スプラトゥーン3 return to the beginning   作:キール・フェストリー

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Minimize appetite and heart

俺はミニマリストをやっているつもりは無いのだが、旅人であるからか自ずとそうなってしまったらしい。

だから1号に「3号は欲が無いよね」なんていわれたとき、俺は不服に思った。

俺だって三大欲求くらい────いや、性欲はないから二大欲求が正しいか。それくらいは求めるし、生きるために金は求めるのだから欲は十分にあるはずだ。

それに俺は、何にも追われない場所を探し求めて、いままでいろんな街を転々としてきた。

安全で、十分なインフラがあって、誰も何も言わない街を。

しかし、1号は「それはさみしいよ」と訳の分からないことを言ってつっぱねるから、俺はさっさとミッションへ向かった。

 

ステージについてロングブラスターというブキを受け取る。

黒いボディに炎をあしらったデザインの小型バズーカにも見えるそれは、純度の高いインクの塊を発射して急激に酸化させることで爆発力を持たせたブラスターである。

まあ、司令──正確に言えばさらにその妹らしいが──の入れ知恵ではあるが、知識があって困ることなどそうそうない。

このミッションにやつは持ち込めないから、それを置いて待っていてもらうことにする。

やつは期待のまなざしで俺を見送った。

 

違和感に気がついたのはすぐだった。

インクタンクは3分の2程度しか入っておらず、いつの間にかタンクチューブにつけられたロックでインク回復を封じられている。

「……限られた物資で生きるのは慣れているとはいえ、いきなり封じられるのは初めてだな。何発くらい撃てるんですか?」

……妹なら詳しいんだけどなぁ。えーと、6発くらい?」

「……了解!」

まず目の前に有る段差をよく観察し、なるべくの節約ができないか観察する。

スロープを見つけてそれを上り先へ進むと、二輪車ヌリホイールがあり、その先にはタコトルーパーがいる。

それをインクの酸化による爆発も含めて3つ同時に起動。段差の上にいるタコトルーパーを轢き倒し、左にあるカンケツセンを起動させた。

これで1発。

それを追いかけてイカ状態でカンケツセンを登ると、今度は大量のヌリホイールとスイッチが有る場所に出た。

幸い足下には複雑な盤面を俯瞰できる装置があったから、それを使用して撃つべき場所を見極める。

ヌリホイールは基本的に決められたルートしか通らず、おかれ方を見ると曲がることなく直進するだろうと言うことがわかった。

ならば、ヌリホイールで一筆書きが成立する起点は?

「……右上か」

入場口からみて右上のヌリホイールを撃って起動。ヌリホイールの一筆書きが始まった。

ヌリホイールは直進しながら次のそれに勢いを伝えてスイッチを塗っていく。

それがだんだんと中心へ向かい、すべてを塗ると入場口左の壁が倒れて次へと導く。

これで2発目。

開いた方へ向かって段差を降りると、さらに下の方でどういう原理か回っているタコトルーパー達とボム風船。奥手にはライドレールのハブも見える。

「タイミングよく起爆させれば行けそうじゃない?」

2号の意見に同意して射程とタイミングを計る。

敵弾を最小限の動きで回避。距離はなるべく保ってカウントしながらタイミングを合わせる。

「サン、ニ、イチ……」

ゼロ、とは言わない。引き金を引いて3発目の合図をする。

ボム風船が破裂しライドレールと共に道を開いたから、残った兵には無視を貫いて先へ進んだ。

ライドレールで風を切りながら上へ進んだ先には、手前からホイールに横移動リフト、タコスナイパーの後ろには木箱の壁が見える。

横移動リフトがこちらとあちらに一致して、道になったタイミングでホイールを起動。タコスナイパーを轢き、木箱を粉砕した先にはゴールが見える。

そのゴールに向かいながら、俺は密かに後悔した。

 

今回のように、最初からリミットが分かっていれば、俺はあの時違う行動をしただろう。

メンタルの限界値が分かっていたら、俺はもっと言葉を選んだはずだ。

時間の限界が分かっていれば、取り返しのつくうちに覚悟を決めたはずだ。

 

────所詮はたらればだと気付いて、意識を失った。

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