Another world trigger   作:@往生堂

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ランク戦書いてると1話の長さがだんだん長くなる


7話

「B級ランク戦ラウンド2、本日の実況を務めます嵐山隊の綾辻です。本日はよろしくお願いします。」

広報部隊のオペレーターとして人気の綾辻が実況を務めると知り観客から歓声が上がる。

「解説には二宮隊の犬飼隊員、生駒隊の生駒隊長、水上隊員にお越しいただいております。」

『どうぞよろしく。』

「えっ。なんで俺までここにおるん? イコさんについて来い言われただけなんやけど」

「俺は戦略とかわからんからな。その辺のサポートをする為に呼んだんや」

「じゃあ何で解説やろうとしたんです?」

本来ならば犬飼と生駒二人だけの予定だったのだが、生駒隊は戦略の担当を水上に一任している。その為もしもの時に備えてと生駒が水上を呼んでおいたのだ。

とはいえ突然の事。加えて自分の適性が低いのに引き受けた理由が水上は納得いかなかった。

「まあ人数多い方が解説もやりやすいし良いでしょ。イコさんいるだけで面白いし、ツッコミ役もいれば話の脱線も少ないだろうし」

「せやろ?」

「誰がツッコミ役やねん! はあ。まあええわ」

そんなコントのような一幕を終え綾辻が話を振る。

「注目はやはり元A級部隊で今シーズンからランク戦へと復帰した夏凪隊でしょうか?」

「そうだね。B級内では異質の強さを誇ってると言っても良いかもしれないね。」

「せやな。特に夏凪ちゃんはカワイイ上に強いんや。」

「マトモに戦うんやなくて他部隊と徒党を組んで戦う。もしくは根本的に戦闘を避ける、生存点を取られないよう生存に重きを置く。こういった対策を取る部隊は今後増えると思うしましてや単騎でやり合うなんてことにならないために序盤は合流重視なんて戦法が流行るかもしれんな。」

犬飼、生駒、水上がそれぞれ答える。

「そんな中諏訪隊は距離を詰めて火力を活かしたい。ステージ選択権を持っているのでぜひ有利を取りたいでしょう。さあステージが決定されました! 諏訪隊が選んだステージは『工業地区』です!」

「諏訪隊は諏訪隊長と堤さんの二人の火力勝負が売りやからな。まさに理想的っちゅう事や。那須隊は狙撃手がやりづらくなるし」

「妥当なところを選んできたね。」

合流が早く、射線が通りにくい、近距離での射撃戦が可能な地形。諏訪隊有利な要素が揃ったマップである。

「夏凪隊は前回同様に単騎で一部隊を相手取るのでしょうか?」

綾辻から戦略的な質問が犬飼される。

「流石に合流じゃないかな?夏凪ちゃんも強いけど今回の那須隊や諏訪隊の様な連携を前提に勝ちパターンを持つ部隊を相手に単騎で勝つのは難しいんじゃないかな。」

全部隊の準備が整い、戦闘開始の時が訪れる。

「さあここで全部隊仮想ステージへ転送完了!」

綾辻の声を合図に全ての隊員達が仮想マップへと転送されていった。

「二日目昼の部三つ巴! いよいよ戦闘開始です!」

各隊員達の眼前で背の高い工業プラントが煙を上げている。バッグワームを展開する日浦を除いた全隊員の位置情報がレーダーに映し出される。皆それを見て敵の襲来を警戒しつつ各々合流へと動き出した。

「犬飼隊員のおっしゃる通りマップは狭い『工業地区』。皆部隊の合流を目指す動き出しです」

そんな中開幕の狼煙が上がる。

「レーダーに写ってるのは多分日浦さんだよ」

早坂から緋山へと通信が入る。緋山はスタート時に日浦と思わしきレーダーに写っている敵との距離は200メートルだった。

「トマホーク」

緋山の合成弾がレーダーに映った周囲を爆撃する。

「いきなり緋山隊員の合成弾が炸裂!日浦隊員は間一髪建物の中での固定シールドで防ぎました。」

その後緋山からの追撃はなく各部隊合流を目指す動きとなった。

狙撃手の日浦が狙撃地点に着く頃、諏訪隊無事合流。那須隊の2人はその少し前に合流するも、時を同じくして合流した夏凪隊と遭遇してしまう。

『バイパー』

互いエースがバイパーを放つ。

「渚、狙撃手を先に排除したい。日浦の位置が分かり次第向かってくれ。」

「了解!愛、狙撃手の隠れられそうな潜伏先マップに表示して欲しい。」

「オッケー。」

夏凪はスコーピオンを歩兵銃の先から出して銃剣の要領で熊谷に応戦する中戦局が動く。

日浦が漁夫の利を狙い那須達の近くに潜伏する諏訪隊を狙い撃つ。唯一斜線の通っていた堤が落とされる。

「最初にポイントを上げたのは那須隊です!」

「ちょっと不味かったかもな。」

「どういうことでしょうか?」

綾辻は犬飼に聞き返す。

「多分夏凪隊は日浦の位置を割り出すためにあえて那須隊の2人との戦いを長引かせてたと思うんだよね。」

犬飼の予想通り、夏凪が日浦の潜伏地点に向けての移動を開始。緋山は夏凪にグラスホッパーを踏ませより速い移動ができる様アシストしつつ、那須にはバイパー、熊谷にはスコーピオンで応戦している。那須隊の2人の連携と緋山の個人技はしばらく拮抗していたがここで乱入者が現れる。

「わりーが点は貰ってくぜ。」

諏訪が屋根の上から散弾銃を発射、それと同時にバックワームを着て迂回していた笹森が急襲する。那須隊の連携が乱れ乱戦へと移行する中、一条の光が空を舞う。日浦が夏凪に落とされた。

「こっちに夏凪が来る。その前に点取るぞ」

諏訪は笹森に指示を出す。

同時に緋山は笹森に向けスコーピオンを投擲。笹森は横に飛びスコーピオンを交わした先、笹森の体に穴が開く。那須が乱戦の中バイパーで得点を挙げる。

「那須隊長が2点目を獲得。」

それと同時に熊谷に、グラスホッパーを用いて緋山が急接近。熊谷もそれに気づき距離を取るものの緋山のマンティスにトリオン供給機関を破壊され緊急脱出。

「一気に終盤になったな。」

綾辻、水上がそれぞれ実況する。

 

「エスクード」

ここにきて夏凪が那須と緋山、夏凪と諏訪という1対1の場を作る。諏訪は相打ち覚悟で散弾銃を放つ。それと同時に夏凪も歩兵銃からアステロイドを放ちもう片方のトリガーで自身の頭とトリオン供給機関を1枚のシールドで守る。結果夏凪はダメージを受けたものの緊急脱出せず諏訪を落とし点を上げる。一方緋山は那須のバイパーを自身のバイパーで相殺しつつ接近。スコーピオンで斬り那須を緊急脱出させた。

 

「試合終了!6対2対0で夏凪隊の勝利です!今回の試合の総評をお願いします。」

「今回の試合、諏訪隊はおそらく那須隊から点を取り、夏凪隊には基本自分達から仕掛けない作戦を立てていたんじゃないかな?」

「そうやろうな?すぐに乱戦にせず那須隊の2人を狙う位置に潜伏しとったからな」

犬飼、水上が諏訪隊の作戦を予想、解説する中

「女の子を斬るなんてけしからん。俺が仇取ったる。」

「何いってはるんですかイコさん...。」

生駒は相変わらずであった。

「今回夏凪隊は狙撃手を早く抑える動きを見せ、那須隊はいつも通り合流を優先してたし、諏訪隊も合流してから戦うっていう部隊戦でのスタンダードな戦い方を忠実にしてあいましたね。」

「そうだね。基本に忠実な戦略を取った各チームだけど勝敗の分かれ目を挙げるとすれば諏訪隊が那須隊を急襲するより前に狙撃した日浦ちゃんとその日浦ちゃんを抑えるべく動いた夏凪ちゃんのために那須隊の2人の連携を相手しつつその後の乱戦を1人で危なげなく戦い抜いた緋山君の活躍にあるのかな。」

生駒と水上の漫才の間、綾辻と犬飼はラウンド2の総評を話し幕を下ろした。 

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