Another world trigger   作:@往生堂

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6話

B級ランク戦ラウンド1が終わり、夏凪隊の次の対戦相手が那須隊、諏訪隊に決まった。試合開始から全体で10分足らずで決着を着けた初戦の結果は大型新人部隊である玉狛第二と双璧を成して広まっていった。

「ふん。下位相手ならこれくらいできて当然だ。」

「謹慎前となんら差がないですね。」

そんなことを話しているのは個人総合2位でNo. 1射手の二宮と彼の率いるB級1位 二宮隊のオペレーターの氷見だ。

「まぁこの調子ならすぐに上位に上がってくるだろうね。」

「二宮さんが周りを気にせず1対1で戦える場面になりでもしない限り初めから勝てるとまでは言えないですね。」

犬飼と辻も夏凪隊の復帰について意見を言う。

「うちも含め元A級部隊が3つもいるとなるとB級上位でもA級挑戦権なんていよいよ取れなくなりそうだよね。」

B級部隊はB級ランク戦で2位以上の成績を収めるとA級挑戦権を獲得でき、二宮隊や影浦隊がB級降格以前では、生駒隊、王子隊、弓場隊といった現在のB級上位チームがA級への昇格テストを受けていた。だが現在B級ランク戦に参加している夏凪隊、二宮隊、影浦隊はそれぞれA級で2位、4位、6位が最高順位となっており、この3部隊を抑えてB級1位になれるような部隊がいた暁にはA級昇格試験を無条件で合格してもいいのではないかと思えるほどの魔境となってしまっている。

 

 

「・・・。」

上層部は会議の場で玉狛第二のデビュー戦や夏凪隊の復帰戦を見ていた。

「B級ランク戦を勝ち抜くなんて最早不可能なのでは?」

根付から最もな意見が飛び出した。二宮隊、影浦隊、夏凪隊を抑えてB級2位以上に入るなど現在の他のA級部隊ですら可能かどうかわからない。

「A級挑戦権の獲得をB級3位以上に変更しませんか?」

そんな意見が忍田本部長から出た。この3部隊を抑えて2位など不可能に近く、3位ですら可能かどうかもわからない。

「このままの基準だとランク戦へのモチベーションの低下やB級中位以下の自信の喪失に繋がりかねないですよ。」

唐沢からも肯定的な意見が流れ、最終的に元A級部隊が3部隊に増えたことからA級挑戦権の獲得条件がB級3位以上へと変更された。

 

玉狛支部では林道から三雲隊へとこのことが通達され、目標がB級2位以上から3位以上へとなったことが知らされる。

「そういえばこの間の侵攻で緋山ってひとが援護に来てくれて黒トリガーにも対抗できるって迅さんが言ってたけどどんな人なの?」

「元A級2位 夏凪隊のエース 緋山葵。射手トリガーとスコーピオンを扱う射手。スコーピオンで個人ランク戦をしてないからポイントの基準で万能手には分類されてないけどボーダー最強の万能手と言っても差し支えない強さをしてるよ。」

空閑の質問に宇佐美が簡潔に答える。

「緋山が個人戦力として高く評価されていて、黒トリガーに対応できるなんて言われる理由はあいつのサイドエフェクトによるものが大きい。」

ドアを開けて入ってきた迅も話に加わる。

「確か思考加速とか言うやつでしたよね?」

烏丸は太刀川隊に居た時に戦ったことを思い出す。

「その通り。彼の思考加速のサイドエフェクトは自身の知覚速度を大幅に上げることができるから狙撃に対しての耐性が高かったり、相手の放った射手トリガーを自身がリアルタイムで引いたバイパーをぶつけて相殺したりすることが可能なの。極め付けは知覚速度の上昇によるスムーズかつ超速のトリガーの切り替えが可能で、最大同時に3つのトリガーを扱えるの。」

宇佐美から教えられたことに玉狛第二のメンバーは言葉を失う。

「とりあえず僕たちの目標今まで通りA級昇格を目指すために訓練していくしかない。」

三雲がそう締めくくり玉狛第二の面々もラウンド2に向けて訓練を再開する。

 

諏訪隊の作戦室では

「おい、どーすんだよこれ。B級に居ていい強さじゃないぞ。」

諏訪の一言により静まり返る。いくら元A級とはいえ単独でそれぞれがB級下位部隊を瞬殺。自分達にこれをやれと言われても無理だと感じるところから夏凪隊の異様な強さは伺える。いくらマップ選択権があったとしても有利とは言い難い状況だった。

「とりあえず点を取るためには那須隊を狙うしかないのでは?」

オペレーターの小佐野から作戦と呼べるか怪しい作戦が提案される。

「俺と堤の火力で削り取るってできると思うか?」

諏訪は夏凪隊への攻撃手段を考えている。

結局夏凪隊は自分達が3人揃っていて相手が1人の時という状況でなければ自分達から攻撃せず、那須隊から点を取るという作戦になった。

 

同時刻那須宅では、熊谷と日浦が訪れ作戦会議を行なっていた。

「私は夏凪隊についてあまり知らないんだけど熊ちゃんや茜ちゃんは何か知ってる?」

「私も元A級ってこと以外はあんまり知らないかな」

「わたしもです。」

そもそもトリガー構成すらほとんど分かっていない。夏凪はあまり個人ランク戦の場にいないし緋山もどこかの作戦室で戦闘しており、ポイントよりも他者にログを見られないようにと対策している。謹慎前のログなどほとんど残っておらず、A級隊員に聞くと言った方法くらいしか情報を集められない。

「私達は夏凪隊の2人に個人技で劣っているのは分かっているわ。茜ちゃんは無理せず必ず当てられる自信がある時だけ撃って。熊ちゃんは私と合流するまでは夏凪隊の2人とは戦わないで。点は諏訪隊から貰いましょう。」 

こうして夏凪隊以外の作戦は互いに似通ってしまうのであった。

 

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