大規模侵攻の傷跡がある程度癒えた頃、B級ランク戦の新シーズンが指し迫っている。A級ランク戦が停止となっている今、B級ランク戦はA級隊員からC級隊員まで幅広い層からの関心を集める。そんな中B級ランク戦のラウンド1は新設部隊の玉狛第二のエース空閑が大量得点を取り、雨取隊員の砲撃が見事に市街地を吹き飛ばすという常人離れした凄まじい結果となっていた。空閑は個人でA級隊員レベル、雨取はトリオンモンスターということが知れ渡りB級ランク戦のラウンド1は終了となった。
同日夜
B級ランク戦夜の部、
「みなさんこんにちは。本日の実況を務める海老名隊のオペの武富です。」
昼の衝撃的なデビューを果たしたチームがいる中での夜の試合。B級ランク戦が日中話題となったことや夜になり人が増えたこともあり、多くの観戦者がいる。
「本日は太刀川隊の出水隊員と冬島隊の当間隊員を解説にお呼びしました。」
「「どうぞよろしく」」
軽く挨拶をしている2人は現在A級の1位、2位に君臨するチームのメンバーとして多くの隊員に知られている。
「今日の昼間の玉狛第二のデビュー戦も凄かったですが、B級ランク戦初参加となる夏凪隊についてはどう思いますか?」
海老名は質問を振った。
「夏凪隊はな...少し色々あってB級ランク戦初参加って形にはなるが列記とした元A級の部隊だな。」
出水はやんわりとした説明が入る。今のA級隊員の大半や古くからいる隊員なら夏凪隊の実力やB級にいる経緯をある程度知っている人はいるがそう多くはない。そんな事を言っている間にステージが市街地Cに決まった。選んだのはB級最下位からさスタートの夏凪隊だ。
「これはまた狙撃手に有利なステージが選ばれましたね。」
武富は狙撃手のいない夏凪隊の選んだマップに疑問を持った。
「夏凪隊の夏凪はイーグレット持ってるからな。狙撃手訓練に参加してることが滅多にないが腕は立つな。」
とNo. 1狙撃手の当間が言う。夏凪は銃手をメインとしているものの狙撃手こなすことができる。
「夏凪隊の緋山隊員は射手ですがどう思いますか?」
やはり新規参戦となる部隊には興味があるのか、夏凪隊に関する質問が中心に飛び交う。
「緋山は単独戦闘しちゃ絶対ダメだな。射手としてまともに撃ち合うのは俺でもしんどいし、撃ち合いで勝ち越せるのなんて二宮さんくらいじゃないか?」
緋山をよく知らない人からすれば驚くの発言が出水から飛び出した。
「ーではここで全部隊の転送が完了しました。」
ランク戦が始まった。各隊員はそれぞれ合流ポイントを目指したり高台を取りに行く動きを取ってい中、夏凪隊は夏凪、緋山共に単独でポイントを取りに動く。
「北の高台側と東側にそれぞれ集まってると思う。」
早坂が開始直後のバックワームを羽織る前のわずかな動きから敵部隊の予測地点を割り出す。
夏凪は高台付近で敵部隊を見つける。
(敵は3人。弧月1人に銃手2人。)
夏凪はエスクードで3人を分断した。分断されて焦った隊員を歩兵銃のアステロイドで落とすと同時にエスクードを解除。味方の緊急脱出に慌てた2人をそれぞれ撃ち抜いた。
「ここで戦況が動きました。夏凪隊長が1人で3人を瞬く間に倒してしまいました。」
「エスクードで分断して相手の環境を急変化させ焦ったところを1人落として、分断後の行動を残りの隊員たちが考えたタイミングでエスクードを解除。また環境の変化に急かされるのと同時に味方の緊急脱出にも気を取られているところを瞬殺。戦闘経験の差が如実に現れてると言えるな。」
武富と当間がそれぞれ実況解説を行う。そんな中、東側でも戦局が動いた。
緋山は東側で敵部隊が集まっているのを確認すると同時にアステロイドとバイパーの両攻撃を行う。リアルタイムで引かれるバイパーによってシールドを広げられたところに高威力のアステロイドで削り取る。反撃の隙を与えることなくわずか20秒程度の攻撃で敵部隊を全滅させた。これには会場も一瞬静まり返ってしまうほどだった。
「ーー試合終了!夏凪隊が6得点を挙げ圧勝となりました。今回の試合の総評をお願いします。」
「今回は夏凪隊完全復活って印象が強かったなぁ」
「まぁ総評っていうのも難しいよな。今回戦ってたB級下位の部隊のメンバーにはしんどい相手だったと思うしこれに負けたからと言ってそう悲観するものではないな。」
と当間も出水も総評というより感想に近いものを言ってB級ランク戦ラウンド1は幕を下ろした。