを一気に教えてくれた。
ありがたいはありがたいのだが、一つ一つちゃんと考えて処理するにはまだまだ時間がかかる。
そんな中でも一つだけ、俺の中でどうしても引っかかっていることが有った。
実際に対応するのが明日以降だとしても、出来ればこの疑問だけは早急に解決しておきたいところだ。
「サガさんが『約一年振り』と言っていたのは、間違い無いですか?」
最後にゲームしたの、大体二ヶ月前だったよな?
一年振りって……どういうことだ?