スプラトゥーン3 return to the beginning 作:キール・フェストリー
ボクはそんな世界に生まれた。
ボクの生まれはここより北、タコのナワバリってされているところより上の川。
パパはバクダンの中でも戦果が優れていて、ママは厨房のプロを名乗れるほどのドスコイ。生まれたあたりでも有名なヒトたちだったみたいだ。
だから、ボクもある程度の期待がされていた。
立派に戦って、戦って、戦って死ねるように周りの仲間達はいわゆる英才教育をボクにした。
「────だから、この問題はホの選択肢をとるのが正解だと思う」
「すごいな……! 難易度特級の試験問題、群れのリーダーをはじめとした大役を目指す奴らの問題を……5つにして全問正解するとは!」
そして、それをボクは難なく乗り越えてしまうことができた。
なんで乗り越えられたか、明確なことは今でもわからない、ただ、こういう考え方がしっくりくるとか落ち着く方を選んでいたらそうなったんだ。
それはペーパーテストだけじゃない。
「────成績優秀とは聞いていた。だが、ヘビ・カタパット・テッパン・ナベブタ・グリルの全過程をわずか2週間で修了するとはな……」
操作が難しいヘビやカタパットの操舵方法は3日あれば自分の手足にできたし、ハシラの賛歌隊にも張り合える肺活量や磨けばキンシャケにも劣らない発光能力があった。
唯一できなかったことは大きくなる事くらい。
それを受けてボクへの期待は高まっていって、名無しが基本であるシャケの世界でボクは『
「流石は麒麟だ」
「僕らも麒麟に追いつけるように頑張らないと」
そんなボクに嫉妬する訳でも、恐れるわけでもなく、仲間達は受け入れて食べられたい本能を満たすため切磋琢磨をした。
そうして、近くの海に降りてもっとおいしくなるために、海にある食べられそうなものを手当たり次第狩って食べたり、自分の身体を焼いたり燻したりした。
海にあるものは確かにお腹にはたまるけれどもおいしくなかったし、おいしくなるために自分の身体に火を通すわけだから悶えて動かなくなる仲間達もいた。
その誰もが、一度はボクを見てくれた仲間達で寂しく思ったけど、他からはその死を冷たくされた。
そこで初めて認識のズレを感じた。
確かに名誉の戦死というわけではないけれど、信念のままに生きて死んだのだから労いの言葉ひとつくらいはあってもいいんじゃないか。
死を崇高としてる割には、死に方でここまで扱いが変わってしまうのか。それはなにかズレている気がした。
だから、ボクはせめてもの弔いとして、白目を剥いた仲間達を食べてあげる事にした。
しょっぱくって食べられたものでもなかったけれど、その味をボクが忘れることをできないのはモノがモノだったからだと思う。
そこまでボクは語ったけれど、1ゴウ2ゴウは目を丸くしてアイボーは丸まってしまった。
「さ、殺伐としてるね……」
平然としていそうなシレイですら驚愕で言葉が滞っている。
『確かに殺伐とはしてると思う。でも、闘争本能と食べられたい欲が本能のボク達はそれが普通だよ。ボクはなじめなかったけど』
「普通、か……」
アイボーは縮こまりながら小さく呟いて黙ってしまった。
全員が言葉なくフリーズしているのも気まずかったから、一旦アイボーの心配は置いといて続ける事にした。