陰の立役者と呼ばれて   作:一般構成員

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第六話 陰の立役者は騎士の誉れが欲しい

 

 

 

 シドの頭に踵を叩きこんでから数日、俺は平和な日常を過ごしていた。

 

 アルファからもガンマからも休む様に言われたし、暫くはガッツリ休む予定だ。

 でも一応クラウン財団の仕事はキッチリしないといけない。

 

 まず農業部門なのだが初期投資として王国周辺のよさそうな土地を一気に購入させてもらった。

 シャドウガーデンの資金も少し借りたからアルファとガンマにもそのあたりの話は通してある。

 そしてその購入した広大な土地を利用して某合衆国の農業の様な事を真似する。

 他にも土地を貸してそこで普通の市民とかに農業をしてもらうのもいいかもしれない。

 まぁ経営に関しては素人なので、いつの間にか滅茶苦茶詳しくなっていたガンマに聞きながら頑張っていこう。

 その内効率的な農業とか色々教えて回って、ミドガル王国全体を好景気にしていくのを目標に動いて行こう。

 それにガンマは将来には複合商業施設や金融業、飲食業とか多くの事に手を出す予定だと言っていたから、それを補佐する形で連携していく予定だ。

 

 そして鉱山事業なのだが、ここで元々働いていた人達には別の部署に移ってもらった。

 代わりにイータが開発した『単純労働スライム』の実験場にした。

 採掘に運搬が一個体で完結しているし、何よりも人件費がかからないというのが魅力的だ。

 でもスライムの開発で結構な金額が持っていかれるからトータルで見ると今はまだ赤字が続いている。

 イータに余計な金額を使ってないかとか、そもそも頼んだ仕事をしているのかとか色々確認するけど、大体はぐらかされる。

 そして詰め寄ったら不安げな顔で

 

「ジョーカーは……私の事……信じられない?」

 

 とか言ってくるもんだから何も言えなくなる。

 結局赤字は止められないままだ。元々鉱山事業は資源の確保が主な目的だったからいいけど。

 一応仕事自体はしてくれているみたいだけど。

 採掘した鉱石は選別して市場に普通に流すか、シャドウガーデンの備蓄に回すかを分けている。

 貴金属や後々使うであろう鉱石類はシャドウガーデンの方に、銅や鉄は製錬して輸出や販売をしている。

 集めた貴金属は後でガンマの服飾事業で使うはずだから今の内から集めてる。

 シド経由で伝わった、現代の洗練されたデザインや機能美の服やアクセサリーを見たら、こっちの世界の人達は食いつくだろう。

 それを事前に予想して品切れを起こさせない為に準備をしておく。こういう事をしておくのも俺の役目だろう。

 

 そんな感じで頭を使う事が多い数日間だった。

 だから休みの日という訳で俺は実家でゆっくりしている。たまには何もせず実家でのんびりするというのも悪くない。

 

 日頃からシドに振り回される事の多い日常だ。やれ訓練に付き合えだ、やれ盗賊狩りに行こうだ、やれ奥義の練習相手になれだと。特に最後のやつは本当に死にかねない威力があるからやめて欲しい、俺じゃなきゃ確実に死んでる。しかもアイツが言うにはまだ未完成だとか。

 核に勝つためには自分が核になればいいって、意味が分からない。

 アイツの思考回路はどうなっているのか、何が僕の考える陰の実力者は核で蒸発してはいけない、だ。

 そもそも迎撃を想定しているのか同じ威力の技が欲しいのかも分からない。そういう事は何も言ってくれないからなアイツ。

 

 そして今日はシドにも呼ばれる事もなく、アルファにシャドウガーデンに来いって呼ばれている訳でもない。ある程度やる事は終わらせたから完全にフリーな一日という訳だ。

 今日は頭も体もしっかり休める為の一日にする。

 そういう訳で昼間っから寝るとしよう。昼寝というのは気持ちのいいものだ。

 

「ジョーカー、居るかしら?」

 

 そう言いながら窓から入ってくるアルファ。

 ――終わったわ俺の休日

 

「何? その表情、もしかしてやる事でもあった?」

「いや、何もない。この前は休めって言ってたのになとか思ってないぞ。それで? わざわざ来たという事は何かあったのか?」

 

 本当は今日一日何もやる気が無かったのだが、シャドウガーデンに関係する事なら話は別だ。

 組織のNo.2としても個人的にも頼られたら手伝うと決めている。

 

「それは悪かったわね、でも問題があるのよ。ゼータが新しい拠点の候補地を見つけてくれたのだけれど……」

「何か問題がある所なのか?」

「ええ、『古都アレクサンドリア』という所なのだけれど知ってるかしら?」

「何処かで聞いた事がある気がするな」

「流石ね、ベータも少し知っていたのだけれど言い伝え程度の事しか知らないって」

「ああ、そうだ。昔のお伽噺に出てくるような場所だった気がするな」

「場所は聖地リンドブルムの更に東。『深淵の森』を抜けた先にあるらしいわ」

「『深淵の森』ねぇ。危険地帯なんだろ? 先にこっちでも調べる時間が欲しい。別に今日今から向かう訳じゃないだろ?」

「そうね、流石に準備が必要だしシャドウにも報告しとかないといけないし」

「いつ行く予定だ?」

「二日後に行く予定よ」

「それまでには何か情報を探ってみる」

「助かるわ。それじゃ私はこれで」

 

 そう言ってアルファ窓から出ていくアルファ。

 ふむ。これで完全に一週間近く休日が作れなくなったな。仕方ない。

 取り合えず二日後に向けて古都アレクサンドリアとやらの情報を集めるとするか。

 

「まず、家の書庫の中を漁ってみるか」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 二日後、俺はシャドウガーデンの現在の拠点である廃村に来ていた。思っていたよりシャドウガーデンの人数が増えていた。何人か見たことある子も居るが、大半は見たことない子達ばっかりになっていた。……確かにこれは狭いかもしれないな。

 

 いつもの家に入るといつもの七陰のメンバーと褐色のエルフが居た。…………どちら様?

 俺の困惑した表情を察してか褐色のエルフさんの方から挨拶してきた。

 

「お初にお目にかかります、ジョーカー様。私はラムダと言います。挨拶が遅れてしまい申し訳ありません」

「ああ、いや気にしないでいいよ。互いに巡り合わせが悪かっただけろうし。これからよろしく頼むよ」

「そう言って下さるとは……いえ、これからよろしくお願いいたします」

「そんな、俺に敬語とか使わなくていいよ」

「えっ、いえ。そういう訳には……」

 

 アルファから話には聞いていたラムダというのはこの人の事だったのか。シャドウガーデンの新人育成を担当してくれているらしい。

 結構真面目な性格というか軍人気質と聞いていたが、うん新人育成が似合ってるな。

 

「挨拶も済んだかしら? 早速向かうわよ」

「行こうか……ってイータは来ないのか?」

「んー? 私は……パスで。余り……出歩きたくない」

「そうか、一応『霧の龍』とやらが居るらしいがそいつのサンプルとか要らないのか?」

「ジョーカーが……持って帰って……くれる……そう……信じてる」

「はぁ、分かった霧の龍が居て、更に採取出来そうならしといてやるよ」

「うん……待ってる」

 

 こうして俺たちはイータを除く七陰とラムダ率いる数人のシャドウガーデンのメンバーと共に古都アレクサンドリアを探しに深淵の森へ向かっていった。

 

 

 

 深淵の森モンスターを倒しながら進んでいると、想像していたより歯ごたえが無いせいかデルタが不満そうにしている。

 

「うー、弱い奴しか居ないのです! 危険な所に棲んでる奴らだからもっと強いと思ってたのに」

「そうですね。環境に適応して特別に変異したモンスターも見当たりませんし」

 

 ベータは倒したモンスターを見て考察している。

 何やら二人はそのまま話しているが俺はそんな事よりも気になる事があった。

 

「ジョーカー? 何か感じたの?」

「いや、気になる事はあるが確証がまだ取れていない。余計な混乱を招かない為にも今は言えないかな」

「そう、何か分かったら言って」

「ああ」

 

 毒の霧もそうだが何やら誘導されているようなそんな感覚がある。

 そんな会話をしているとデルタから出るとは思わないような台詞が聞こえてきた。

 

「じゃあ、この霧は自然の物じゃないって事です⁉」

「珍しく冴えてるじゃないデルタ。恐らくそういう事だと考えられるわ」

 

 ガンマもそう考えているようだ。途中聞いていなかったからよく分からんが。

 

「自然の機嫌が分からない奴は狩りなんて出来ないのです! そんな事も分からないのですかガンマは?」

「あなたにそんな事言われるとは思わなかったわ」

「そんなんだからいつまでもガンマは弱っちいのですよ」

「ぐぬぬ、ともかくこの霧は意図的に起こされている現象と考えるべきでしょう」

 

 ガンマが上手くまとめてくれている。恐らくこれは霧の龍が発生させている現象で間違いないだろう。

 

「まさかこれを発生させている存在があの伝説の霧の龍?」

「まさか、霧の龍は所詮伝説。つまり噂話と変わらないよ」

 

 イプシロンとゼータもそれぞれ言っているが実際毒の霧はあるしそう言った記述も出てきた。

 

「でも記録も残っていたし、毒の霧も実際に存在している。……この森に住まう存在は一筋縄では行かないだろうね。だからこそ隠れ家にはいいと思う」

 

 ゼータはそう言っている。

 まぁそう意見には賛成だし考え方もいいと思う。だがここの土地の主はそう簡単にはさしてくれなさそうなんだよな。さっきから妙な違和感がある。

 

「――何か違和感が」

「イプシロンも気づいたか」

「ええ、ジョーカー様。こう、何か意図的に方向感覚を狂わされているそんな気が……」

「ああ、そうだな。ここの土地の主は俺たちの事を歓迎していないようだ」

 

 デルタが匂いを嗅ぎ始めた。方向感覚を狂わせる結界も匂いは誤魔化せることは出来ないようだ。

 強い奴がこっちに居ると言い走り出すデルタ。それを追いかけるゼータ。

 獣人コンビは嗅覚が優れていて助かる。がこの先に居る存在は結構ヤバい奴だ。

 大分近づいていたからか俺の魔力探知にも漸く引っかかった。

 直ぐにフォロー出来る距離じゃないと安心できない相手だとも分かった。

 

「俺は先に二人に付いていく。アルファは他の指揮をしていてくれ」

「分かったわ。部隊を編制して直ぐに追いかけるわ」

 

 二人に付いていくとそこには白い龍の姿が。

 

「――わしの眠りを覚ますのは誰か?」

 

 言葉だけでも魔力のプレッシャーが伝わってくる。

 

「……霧の龍」

 

想定していたよりも早く合流してくれたアルファがそう言う。

 

「『霧の龍』か。かつてそうわしを呼ぶものたちも存在した。だが時代の流れと霧の中に滅びた」

 

 その後ベータと霧の龍は興味深い話をしている『古都アレクサンドリア』『古き盟約』中々心躍る内容じゃないか。こんな状況じゃなければ異世界ファンタジーだって喜んでいただろう。

 だが流石は龍。定命の者とは相容れないようで結局自分が守っていた古都アレクサンドリアは自ら滅ぼしたようだ。まぁそう言うものだよな、龍は。

 どうやらデルタとゼータの会話で完全に戦闘状態に入る事が確定してしまったようだ。

 

「そういえばそこの男。貴様この森に入ってきてから随分とわしにちょっかいをかけてくれたな?」

 

 ……おや、ちょっと霧や結界を調べていたことにご立腹の様だ。

 完全に矛先がこっちに向いている。みんなが狙われるよりかはいいけど、この状況はよろしくない。

 何たって龍はありきたりな死を遂げる事が出来ない。つまり普通に叩きのめしても殺せないのだ。

 シドと違い火力のある攻撃方法の少ない俺では倒せる可能性がとても低い。

 本当はこうなる前にどうにか他に倒す方法が無いか調査を済ましたかったのだが……仕方ない、やるしかないようだ。

 

「ジョーカー、私は真っ向勝負しかないと思うのだけれど、貴方はどう思う?」

「そうだな、龍に挑むは騎士の誉れだ。真っ向勝負といこうじゃないか」

いや、貴方騎士じゃないでしょう⁉

 

 アルファが何か言ってるが龍に挑むは騎士の誉れだ。

 せっかく憧れの龍に会ったんだ、言ってみたかった台詞を言うぐらいは許されるだろう。

 

「まあ、今のは軽いジョークだ」

「今冗談を言う様なタイミングじゃないでしょう」

「悪い悪い」

「そう言えば真っ向勝負は貴方の苦手な分野でしょう? 本当に大丈夫?」

「アルファ。シャドウガーデンのNo.2が一芸に、それも妨害とか小細工に特化してると思っていたら大間違いだぞ?」

「それってどういう意味?」

「俺はただシャドウとは違う形で組織に貢献しようとしているだけで、別に小技で翻弄したり、事前に準備をして嵌めたりしか出来ない訳じゃ無い」

「……つまり?」

別に正面切った力比べが出来ないとは言って無い

 

 俺はそう言って自分の魔力を練り上げていく。

 今からするのは大技を放ったりとかでは無い、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それは魔力による身体強化だ。

 シドよりも多い総魔力量全てを身体強化に使うのだ。シドの嫌っている超脳筋戦法だから知られたくなかったんだよな。

 しかもこういう事をすると他のメンバーに悪い影響を与えてしまいそうで。

 

「フンッ! 笑わせてくれる。定命の者が龍に力比べだと? よかろう、その自信が何処まで持つか試してやろう!」

 

 そう言って霧の龍は俺に向かってその剛腕を振るってくる。

 俺はそれを片手で受け止める。

 

「ほう? 存外やる様だな」

「龍に認めて貰えるとは光栄だな」

「だがいつまで持つかな?」

 

 そう言うと霧の龍は今度は一撃で叩き潰しに来るのではなく、手数でそれも速度を重視した動きで攻撃してくる。

 身体強化で身体の耐久力も底上げしてはいるが、くらうと流石に吹っ飛ばされる。

 そうなると帰ってくるまでの間に誰かが怪我でもしたら大変だ。責任が取れない。

 

「ハハハハハッ! ここまで耐えるか定命の者よ!」

 

 流石に全てを避け続けるのは疲れてくる。

 

「サブボス! デルタも手伝うのです!」

 

 デルタがそう言い、吠えながら突っ込んでくる。誰かが作戦を考えてくれたのか?

 

「バカ犬! 正面からぶつかっても意味無いって!」

 

 珍しく、本当に珍しくゼータが声を荒げている。

 そしてデルタの攻撃はいとも簡単に止められる。考えなしの突撃だったみたいだ。

 

「デルタ! ゼータと協力してタイミングよく急所を狙っていけ! まだマシなはずだ!」

「わ、分かったのです」

「分かった」

 

 このままだと不味い状況が続きそうなので指示を出していく。

 そう言っていると矢が何本も飛んでいく。ベータの攻撃だろう。

 

「大丈夫ですかジョーカー様!」

「問題ない大丈夫だ。それよりもベータは龍の目を重点的に狙え、そしてイプシロンは斬撃を関節部分に集中してはなってくれ」

「分かりました」

「了解です」

 

 残ってるのはアルファとガンマだな。

 

「ガンマはベータとイプシロンの防御に回ってくれ、アルファは俺が隙を作るまで待機だ。魔力を練って待っててくれ」

「かしこまりました」

「分かったわ」

 

 これで何とかなるといいけど。

 

「策は練ったか? では続けるとしよう」

 

 そう霧の龍はこちらがそこそこの態勢が整うまで、俺との力比べに興じていたのだ。

 ハッキリ言って完全に嘗められてる。

 

 その後デルタとゼータに重要な血管が通る所を斬られても、ベータに目の周囲を射ち抜かれても、イプシロンに関節や健を斬られても、アルファに脊髄に思い一撃を入れられても、霧の龍は以前変わりなく余裕を感じさせてきた。

 正直ここまでしぶといとは思っていなかった。

 

「随分と龍という存在は面倒な存在だなッ!」

 

 俺は一度龍の手を弾き飛ばして一旦距離を取る。

 

「ふむ。何か策があるのか?」

「余りこういうのは役割じゃないからしないんだけどな、そこそこの火力が出る攻撃をさせてもらおうかと」

「成る程」

 

 俺は手に槍を創る。慣れ親しんだ武器だ。手に馴染む。

 時に俺が魔力操作で得意なのは物に流す事だ。これは性質とかそう言う感じで得意ってだけなんだけど。

 以前イータに俺とシドの魔力がどう違っているのか調べてもらったところ、イータ曰く分かりやすく説明するならシドが一本の線による螺旋だとするならば、俺は二本の線による二重螺旋らしい。

 本当はもっと複雑らしいが、違いを説明するならこれが一番分かりやすいと言っていた。

 結局どういう変化が出るのか聞くと、単純に放出や高い出力を出すならシド、細かい作業とかをするなら俺の方がいいらしい。

 その説明を受けて数十分後にイプシロンが魔力の性質を操作のコツを教えて欲しいって突撃してきたときは流石にビックリした。

 そしてより強固に練った魔力を流した高伝導率のスライムで出来た槍は想像を絶するほどの強度を誇る。

 それを極限まで高めた身体能力で投げつける。シドの奥義ほどでは無いが威力は十分だ。

 現に霧の龍の上半身が裂ける程の威力は出た。流石に死んだだろって思ってたんだけど。

 

「クックック、お前たちは強いな」

 

 俺を含めた全員が黙って霧の龍の言葉を聞いている。

 

「お前たちは定命の者にしては強いのだ。そこらの者達とは比較にならない程にな」

「誉め言葉として受け取っておこう」

 

 何とか時間を稼いで、その間に全員を逃がさないと。

 俺はここまで死なないとは想像もしていなかった。完全に撤退をするべきだと思っていた。

 

「だが上には上がいる。それが世界の理と言うものよ……」

「そう、その通り」

「ッ!」

 

 おっと真打登場というやつか。正直このままだと危なかったから助かった。

 ……それにしてもタイミングがいいな。

 

「この忘れられた森の奥地で無為な歴史を歩む愚かな龍よ、貴様にも同じ事が言える」

「貴様……何者だ!」

「我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩る者。ただ永き生を過ごすのみの哀れな龍よ、我が引導を渡してやろう」

 

 随分と気合の入った登場だ。もしかして前もって来ていたそういうオチか?

 

「シャドウ! あなたここまで私たちを助ける為に来たの⁉」

「――フッ」

「シャドウどうするつもりなんだ?」

「……これは我と龍の戦いだ。手出しはするな」

「分かったじゃあ任せるぞ」

「ああ、任せておけ」

 

 すると龍は数本の魔力のレーザーを発射してきた。

 俺の時にはやってこなかった攻撃をしてきた。マジか。

 しかももう身体の傷が回復したのか。流石は龍、他の生物とは全く違う。

 その放たれたレーザーはシャドウに降り注ぐ。

 着弾と同時に辺りは煙に包まれる。そこにはシャドウの姿は無かった。

 だがシャドウは既に龍の頭に飛びついていた。角を片手で持ち、持っている剣に魔力を込める。

 

「永き生に飽き、自らの力にも飽き、ただ時を流れるように過ごすのみ。古の龍よ、貴様は何を望む?」

「貴様……本当にただの人間か?」

「ただの人間だとも、だが貴様の想像を遥かに凌駕する実力をもったただの人間だ」

 

 シャドウはそう言いながら龍の頭に剣を突き刺し、その膨大な魔力をぶつける。

 龍の叫び声が響き渡る。辺りは紫色の魔力に埋め尽くされた。

 

 

 

 結論を言うとシャドウでも完全に霧の龍は倒すことが出来なかった。

 だがシャドウは霧の龍と盟約を結びその配下という事か俺たちシャドウガーデンも認められた。

 

 後それと霧の龍のサンプルを取るのを忘れて、その事をイータに伝えたら、クソデカいスパナで脛を叩かれた。めっちゃ痛い。

 おまけに今度実験台になれって言ってきた。そこまで重罪か?

 

 イータやラムダ達を呼び完全にシャドウガーデンの拠点移動は完了した。

 拠点の改装にイータが珍しく乗り気になっていた、正直期待と不安が半々といったところだ。

 

 今回は反省点が多い。いつもはもっと大きさが自分に近い相手しか居なかったからな、これで十分だと思っていたけど。どうやら考え直さないといけないという事が分かってしまった。

 近いうちにシドに協力してもらおう。本当はこういう火力技は持っとく気無かったけど、あそこでシドが来ていなかったら結構危なかった。

 いつまでもいいタイミングでシドが来てくれるとは限らないからな、俺も一人で何とか出来る様になっておかないと。

 

 それにしても龍と力比べが出来るとは思わなかったな……誉れとかない脳筋で蛮族スタイルでの戦い方だったけど。




 今回もここまで読んで頂き本当にありがとうございます!

 まず、誤字報告をして下さり本当にありがとうございます。凄く助かりました。
 誤字報告ってあのような感じに来るものなのですね、初めて知りました。
 お気に入り登録や評価をして下さった方々ありがとうございます!
 凄くモチベーションに繋がります!

 投稿を始めてそろそろ一週間が経ちそうですが、まるで成長していないですね、ホントに。

 これからも頑張っていきますので次回も楽しみにして頂けると幸いです。
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